三里塚有機農法 産直の会
萩原さんと市東さんは、消費者と一緒に「三里塚有機農法 産直の会」を運営しています。400戸近い消費者と直接結び、年間の生産計画もすべてこの「産直の会」によって立てられています。コメはないものの、「消費者が『産直の会』の旬の野菜で一年間の食生活が出来ることを目指す」と萩原さんは語られています。野菜の「価格」という考えを拒み、生産者の生活と消費者(労働者)の生活を突き合わす中から、運営のための費用という考えで年間の生産計画と経費が、協議の中から決められています。
野菜の「価格」、農業「経営」という資本の論理のもとにやろうとすれば、おのずと単品生産を軸とした「有機農業」の方向に行かざるをえませんし、結局は民主党連立政権や自民党農政が進めようとしている「担い手農業」に足をすくわれる可能性が大きくなります。それに対して、萩原さんと市東さんは、2町足らずの畑で50品目を超える野菜を生産し、消費者と一緒にくらし、進もうとしておられるのです。今年の春は、端境期の上に異常な寒さと雨で、全国の農業生産が致命的な打撃を受け、野菜不足、高騰の波に襲われました。「産直の会」では、端境期対策としてブロッコリーの生産を試みたりして、5品から7品の野菜を確保し消費者に届けられました。
毎週、火曜と金曜が出荷日で、それぞれ200戸近い出荷をします。右上の写真が出荷作業ですが、写真のようなコンテナーで直接届けるか、カートンで宅急便で届けます(関西にも20戸近く来ています)。弱い葉物などは、この作業の前にその日に集荷し、集まります。ニンジンや大根といえどもきれいな葉っぱがついた状態ですからその日が主になります。あとは前日です。採り置き出来るのは、じゃがいもやサツマイモなどわずかの根菜類だけです。単品を生産し、農協に届けるというのとは、大変な違いで、裁判闘争といった闘いや、雨などの天候がそれに加わります。反対同盟が抱える裁判闘争は今4つが動いていますが、いずれも月、火、木が開廷日で、この作業の流れの中にあり本当に大変です。
そして消費者に届けることを前提にした植え付けをずらせたりした上で、畑には常に30品目近い作物が、いろいろな状態で育っています。この3月、4月には、寒さと雨で、植えつけたばかりの苗がいく種類も育たず、植え変えるということも起こりました。
そして3月26日の当ブログで紹介しましたが、http://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-5b29.html 市東さんのところは4ヶ所の畑に別れています(左写真は南台の畑での市東さん 2006年8月)。もちろん、それぞれの出荷日に合わせた収穫が、4ヶ所の畑であります。そして写真のように育ち具合を見て回ったり、草取りや、トラクターで耕したり、植えつけたり、いろいろな作業を、自宅前の作業所を軸に繰り返し移動しながら行わなければなりません。さらに虫が出たり、夏の水やり、風対策など様々な作業が必要です。
成田市、NAAが進めようとしている団結街道の閉鎖とは、この市東さん、「産直の会」の営みを根底から脅かすものなのです。この春から、NAAは暫定滑走路を着陸専用にしました。当然にも第3誘導路は全く必要ありません。しかし、そうでなくても第3誘導路のためとする団結街道の閉鎖は全く必要ありません。それがこの5月19日以降に強行されようとしているというのは、この市東さんの営農、「産直の会」の営みを、ただただ破壊することを目的に行おうとするもので断じて許されません。
市東さんは「私への圧力というのであれば、それはムダですよ」と、農地を守り、農業を続け、闘い抜くことを明らかにしておられます。ここに、すでに団結街道閉鎖の企み、第3誘導路計画の攻撃は破産しています。
しかし、であろうと、かっての市東東市さんへの「軒先工事」を上回るこの卑劣な攻撃を許すことなど絶対にあってはなりません。5・16現地闘争に総決起し、引き続く閉鎖攻撃への現地での実力闘争の爆発を自らの決起で勝ち取ろう!
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