三里塚と沖縄を結ぶ⑧ 連帯あいさつ(その1)
写真は、東京高裁、高検に狭山要請行動を行う部落解放同盟全国連と共闘の支援の人々(2010年9月10日 全国連ホームページより転載)
連帯の挨拶 滝岡広治さん (部落解放同盟全国連合会)
今日は関実の集会に連帯の挨拶をさせていただくことになり、ありがとうございます。
今日のテーマが「三里塚と沖縄を結ぶ」というテーマで集会が開かれるということで、この間、関実のみなさんからもお伺いしてますけれども、日本の軍事空港反対、基地撤去の闘いが三里塚と沖縄を結んで闘われるということが、非常に重要な私たちの闘いになるという風に全国連も思っておりますし、一緒に闘いたいという風に思っております。
特に沖縄の基地の問題は、基地の問題だけを考えるという風になるとどうも迷路に入ってしまうという気がします。やはり先ほど永井さんがおっしゃったように、日米安保体制というその根幹を変えていくということがなければいけないのではないかと、つくづくこの間の問題を考えて、そういう風に思うところです。
全国連はこの間、部落解放運動の果たしていくべき役割ということについて考えてきました。この数年、様々な、詳しくは言いませんけれども問題がありましたが、全国連は原点に立ち返ってどう闘うのかいうことを真剣に考えてきました。今日は、連帯を表明すると同時に、全国連の闘いを、紹介させていただいてご支援をお願いしたいという風に思っております。
司会のほうからもありました。現在、狭山の第3次再審を闘っている最中ですけれども、この間の事情についてはご存知だと思います。昨年、3者協議が開かれて、この5月に一部とはいえ証拠開示が行われました。再審での3者協議と証拠開示という流れは、過去、再審ではありませんでしたけれども、「遂に」と言っていいと思いますけれども、証拠開示を勝ち取るということがありました。私たちは第3次再審というこの段階で、証拠開示が行われたということを非常に重大に受け止めております。石川さんもそうですけれども、何としてもこの第3次再審で再審を勝ち取りたい。それは非常に重い再審の扉ではありますけれども、動き始めたんではないかという風に考えております。
この間、要請行動を月1回のペースで闘っておりますけれども、裁判所や検察側は確かに私たち要請団に何か約束するということはありません。しかしながら裁判所や検察側は、我々の要請行動をやはり無視できないということははっきりしているという風に思います。まあ、時間のことを言っても仕方がないとは思いますけれども、裁判所は30分、検察側も30分という約束でずっと要請行動をやっておりますけれども、この間、裁判所も検察側も時間のことについてはほとんど触れないまま、我々が、要請と言ってもほとんど糾弾ですけれども、我々がこういう形でやってることについて時間のことも言い出せないまま、要請行動をやりきるという風な状況になっております。 (左写真は、石川一雄さん。全国連狭山支部ブログより転載)
ところでこの狭山の再審を勝ち取るために一体、じゃあ、解放運動は何をしたらいいのかという風に思うわけです。結局、裁判所や検察側、あるいは弁護団にまかせる形で3者協議は行われているわけですけれども、それを見守るというだけでは到底再審は開始されないだろう。これはまあ、過去の例を見てもわかると思うんですけれども、やはり全国連が中心となって、大きな大衆運動をもう一度起こしていくということが絶対に必要だと思います。これはまあ、解放運動だけではなくって三里塚も沖縄も一緒やと思うんですけれども、本当に情勢を決定していく力というのは、やっぱり大衆の力であるという風に思います。
