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2010年7月 4日 (日)

萩原進事務局次長 語る

10628 7月1日、鈴木さん一坪裁判の記者会見で、反対同盟を代表して萩原事務局次長が挨拶されました。それを全文、ご紹介します(文責は当ブログ管理人にあります)。

 ほんとに連日、ご苦労様です。北原さんがちょっと体調崩して今日出られませんと電話がありまして、みなさんによろしくと。崩したといっても、実際には電話口でも非常に元気な声で、大丈夫だと思います。

 その上で今日の前に市東さんと話していたんだが、おぎさくの親爺が6月12日に亡くなられたけれども、もう身が軽くなったんでね、今日の千葉地裁に来てる、その辺にいて、「お前たちしっかりやれ」と言ってるんじゃないかと、自分たちもしっかりと構えて闘い抜いていきたいと思います。

 いろいろお話しがありましたけれど、道路封鎖とか第3誘導路の問題という形で出てきて、市東さんが焦点みたいになってますけれども、市東さん一人の生活がどうのこうの、空港の問題というんじゃないんだよね。1071

 もう一つ考えてもらいたいんだけれども、ある新聞が成田高速鉄道をカラーで田んぼの中を印旛沼のほとりで走っているような写真を出していたんだけれども、都心まで近くなったという企画の仕方で出してました。空港は国策だ、あるいは国家事業だと言いましたけれども、ほんとに今までやってきたやり方が、国策なのかどうなのか一つずつ見てほしい。

 この何年間かだけ見ても、北側へ伸ばすという形で2回も滑走路を伸ばして、なんとかこぎつけて、継ぎ足しだらけのやり方をやる。そして誘導路がこれじゃあ駄目だからと今までなかった空港外のところも通って、保存林として残すと言ってた東峰の森まで潰して作った誘導路が供用をはじめたとたんに、これじゃ駄目だからと第3の誘導路を作るんだとね。このようなやり方がまかり通るのかどうか。そして何よりも40何年反省しないということそれ自体、成田そのものがそういう形ではダメなんだということを証明してるんですね。

 要するに国策とか公共事業じゃなくって、その間、我々は農地取り上げと言う問題で、自分は農民という立場で言ってきてるんですけれども、農家が潰され、農民が生活できなくなってきている、その中で、われこそは農民であるということをもってね、いかなるカネや脅しにも負けず、農民として生きていくという、そういう人たちがいるんだというこのことこそ、今、国策じゃないのか。国家としてほんとはやらなくちゃあならない事業じゃないのか。こういう時代に入ってるんですよ。ほんとにそういう意味では転換しなければならない。

 ですから今、市東さんが矢面に立たされているけれども、もう2000ヘクタールに近く広げちゃってるんですね。それだけじゃないんですよ、空港ってのは。その周りに鉄道や道路をやって、駐車場をやって、貨物基地をやって、そして今まであった農業高校が全部つぶされて、そして同じように農地が潰されるわけですよ。先ほど高速鉄道のことを言いましたけれど、鉄道はまっすぐ行くかもしれない。しかし、そこにあった田んぼは、こういう形で斜めに通されると(四角い紙を対角線で切るように示されながら)、田んぼは三角になっちゃう。そしたら農家は作れないんですよ。そういうのが何十キロ、何百キロという形でなされていくんですよ。1071_3

 今の成田市の農業委員会でもそうだけれども、条件さえそろっていれば農地転用でどんどん宅地化されていくわけですよ。今まで優良農地であっても、駐車場が出来たりアパートが出来れば、すぐわきの土地はもう田んぼなど作れなくなっちゃうんですよ。そのようなのが空港を基盤にしながらなされているんですね。

 その典型的な例として、市東さんはそこに置かれてるんですよ。あるいは空港の周辺の人たちはそこに置かれてるわけですよ。ですから、ますます農業が出来なくなって、どんどん農業が衰退していく、そういう状況が今あるわけですね。ですから、そこで農業を守っていく、農地を守っていく、それはもの凄い重要であり、厳しいけれども必要なんですよ。このことを自分たちは訴えているんですよ。

 農道や団結街道という1本の道が持つ意味というのは、90年の歴史、何百年の歴史の上に立ってあるわけですよ。そういうものも潰しちゃって、フェンスで囲んじゃって滑走路みたいにコンクリートで固めちゃったらもう生き返らないんですよ。

 今、こういうやり方を見てね、つぎはぎだらけ、つぎはぎだらけをやっていくその元は、「羽田にやられちゃう」という焦りの中で、何とか形だけ整えて「さあ、出来ましたよ」という形を持って、それで(羽田に)対抗しようと、自治体がカネがおりない、あるいは地元の経済界がこれじゃあしょうがないんだと。実際は、成田の町もつぶれていくわけなんだけれども、「今、空港に頼らざるを得ない」という言い方でやっていくわけですよ。

 空港の利権にしがみついて、そこからのおこぼれをもらおうなんていうのは、もうこれから通用しません。実際、そうでしょう。空港会社そのものが破産の状況。そして世界的状況。それ以前にもう、経済そのものが世界的に大恐慌の中に叩き込まれて、どうするのかというところがあるわけですよ。そういう次元で考えていけば、空港の立て直しのためにどんどんカネをつぎ込んでいく、そんな時代じゃないんですよ。その辺をね、我々は考えて行かなければならないし、マスコミの方々は考えてほしい。1071_4

 そっから問題を立てていけば、今回の封鎖活動というのはもの凄い姑息な、そのためにはそこに居る人たちを人間として見ていないということを証明してるわけですよ。だったら、我々はそんなことは許さない。その事を同じように思って思っている人たちと一緒になって闘う。ますます厳しくなる経済状況の中で、首切りや配転や、また増税の中でますます生活が出来なくなる労働者とか、あるいは沖縄の人たちみたいに歴史的な中で差別され、戦争の中に巻き込まれて生死の中をさまよったそういう人たちともっともっと手をつないで闘い抜いていく。そういう大きな構図を持って闘いを展開したい。

 それを出来るものとして、裁判の中で我々は正義性を訴え、それを現地に返して、現地で闘い抜くことをもって全国の人々に知らしめて行く。そして闘いを広げていく。そういう闘いを出来る要素を今持っているんです。

 ですから団結街道の封鎖、第3誘導路のための工事、次には現闘本部の撤去、そして最後的には市東さんの農地を強奪する。こういうものがあるわけですね。こういうものを我々は一つ一つ暴いて、叩いて、そして世の中に知らしめて行く。そういう作業をやりたいと思います。ますますこれからが重要になってきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

 

 

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