5・16現地闘争での山本善偉世話人の挨拶
結集されましたみなさん。今、私は萩原さんの「もう臨戦態勢に入った」という厳しい言葉に胴震いしています。(上の写真は、市東さんのお宅[後ろの家屋]の前を通って団結街道に入った関実のデモ)
私は、今、頭の中に浮かぶのは、あの現闘本部が襲われる時(注・1990年1月16日)、あの夜中に緊急の連絡を受けて駆けつけました。寒い日で、夜、雪がパーッと降っている中で、あの現闘本部の中に、北原事務局長一人が閉じ込められて、我々がそれに近づこうとしても近づけない、あの吹雪の中の闘いを想い起します。
もうそういう状況が来ているんだということを今日言われた。ほんとに市東さんにとって生活道路としてなくてはならない、市東さんだけじゃない、日に150台も車が通る道を、何の断りもなしに市議会で、足立さん(議員)一人が反対して傍聴からも猛然と反対の声があったけれども、ほかの議員は全員でこれを廃道にすることを認めたという。とんでもないことが起こっている。
この市東さんの生活を出来なくするための攻撃、さらにまた第3誘導路を作ろうとしている。何という愚かしいことでしょう。第2誘導路をつくるためにあの東峰の森を破壊して、そして今度は第3の誘導路をつくる。しかも、その滑走路は、名前はあくまで「暫定滑走路」です。44年かかってここまできた、そのいよいよ決着が、この団結街道を廃止し、第3誘導路をつくることによって、市東孝雄さんを生活できなくする、追い出す、こういうことをする。こんな人道無視というか、非人道なこと、こんな政府は許せない。
毎年、今年も、去年も、3万人以上の人が自殺しているという。十数年、毎年3万人以上の人が自殺をしているというこういう現状を、国は、支配者は何を考えているんだ。
私は、先月24、5、6日、90(歳)でもう無理かと思いましたけれども、三里塚が沖縄の地に三里塚の旗を立てる。萩原さん先頭に、市東さんも行かれる。それを聞いて、永井代表も私も黙ってはおれない。無理かなと思いましたけれども、行きまして、帰ってきまして却って元気になりました(拍手)。ほんとにこの目であの9万、恐らく9万できかないと思う、あの人間を見るのは生まれて初めてです。甲子園野球場が満員だと言っても4万5、6千。その倍の人が、集まっている。凄いところです。
そこでは、私の気持ちは燃え上がっているのに、ある意味では静かな集会だったと思います。あの壇上には仲井真知事を先頭に沖縄の各市町村長、県会議員、各政党の人たち、150、60人が並んでいる。そこではっきりと、まあ、仲井真知事だけはどうもはっきりしませんでしたけれども、みんな「普天間基地は撤去だ」ということをはっきり言っている。
心の中にはまだあの鳩山のにえきらない「5月末」にはかない希望があったんじゃないでしょうか。私自身も、何も言わないからには根本的に普天間を撤去するための日米間の交渉が進んでいるに違いないというような気持ちはあったんです。多分に沖縄の人たちはそれを持っていたと思います。ところが、開けてみたらあの騒ぎ。「県外、国外」と言っておきながら、あんなとてつもない空港を鉄の杭を打ってつくるというような案をはっきり出してきている。(右上写真は、4・25県民大会通路でビラまきをする右から萩原さん、市東さん、永井さん、山本さん)
これは、ほんとに沖縄の人たちははらわたの煮えくりけるような想いを持っておられると思います。あの集会の最中に、沖縄タイムスも、琉球新報も、大きな号外を配ってくれました。あくる日、私は新聞を買いに行きましたが、もう琉球新報はなくて、タイムスだけがあって買いましたが、ほんとに全面に怒りが満ちていた。(左写真は、4・25県民大会会場中央に陣取った反対同盟旗)
そこへ萩原さんを先頭に市東さんと、我々、永井代表も加わって、ビラを配り、横断幕をはり、旗を立てて、「三里塚がここにあり」ということを明らかにできたことは実に痛快でした。
今日は雨の中、我々の仲間が、関西からも行っております、普天間の基地を人間の鎖でつなぐ闘いを、今、やってくれているはずです。こちらはこんな晴天ですが、沖縄は昨日から雨です。雨の中で頑張ってくれているに違いない。
これを想うと、萩原さんが最初に提起された通り、この5、6月が、今まで闘ってきて、彼らから言えば、次々に農民だまし、脅しによってやってきたが、実は、農民の大地に立った断固とした闘いのもとに、反対同盟は決して負けていない、彼らをここまで引っ張りこんだのだ。ここで逆転勝利も考えられる。そういうことを萩原さんが言われた。
私は、この歳で、自分が何が出来るか、それを顧みると忸怩たるものがありますけれども、幸いにして健康に恵まれております。森田先生が言われた通り、歩ける限りこの闘いに一緒に入ります。若いひとたち、もっともっと頑張ってください。
沖縄の怒りと、この三里塚の怒りを一つにして闘おうではありませんか。これをもって終わります。
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