1974年の寺尾判決が出る前の公判で、全国の部落民、労働者、11万人といわれる人が日比谷に集まって、狭山差別裁判糾弾の闘いが行われましたけれども、私たちは、今、再審の非常に重大な段階でもう一度部落解放運動と労働者との階級的な共同闘争を作り出して情勢をこじ開けていきたいいう風に考えました。これはまあ、部落解放同盟全国連合会だけが考えたわけではないのでして、実はみなさんに是非お願いしたいというのはこの点なのですが、今回、10・31寺尾判決36年になりますけれども、この集会を、以前は毎年この集会を東京のほうで開いておりましたが、今回、全国で、それぞれのブロックに分かれて新たに階級的共同闘争を目指す労働者との共闘、狭山闘争を闘っていく、そういう陣形をぜひとも新たに作っていきたいいう風に思いまして、これは現在進行形の話しですけれども、奈良市従労組のほうから、全関西の労働者に向けて狭山の全関西集会を呼びかけるという風になったと聞いております。全国連は今までこの階級的共同闘争を作りたいと考えている、ちょうどその折、奈良市従も同じことを考えておりまして、今回、10・31を奈良で全関西の労働者集会としてやりたいという呼びかけが行われつつあります。すでに奈良市従のほうは機関決定もして、呼び掛け文も準備されております。ここでみなさんに是非お願いしたいのは、この呼びかけに応えて賛同し、参加していただきたいいう風に思っているところです。
狭山については、今の現状を考えたときに、それを突破していく力というのを本当に作っていかなければならないし、全国連が今までの闘いに満足してそのまま続けていくだけで果たしていいのだろうか、いう風に私たちも考えております。是非、皆さんのご協力を訴えたいと思います。
それから、全国連は、この狭山闘争もそうですけれども、もう一つ、全国実態調査を実施するということをこの大会で決めました。全国実態調査と言えば、地味に聞こえる取り組みではあるんですけれども、今の部落解放運動が目標を見失いつつある、既成の解放運動は特にそうですけれども、そういう風になりつつある中で、いったい部落民は、今、現実、どういう風に生活し、何を望んで、どう考えているのか、いうことを本当に一人一人から聞き取って調査し、全国連の運動の中に反映していく。それがなければ、特に飛鳥会問題以降、部落解放運動の権威というのはまあ、地に落ちたと思うわけですけれども、私たちは全国連ではありますけれども、全国の部落民をまだ代表してと言える状況ではないですけれども、部落解放運動の先頭に立って闘いたいと思う我々が、やはり全国の部落の実態を正確につかんで運動に反映していく。これはもう、ある意味、根底から部落解放運動を作っていきたいという願いを込めて、全国実態調査を実施していきたいと思っております。
狭山の再審闘争、それから全国実態調査、その中で住宅問題も当然あります。この問題については、もう十年以上、同和住宅、公営住宅の問題に取り組んできましたけれども、私たちには、同和住宅の性格、公営住宅一般には解消できない性格があるんですけれども、しかしながら、政府は、国は、この公営住宅全体をなくしていこうという風に考えているようです。これはまあ、最初からいわれておりましたけれども、しかし、実際には予算を削るということで建て替えをしない、どんどんどんどん数を減らしていくという方向に動いているのはこの民主党の政権でも同じです。私たちとしては、公営住宅からの追い出しということについては断固としてこれを阻止する闘いを組んでいきたいと思っております。
供託闘争はほとんど裁判が終わってしまって、現実には行政との間の闘いという段階に入っております。その中で、西宮をはじめとして住宅追い出し裁判が闘われてるわけですけれども、全国連は、西宮を筆頭とした住宅追い出しについては、実力をもって闘いたいという風に思っております。全国連としてみなさんに闘いを紹介することを通して、みなさんのご支援と賛同をお願いしたいと思います。
最後に、来年4月に統一地方選挙があります。実は今日、寝屋川の木邨(きむら)さんが発言することになっておりましたんですが、同時に来年の統一地方選に立候補を予定しております。木邨さんのほうで、今日突然選挙のほうのスケジュールが舞い込んできまして、どうしても発言することができないので、是非みなさんによろしく言ってほしいということを言付かっておりますので、今日はちょっとそういうことを紹介させていただきます。全国連としても、各地方の、それから各自治体の選挙に関しては、できる限り打って出ようではないかという風に考えておりますので、寝屋川がその最初ということになります。ぜひとも寝屋川の選挙を勝利に導いていきたいと思っておりますので、皆さんのご協力をお願いして、連帯の挨拶に代えたいと思います。どうもありがとうございました。
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