沖縄の怒り
6月23日「慰霊の日」、摩文仁の平和祈念公園で開かれる沖縄全戦没者追悼式に菅首相が列席すると聞いて駆けつけた抗議の人々が100人余り道路の両側に上写真のように手に手に「怒」のカードを持って並びました。 警察の規制の凄いこと。白バイに先導された菅首相の車が通った時、「菅首相は帰れ!」「日米合意を許さないぞ!」と声を力の限りあげました。右写真は、多分後ろの車が菅首相の車。残念ながらデジカメはこういう時は、シャッターチャンスを逃してしまいます。
この式典に参加した伊波宜野湾市長が、直後に開かれた「6・23国際反戦沖縄集会」に駆けつけ、歴代の首相が沖縄について毎年決意しながら何一つ県民の基地負担が変わらない現実を糾弾された上で、菅首相が基地負担を謝罪し、国の平和を守る力となっていることに感謝したことを明らかにして、「私たちは痛みを感謝されたくない。痛みは解決されなくてはならない」と弾劾されたのです。
それからひめゆりの塔で開かれている集会に駆けつけましたが、丁度、デモが出発するところ。デモ隊に加わり27回目を迎えた「6・23国際反戦沖縄集会」が開かれる魂魄の塔に向かいました。
敗戦直後、このあたり一帯の遺骨を集め作られた魂魄の塔(摩文仁にはない沖縄の人々の「慰霊の碑」と言えるもの)には、すでに多くのひとがお参りしておられました(右写真)。ここで、デモ参加者や、摩文仁から駆けつけたみなさんで、集会アピール文を朗読して黙祷。それから近くの「ひろしまの碑」の広場で集会です。
冒頭のミニコンサートのあと、靖国訴訟原告団(この7月20日に結審)を代表して金城実さんなどから、天皇制の問題であり、「英霊化」との闘いであることが訴えられました。
この日、グアム、マリアナ諸島を代表して沖縄を訪れた教師のビクトリア・レオン=グレロさん(左写真)は、チャモロ民族としての想いを切々と訴えられました。500年にわたるスペイン、アメリカそして日本による植民地支配によってチャモロ民族は土地を取られ、言葉を奪われてきたと。2014年までに8万人の米兵を中心とした増加は、グアムの土地を奪い、空気を汚染し、深刻な水不足、そしてサンゴ礁の破壊による海の破壊、漁業の破壊を招く。何よりも、チャモロ民族は最も少ない人口におとされ、その自己決定権が奪われようとしている。聖地が射爆場に変えられることなどで土地に強く関わってきたチャモロの文化と歴史が奪われようとしている。植民地支配の教科書には、そうした子どもたちに伝えるべき長い歴史を持つチャモロの文化が無視され、チャモロ民族は口伝えで、親から子へと伝えざるをえなかった。私たちには市民権はあるが、占領下にあり、国には私たちの声は届かない。そしてビクトリアさんは、沖縄、グアム、テニアンには米軍基地はいらない。米国本土に帰るべきだと結ばれたのです。
また「徳之島の自然と平和を考える会」を代表して来られた幸多勝弘さん(右写真)は、「言葉は島々で違いながら、文化は同じだ」「徳之島は県外ではないのだ」「岩国もそうだが、生ごみを右から左へ持っていくようなことは許されない」と、3月7日、28日、4月18日のこの5カ月の闘いを振り返りながら語られた。徳之島は薩摩藩による400年前からの支配、地を這うような黒糖地獄を生き抜いてきたその歴史に誇りを持っていると。そして沖縄とともに、絶対に基地をつくらせない。共に闘って勝利しましょうと結ばれた。
沖縄で闘う、宜野湾から住民団体「かまどぅがたちの集い」、辺野古から「ヘリ基地反対協」の安次富さん、高江から「ヘリパッドいらない住民の会」、沖縄市の「泡瀬干潟を守る連絡会」からそれぞれ闘いの報告と決意が語られました。「私たちはめげてはいない」という言葉がありましたが、本当に元気で、逞しい、しかも成熟した論議が「移設では基地を認めることになる。 撤去につながらない」などと壇上だけでなく、言葉が飛び交う熱気あふれた集会でした。
集会には宜野湾市の伊波市長を始め、3人の国会議員、そして参議院選挙の候補者山シロさんなどが連帯の挨拶をされました。
最後に大城しんやさんの演奏と、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表の高里鈴代さんが閉会のあいさつをされて終わりました。途中雨で濡れながらでしたが、それをも感じさせない熱気でした。
翌日24日朝、キャンプ・シュワブ前での「守る会」の座り込みが行われると聞いて、参加して共に1時間を過ごしてから、関西への帰途につきました。全国からの129枚の横断幕が、キャンプ・シュワブの第1ゲートを挟んで張り巡らされ、その距離はゆうに200メートルを超え壮観でした。 開始の挨拶で、安次富浩さんが、前日の菅首相の言葉を「感謝する前に基地を減らせ!」と弾劾して始まられたのが印象的でした。嘉陽のおじいをはじめ23人の参加でした。
普天間基地即時閉鎖、辺野古新基地建設反対は、沖縄だけの問題ではなく、私たちヤマトの日米安保体制、米軍再編に対する闘いなのです。巨大なうねりを創り出していきましょう。三里塚の闘いは、その重要な水路となります。明後日、6月27日の三里塚現地の闘いに決起しよう!
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