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2010年9月14日 (火)

鈴木さん一坪裁判の傍聴を!

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 鈴木幸司さんが亡くなられてはや3か月が過ぎました。上の写真は、鈴木さんが秋に倒れる直前の08年6月にご家族を撮ったもので、下右の写真は、同じ年の3月、全国集会で開会あいさつをされる鈴木さんです。今は謙太郎さんが引き継がれていますが、幸司さんとつれあいのいとさんに対して千葉県が一坪所有地の明け渡しを求めた裁判が「鈴木さんの一坪裁判」です。明後日、9月16日(木)午前10時半より千葉地裁で口頭弁論が開かれます。(傍聴の関係がありますので、来れる方は40分前までに千葉地裁1階ロビーに) 傍聴に駆けつけましょう。

 争われている一坪が、成田空港の敷地の外にあるのですが、千葉県が一帯を整備して(土盛りをして)、「貨物物流基地」用地として空港会社NAAに売り渡そうとして計画された事業「千葉県三角構想」の中にあることが理由です。

 この「千葉県三角構想」をはじめバブル期に多くの開発事業、整備事業が千葉県によって計画されていました。その多くが破綻し、撤退が決められています。成田空港でも、航空貨物が激減し、過去の面影がなくなっている中で、なぜこの「三角構想」だけが、裁判による土地取り上げまでやって進めるのか、貨物物流基地は必要ないではないかが、現在裁判の最大の争点になっています。

 ちょっと立ち止まって考えてみたいのです。

 成田空港について、最近、羽田のハブ化に対応して、LCC(格安航空)と航空貨物の専用空港化と森田知事による「カジノ構想」が言われています。これを指して、「成田空港が2流、3流の空港に転落した」ということが言われます。そうでしょうか。

 実は関西空港についても、最近、24時間空港の特徴を生かして、オーストラリア、アジアのLCCの導入が飛行場使用料の大幅減免のもとに進められるとともに、貨物空港として伸びようとする動きがあります。しかも、大阪財界は、この動きに合わせて「一大カジノ構想をぶち上げているのです。この動きを笑い飛ばしていいのでしょうか。

 実は、この成田空港と関西空港の動きには、民主党政権の成長戦略会議(国土交通省、本年5月17日答申)による、世界の航空事情から取り残された日本の航空政策の見直しがあるからなのです。すでにアメリカやヨーロッパで航空需要の3割以上をLCCが占めている航空業界の現状、日本航空だけでなくナショナルフラッグと言われてきた巨大航空会社が次々と破綻する現状。そして、インチョン(仁川)空港に象徴される巨大ハブ空港の出現。こうしたことを何一つ見据えることなく、巨大利権に目を奪われ、蠢いてきた自民党政権が、慌てふためいて出してきたのが、2006年の安倍政権の「改憲攻撃」と一体となった「アジアゲートウェイ構想」だったのです(ついでに一言っておくと、同じとき農業政策の高木委員会の最終提言も行われた)。それは、航空自由化(オープンスカイ)とハブ空港の育成、そのための羽田・成田の一体運用でした。実際には、それから4年、何一つ改革されないまま民主党は、前原国交相はその現実を突き付けられ真っ青になったのです。

 政権交代までは、「航空特別会計の廃止」「航空政策の見直し」などと威勢よく言っていたものの、着任直後の日本航空の破たんにさらに追い打ちをかけられ、しかもこの世界の利権の巨大さを官僚たちに耳打ちされた前原、民主党にとれた選択は「羽田ハブ化」を錦の御旗にした自民党の航空政策そのままを引き継ぐことでした。ただ、この4年、アジアのハブ化の進行とLCCの発展がさらに進み、中国経済の発展を背景とした中国、アジアからの観光客の増加に目をつけての自民党政権よりはより具体化した、LCCの受け入れを軸とした航空の自由化、貨物取り扱いの増加に活路を見出そうとしているのです。この動きは、今日の羽田へのフィリッピンのLCCエアアジアの年内就航発表、あるいは全日空の対抗的なLCC部門の立ち上げ発表など一気に進もうとしています。

