10・10三里塚 森田恒一さん 開会宣言
本日、この決起集会に地元はもとより全国から、遠くは沖縄から参加されたみなさん。本当にご苦労様です。主催者の一人として感謝の思いでいっぱいであります。
私は1917年生まれ、大正6年生まれですから戦争前の日本の政治状況というものをよく知っております。それはひどい時代でした。絶対天皇制のもとに政府は、もうやりたい放題、無茶苦茶をやったんですが、国民はそれに向かって反対できませんでした。もしも反対すれば、まず逮捕される。そういう状態でした。その時代を一口で言えば、そうですねぇ、天皇制に疑問を感じた人、あるいは政府の施策に反対の意見を持っているような人、そういう人間は政府は憎い「非国民」として直ちに逮捕して、拷問にかけて殺したんです。何人もの人が殺されたことを私は知っています。
みなさんもよくご存知の例で申し上げると、小林多喜二です。小説『蟹工船』を書いた小林多喜二は、逮捕されてその日のうちに殺されたんです。こういう時代でした。
しかし65年前、8月15日、日本はこの戦争に負けました。アメリカ占領軍が日本を占領した。すべての植民地を取り上げられて、そして、ある意味ではありがたいことに平和と民主主義の憲法を作るように導かれて、そしてその意味では、日本は一夜のうちに民主主義国家になったんです。
ところが政府というものは前の戦争時代と同じ体質をどっかに引きずっているんです。どういうことかと言いますと、自分の気に入らない人間は、時代は違いますから殺すまではしませんけれども、生きていけないようにするんですね。あらゆる弾圧を加えて生きていけないようにするんです。
今、成田空港の周辺で起こっている様々な出来事を考えてください。反対農家、この成田空港に反対する農家はもちろん土地を売りませんが、その反対農家の上、上空40メートルをジェット機を飛ばすんです。それはもう大変な轟音(騒音)です。 また今我々の闘争の第1番の問題になっておりますが、市東さんの横の道路をすでに取り上げてしまって、つまり廃道にしてしまう。その廃道になったということはどういうことかと言いますと、市東さんはその道を通って自分の畑に一日のうちに何回か通っていたのですが、そこを通れないですね。ご存知だとおもいますけれども、そこはすでにフェンスを張り巡らせて通れないようにしています(左写真)。
戦前のように、政府は気に入らない人間にはこのように殺しはしませんけれども、生きていけないようにしているんですね。
農民は農地がなければ生きていけません。ところが、市東さんの農地を、空港会社は原告になって取り上げる裁判を起こしている。これは皆さんもご存知ですが、この裁判は普通の裁判じゃないんですね。はじめから原告が勝つ裁判、被告つまり市東さんが負ける裁判、こういう風な裁判なんです。民主主義の時代にそんなバカなこと(ママ)がと、皆さんはお思いかもしれませんが、先にすでに判決が出た現闘本部の建物の撤去の裁判を考えてみてください。どう考えてみても原告は敗訴、被告は勝訴の裁判であったんですけれども、変な理屈をいっぱいつけて、特に弁護側の証人を問題にしないで、原告の嘘の証人、そういう証人をわざわざと立てて、そしてその証人にたいする反対尋問を許さない、めちゃくちゃな裁判です。こういう裁判をやったんです。この現闘本部の裁判で、被告、反対同盟は負けたんですね。
こういう状態ですから、やがて大群の機動隊を動員してその現闘本部の建物は撤去、また、市東さんの畑を取り上げてしまうという、いわゆる強制代執行が、そう遠い将来ではない、まもなく行われるんですよ。
そうしたら我々はどうしたらいいんですか。私は思います。この不義の不正な暴力に対して抵抗できるのは、この反対同盟の正義の暴力です。正義の暴力と言いましても、それはどういうことかというと、そのような強制代執行を阻止するということです。絶対に阻止するということです。命を懸けてでもこれを阻止するということです。これは私がこういうことをただ想像して言っているのではありません。そういう風にして勝った歴史があります。我々はこれに対して、命を懸けて阻止するならば、この阻止はできるんですね。
我々は、今日、この集会においてこのような敵に心肝寒からしめるような、こういう我々の決意を、絶対性を見せつけてやろうではありませんか。今日の集会は、そういう集会です。みなさん。ただいまからデモの最後に至るまで、この気魄を持ってともに頑張りましょう。
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コメント
「グアム訪問のため成田空港を歩く北沢俊美防衛大臣=8日放送「NHKニュース7」
北沢俊美(北澤俊美)防衛大臣は8日夕の飛行機でグアムに旅立ちました。きょう(9日)午前には、米領グアムの北にあるアンダーセン空軍基地を視察しました。米軍再編(トランスフォーメーション)に伴い、沖縄の海兵隊8000人が移転する計画の米領を訪れることで、アメリカに「国外移転」への日本政府の意思を示す狙いもあるのだと思います。
成田空港を定刻午後4時55分のコンチネンタル・ミクロネシア航空機で旅立ったようです。ニュース映像での防衛大臣、というか、北沢さんは少し緊張しておられたようです。」
北沢防衛大臣先頭に、成田の自衛隊空港化に向かおうとしているようだ。
投稿: 自衛隊空港化 | 2010年10月14日 (木) 10時43分