破綻した航空政策 三里塚・沖縄を貫いて5・16決起を!
5月16日、三里塚では団結街道閉鎖攻撃と第3誘導路建設攻撃への怒りの現地闘争が、そして沖縄では普天間基地の即時閉鎖と新基地建設反対を掲げ、普天間基地を包囲する数万のヒューマンチェーンのたたかいが、正に三里塚・沖縄を貫いて取り組まれます。(上写真は、9万人が起ち上がった4月25日の沖縄県民大会)
今、鳩山首相(民主党連立政権)は、「友愛」の旗のもとに「東アジア共同体構想」を掲げています。しかし、如何に美辞麗句を並べようが、その中味は、あの安倍政権によって、この5月18日からその気になれば改憲がいつでも実施できる国民投票法を引っ提げるとともに提起された「アジア・ゲートウェイ構想」を焼きなおしたものでしかありません。それは、独自の軍事大国化(戦争体制)を前提としたアジア侵略、アジア支配を模索したものです。その柱が「航空の自由化」と農業・貿易の自由化を前提としたEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)の推進です。(右写真は、4・25県民大会に翻る反対同盟旗と反対同盟、関実のみなさん)
しかし、正にその「航空の自由化」、「EPA、FTA政策」においてアジア、世界で日本が大きく立ち遅れているという現実が、安倍に「アジアゲートウェイ」を叫ばせ、鳩山に「東アジア共同体」を叫ばせる根拠となっているのです。正に、日本が、アジアで、世界で展望を失い、その巨大な債務が示すように立ちゆかなくなってきているというのが、その最大の政治的・経済的根拠となって叫ばれていると言えるのです。
すでにアジア、世界は、航空の自由化に向けて相当前(20世紀末)から舵がきられ、アジアにおいてシンガポールのチャンギ空港、中国の香港空港、上海浦東空港、そして北東アジアを制しようという韓国の仁川(インチョン)空港などが、すでに巨大なハブ空港としてしのぎを削っています。(左写真は、3・28三里塚全国集会で、4・25県民大会への決起と自らの闘いを語る市東さん)
成田空港、羽田空港は、いずれも利用旅客数ではそれらの空港に引けを取るものではありません。しかしそれは、日本という巨大な経済力を背景にした日本での移動実績に過ぎず、成田空港の貨物取扱量の凋落に示されるように、最早、ハブ空港としての位置を云々出来る状況にはなく、むしろ完全に取り残されているという惨状にあります。今後、ますますその差は開き、正に世界、アジアの「ローカル空港」に転落することは時間の問題とさえ指摘されています。このことへの危機感から、前原国交相の「羽田ハブ空港」論が昨年秋出されたのです。しかし、日本航空の破綻をめぐる右往左往に示されるように、依然としてその「保護主義的呪縛」から抜け出ることが出来ずにいるというのが実情であり、そこには全く展望はありません。その意味で、住民を犠牲にして成田空港の利権にしがみつく成田市、小泉市長などの輩の野望は、何一つ展望のないものであり、反対同盟を先頭にした私たちの実力闘争で打ち砕かれて当然のものなのです。
また世界、アジアとのEPA、FTA交渉は、明らかに日本のこの分野での立ち遅れがどうしようもないものとなっています。とりわけ、日本にとって最も肝要な中国、韓国、アメリカ、オーストラリアとのEPA交渉が暗礁に乗り上げたままであることが、その事を何よりも如実に物語っています。
軍事政権下にあった韓国との日韓条約(1965年)に見られるように、日本は、一貫して戦争責任、戦後補償の問題を無視し、開き直り続けています。それは、政権だけでなく、日本人総体といってもいい歴史観、世界観、思想性における退廃を戦後生み続けてきたとも言えるのではないでしょうか。そのことは、戦後65年経っても沖縄を差別し続け、犠牲を強いてきたことをヤマトが放置し続けてきたことが何よりも指し示しているのではないでしょうか。そうした日本という国の、巨大な経済力を背景としたアメリカとの日米安保体制に胡坐をかいた、今日では米軍再編の中で巨大な軍事力を保有して米軍と共に蠢いている現状に対して、中国、朝鮮・韓国をはじめとしたアジア諸国が不信の念を持ち、日本の「共生」「友愛」の虚言を見抜く根拠となっています。
昨年8月30日の「政権交代」とは、こうした現実の破綻ということと、こうした政治による一切の犠牲が格差と貧困という形でおしつけられてきた私たち民衆の怒りによる自民党支配の打倒であったと思います。そして、今日の鳩山民主党連立政権の右往左往もまた、鳩山個人の資質という面を含みこそすれ、「東アジア共同体構想」に示された政権の反動的体質に規定されたものであるのです。(右写真は、4・25県民大会で、『三里塚・沖縄』を訴えるビラをまく萩原さんと市東さん)
三里塚における自民党政治を引き継いだ硬直した市東さんと反対同盟への攻撃、三里塚闘争破壊の攻撃は、沖縄、岩国をはじめとした米軍再編を根拠とした硬直した攻撃と一体のものとして、これまで述べてきた政治の実態の中で起こっていることとして、断じて許してはなりません。それゆえに様々な言辞を弄しながら、結局は130年にわたる沖縄への差別、収奪の歴史、戦後65年にわたる米軍支配という差別の歴史の上に開き直り、「沖縄の皆さんへの応分の負担のお願い」などという基地押しつけの論理がまかり通るのです。朝鮮、中国、アジアへの戦争責任、戦後補償に向き合わず、開き直るからこそ、こうしたことが可能となるのです。
今、沖縄の皆さんが「もう我慢できない」「怒りのマグマが爆発する」といわれるのは当然です。三里塚反対同盟が、「話し合い拒否」「実力闘争」を掲げて、「廃港まで闘う」とするのもまた、農民を差別し、犠牲にし、農民切り捨ての戦後農政を何一つ反省することなく、「貿易自由化」の名のもとに農業と引き換えにトヨタやパナソニック、キャノンなどの工業製品をアジアに押し付けようとする政治に対する根底的な怒りなのです。
5月16日、三里塚において団結街道閉鎖を実力闘争で阻止するという闘いと、普天間基地のゲートを座り込みで閉鎖して実力で米軍を叩き出すという闘いが、今や、一つの炎となって燃えあがろうとしています。岩国でも、来週5月23日、この「沖縄と共に」ということを掲げた決起が起ころうとしています。
今こそ、私たちは、アジアの民衆と共に歩むために、5月16日の三里塚、普天間への総決起を皮切りに起ちあがろう! 三里塚・沖縄を貫く火柱をあげよう!
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