三里塚、現地を訪れて
先日、11月1日、カメラマンの塩田亮吾さんを三里塚現地調査にご案内しました。その折の感想と写真を届けていただきましたので掲載いたします。(写真は、クリックしていただければ、少し大きく見えます。)
~三里塚、現地を訪れて~
11月1日、台風の過ぎ去ったこの日、私は三里塚を再訪した。初めて足を踏み入れた10・10の集会では見ることのできなかった現場や、気づかぬままの点を質すための現場調査だ。細かな説明を聞きながらの訪問では、三里塚の現状や、反対同盟の歴史を感じることができる調査となった。(右写真「10・10のデモ行進。反対同盟の北原さんと市東さん。」)
三里塚を歩くと、横堀鉄塔など空港としての破綻性や、違和感を覚える事が無数にあり、いくら書いても書ききれるものではない。そこで三里塚を初めて訪れた者として、象徴的に感じた点を幾つか挙げようと思う。(左写真「空港の中に突如現れる横堀小屋。四方を高いフェンスに囲まれている。」)
ご存知の通り、成田空港は高いフェンスに囲われており、内部を覗けぬようになっている場所が多い。やけに高い鉄の壁は異議を唱える声を押し込めようとするNAA(その背後にいる政府)の意思の表れのようであり、高圧的なものを感じる。(右写真「飛行機が現闘本部と畑を避け、への字誘導路を迂回してくる。」)
しかし、私をもっと驚かせたのは空港の周りは二重のフェンスで囲まれているという事実だ。これまで在沖縄・在韓国米軍基地の幾つかを見てきたが、これ程までに厳重な警備体制を目にしたことは少ない。空港側の危機感が透けて見える。(左写真「開拓道路から望む成田空港。フェンスは2重に張られ、厳重な警備を敷いている。」)
もう一つ象徴的な事例として感じたものは、岩山記念館である。鬱蒼とした林の先に、一見して人の手が入っていないとわかる佇まい。周囲には草が生い茂り、鉄塔に上がる鉄製の階段は錆びて腐食し、いつ足が抜けるとも限らない。鉄塔の骨組みにも蔦が絡まり、その上を驚くほどの頻度で飛び立っていく飛行機。(右写真「岩山鉄塔の上空を多くの飛行機が飛び立っていく。」)
これまで成田治安法という存在を知らないで過ごしてきたが、この法律にかかった建造物は修繕などの手を入れる事ができず、放置されているそうだ。 1年間の時限立法とはいえ、強制的に建築物の使用するような法律が存在し、毎年更新され続けているという状況に改めて事態の異常さと、それを一般に知らしめないメディアに憤りを禁じ得ない。(左写真「デモ隊とぴったりと張り付く機動隊。」)
延々と視界を防ぐフェンスと、デモ時の重装備で固めた機動隊の群れ。激しい実力闘争が行われてきた三里塚であるが、ジェラルミンの盾で道を塞ぐ光景には強い違和感を覚える。(私を含め)成田近隣の住民でさえ、現地の実態を知る人は少ない。(右写真「轟音と共に着陸機が頭上を飛び交う。」)マスメディアの黙殺からなる世間の無関心がこの異常な状態を許し、政府とNAAの強制的な行いを助けているのではないだろうか。
塩田亮吉
塩田さんから届けられた写真のうちの1枚「市東さんの南台の畑。冷たいフェンスに囲まれている。」はすでに昨日のブログの記事に使わせていただきました。あと一枚が、左写真「第3誘導路建設の工事を監視する。」です。
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