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2010年7月12日 (月)

参議院選挙の結果と、沖縄の民意と三里塚の正義

10712  参議院選挙が終わり、今朝の朝日新聞は「民主敗北 衆参ねじれ」と大見出しを書いています。正直なところほっとしています。自公、民主の勢力がどうなったかではないのです。あの昨年の8月30日、戦後60年、侵略戦争を総括することなく、戦犯と軍人が主軸を占め進められてきた自民党政治、それも田母神等の跋扈に象徴される新たに始まった反動の流れを断ち切る、我々民衆が自民党政治を打倒したというのは「夢」だったのか。少なくともその意味では「夢」でなかったことが示されたという意味でほっとしています。

 もちろんこの流れの中で生まれた民主党の政治に不安を持つ資本総体、帝国主義としての総力を挙げたカネと組織を使いこの選挙を支配しようとし、本質的に右翼的潮流が大勢を占めたことを見ないわけにはいきません。それは何よりも、最大の争点であったはずの沖縄、普天間基地問題、新基地建設問題、言いかえれば直前の5・28「日米合意」に象徴される改定50年を迎えた安保体制について、ブルジョアマスコミの総力を挙げた隠蔽という流れがあったにしろ、問題にすらできなかった私たち民衆の側の「非力さ」を意識せざるを得ません。

 しかし、沖縄選挙区を見よ。出遅れたと言われた無所属の山シロ候補は、全力で「沖縄は基地はいらない」ということを掲げ、「普天間基地撤去」「辺野古新基地建設反対」を真正面から掲げ、闘い抜いたのです。そして自民党現職の島尻候補にも「県外移設」を公約に掲げざるを得ないところまで追い詰め、日本共産党の相も変らぬ独自候補擁立の党略にもかかわらず、わずかの差で負けました。

 民主党政権は、自民党政治を打ち破った昨年の8・30選挙で生まれながら、岩国での厚木からの空母艦載機部隊の移駐という市民が拒否している政策を今年も199億円の防衛予算でおしつけています。島根原発で事故を頻繁に起こし、政府自身がその安全管理を問題にせざるを得ない中国電力の上関原発建設を28年間反対し続けてきた祝島をはじめとした住民にそのまま押し付けようとしています。辺野古新基地をめぐってとりあえず「県外・国外」移設が論議されている中でも、辺野古新基地を前提にした名護市東村高江の住民の生活を破壊するヘリパット建設を止めようとしないばかりか、住民の座り込みを違法として起訴したのも民主党政権です。そして普天間・辺野古への「日米合意」の押しつけでしかありません。

 とっくに冷戦構造の崩壊とともに破産した論理でしかない「抑止力」を唯一の根拠に「日米同盟」にすがる民主党政権、日本の姿はすでに世界の物笑いになろうとしています。そして沖縄の皆さんは、9・12名護市議選、11・28知事選挙の闘いを通して、こうした民主党政権、日本(ヤマト)に真っ向から立ち向かおうとしています。もはや「日米合意」は破たんした選択でしかないのです。

 問題は、この沖縄の皆さんの「もう我慢できない」という怒りを、この沖縄の現実を65年間も放置してきた私たちヤマトの現実を、改定50年も経ちながら今年その節目に闘いらしい闘いをこれまで作り得なかった私たちヤマトの現実を、私たちヤマトがどうできるのかではないでしょうか。それこそが本当の意味で、昨年の「8・30」自民党支配の打倒を意味あるものにできる道ではないでしょうか。

 1076 しかし、私たちヤマトの中でも、三里塚では、あいもかわらぬだまし討ち的な農民への襲撃、農業破壊の攻撃に対して、一歩も引くことなく「農業こそ国策」とムシロ旗を掲げて闘いが続いています。岩国においても米軍再編に抗して創意工夫を凝らした町ぐるみの闘いが始まっています。私たちが、今回の選挙結果を、昨年の「8・30」にあくまでも軸足を置いて、沖縄の民意と怒りを、三里塚農民の正義を押し立て、この国を変えていくそういう道筋はまだまだ守られているとこの選挙を感じるのはおかしいでしょうか。

 沖縄の「カマドゥー小たちの集い」のみなさん(右写真は、7月6日大正区の沖縄会館で訴えるカマドゥ小たちの集いの知念ウシさん)が、「もう我慢ならない」「もう待てない」と嘉手納基地を関西空港に、普天間基地を神戸空港に引き受けてくださいと叫んでおられます。日米安保条約を廃棄する、三里塚の闘いを勝利するこの闘いを実現する中から、関西空港、神戸空港の軍事使用に絶対反対し、沖縄の、そして日本の米軍基地の撤去を実現するヤマトの闘いをもって、こうした沖縄の民さんの血叫びに応えようではありませんか。

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