殺人的な「第3誘導路」建設を絶対許すな!
国交省成長戦略会議は、5月17日、破たんした日本の航空政策を立て直すべく答申と、行程表を発表しました。それによると羽田空港の第4滑走路による2011年度中の39万回化、成田空港の第3誘導路による2012年度中の27万回化、そして14年度中の成田30万回化、13年度中の羽田45万回化の実現を柱とした「羽田・成田の強化、ハブ化」をうたっています。
すでにこの3月28日の「22万回化」実施は、暫定滑走路をほとんど着陸専用に使うことを前提としました。年間の7割近く北風が吹く気象の中で、これは、滑走路南側の東峰地区住民の生活を破壊し、すでに「耐えられない」身体的影響が出始めているとさえいわれています。空港北側の成田市住民や南側芝山町民による「話が違う」「騒音問題を解決しろ」という怒りの声に、全部の着陸機を暫定滑走路に降ろすというのは変えられたようですが、それでもジャンボを交え以前の2倍以上の着陸は、東峰の島村さんなどに非常に深刻な事態を生んでいます。
一昨年開かれた「2期工事差止訴訟控訴審」において市東孝雄さんは、着陸機の騒音の被害を訴えながら、むしろ着陸機がターミナルに向かって第1誘導路を自走しているときの長時間の異様な騒音、タイヤの摩擦による臭気、そして振動の方が堪えられないと証言しておられます。
2012年、27万回に増やす根拠とされる第3誘導路は、左写真に示されているように市東さんのお宅の左側100メートルにもならないところに作られるのです。そうすれば、その恐ろしい騒音や振動の被害は第1誘導路の比ではありません。実際にも、5月24日開かれた第3誘導路の公聴会では、市東さんや東峰地区の島村さんなどが住んでいないことを前提とした、隣の取香部落と東峰十字路がアセスメントの対象とされているのです。市東さんや、島村さんは「死んでもいい」とでもいうのでしょうか。それとも「嫌なら出ていけ」とアセスメント自体がなっている、こんなひどいことが許されるでしょうか。
2016年、成田空港の30万回の達成は「行程表」では「旅客ターミナルの拡充」「駐機場などの拡充」によってとされていますが、誘導路の「へ」の字部分があるかぎり、27万回どころか、現状の22万回でさえ難しいのです(右写真は、今年の6月6日、「へ」の字部分で着陸機を待って、4機のジェット機が滞留しています。クリックすれば写真が大きくなります)。
つまり、南台の畑がある限り、こうした「行程表」は夢のまた夢でしかありません。しかし、2012年であり、14年の話しなのです。このことに追い詰められているのが、空港会社NAAであり、国交省なのです。ですから、国交省成長戦略会議が「答申」と「行程表」を発表したその日、5月17日、団結街道の閉鎖を目論む「看板」を立てようとしたのであり、市東さんの怒りの決起に慌てふためき逮捕するという暴挙を行ったのです。市東さんの長期勾留をものともしない決死の闘いと反対同盟と支援の闘いは、こうしたNAA,国交省の焦りと破たんを40日余りも野ざらしにし、阻止し続けました。
行き場を失ったNAAと空港会社は、コソ泥のように夜陰に乗じて6月28日、団結街道の封鎖を、そして裁判のために反対同盟と支援が現地をからっぽにした7月26日、市東さんの南台の畑をフェンスで囲み、コソコソと第3誘導路の工事に着手しました。何の展望もなく、追い詰められているが故の暴挙でしかありません。しかし、たとえそうだとしても、こんな理不尽な、違法、不当な攻撃を一寸たりとも許すことなどできようはずがありません。
南台の畑で仁王立ちして踏ん張り抜き、天神峰のお宅での生活を守り抜いておられる市東孝雄さんを、何が何でも支え抜かねばなりません。「国策」の名で、こんな「人殺し」の攻撃が強行されることを許して、私たちに未来はありません。
それは「日米合意」の名のもとにまた再びの「琉球処分」、新基地建設が押し付けられようとしていることに対して島ぐるみで立ちあがって闘っておられる沖縄の皆さんと私たちとの関係に通じるものがあります。「闘い」を沖縄の皆さんに押し付け、その力に頼るのではなく、私たち「ヤマト」の人間の力で、日米安保体制、米軍・自衛隊による「抑止力」を口実とした戦争体制の構築を許さない「安保のない」世界を築かねばなりません。
同じように、私たちの反戦の意志を、正に市東さんを支え抜くことを通して「反戦の砦」三里塚闘争を守り抜き、沖縄と結ぶ巨大な闘いの道筋をつくることが、今こそ求められているのではないでしょうか。
明日7月31日、三里塚現地では、午後3時から市東さん宅の南にある開拓道路で、第3誘導路建設阻止、団結街道閉鎖弾劾、天神峰現闘争本部死守、そして市東さんの農地を守ろうと現地緊急闘争が呼びかけられています。全力で結集しましょう!
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