 飛行場収入を切り下げても路線の確保に走る関西空港について、巨大な負債をどうするのかと私たちは疑問に思いましたが、観光客の急激な増加は、飛行場収入などの航空部門収入よりも非航空部門の収入を急激に押し上げています。現に、埋め立てによる空港建設に一定の負債を抱えた(関空とは比較にならないが)インチョン(仁川)空港がはるかに大きな非航空部門の収入によって巨大な利益を上げ、空港の拡張、整備にさらに意欲的になり、民営化の道さえ模索しているというのが、世界の全体的傾向だとさえ言われるのです。083

 まさに新自由主義の申し子のようなこの世界の航空業界の動きに「遅れるな」というのが民主党政権の航空政策であり、森田や関西財界のカジノ構想までも生み出しているのです。

 こうして見たとき、鈴木さんの一坪裁判は空港敷地の外だから、三角構想は破綻した過去のものだからと「大した問題ではない」とするのは間違いです。「三角構想」をブッ飛ばすことを通して、羽田・成田のハブ化、LCCと貨物取扱量の増加で生き残ろうとする、そのために時間制限の緩和、30万回化を実現しようとする動きに突き刺された巨大な棘として存在しているのです。

 私たちは、あの1980年代、二期工事に全力を投入しようとして敷地内に襲い掛かりはね返される中で、一方で条件派を巨大な金で生み出しながら、三里塚闘争のもう一つの柱としての芝山町を「用水事業」の甘い水によって切り崩そうとした空港公団、国の政策にまさに「一人になっても用地内を裏切れない」と仁王立ちし、以来、独りで、ただ一軒で菱田地区の闘いを守り抜き、先日、「闘えば必ず勝つ」の言葉を残して亡くなられた鈴木幸司さんであればこその闘いとしてこの「一坪裁判」が、今、市東さんの農地をめぐるたたかいや天神峰現闘本部のたたかいと一体のものとして輝いているのです。

 新自由主義によるこうした航空政策の道は、確実に農民からの農地取り上げはもとより、地域住民の生活破壊、航空労働者の過酷な労働強化を引きおこします。昨日、全日空のLCC化を歓迎した関経連の下妻会長は、「他国では乗客が飛行機から降りている最中に給油を始めて飛行機の回転率を上げているが、日本ではできない。規制を緩和すべき」(朝日新聞)と安全性を屑籠に捨てることさえはばかりません。こんな航空政策を、空港建設を私たちは断じて許せるはずがありません。

 想いを新たにして、明後日、9月16日の「鈴木さんの一坪裁判」の傍聴に駆けつけましょう。

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コメント

一坪裁判ってなにかと知りたかったが、知れなくて、今これを読んで、はじめて知った。
感謝だ。


敷居が高い(高すぎる)ので16日は、行きたくても、うむと気張って無理をすることになる。

もっと、楽になれるように、鈴木さん家のボロボロずたずた、和気藹々、ざっくばらんをこの目と鼻と、五感で嗅いでから行く。

野宿しながら、そういうふうに近づくしか、一般のあほには、近かずけんのだ。

それでも、行きたい。
そりゃそうさ。ほんとうのも、そこには、働き人の、根についた匂いがたぶん、まちがいなくあるからだ。

汗垂らして、働いているやつは、おれもそうだったが、いかすからだ。

その次には行く。


ただ、10/10の全国集会にはなにがあっても行く。


頑張ろう。
おたがいに、それぞれに。

でも、純で硬直しているが、とてもいいぞ!!

頑張れ!!


投稿: 田中洌 | 2010年9月14日 (火) 21時40分

>前原国交相はその現実を突き付けられ真っ青になったのです。
そうか、真っ青になりましたか。
名護市議会選挙でも、容認派の前市長を丸め込んでなんとか「ひっくり返す」裏工作をしていたようですが、益々真っ青になったことでしょう。
鈴木さんの一坪裁判の意義と、関西空港とのつながりも良く分りました。
10/10で、奴らに泡をふかせましょうpunch

投稿: GO@あるみさん | 2010年9月14日 (火) 23時34分

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