反省しない神戸市 (3月29日)
2月16日、寒風吹きすさぶ神戸市役所前で開かれた「神戸空港開港4年抗議集会」(上写真 約100人参加)で採択された「抗議集会アピール」に対する神戸市の回答について、神戸市と3月29日朝、話しあうことになり、前日夜遅く三里塚から帰ってきたところだけに厳しかったですが、「神戸空港の中止を求める市民の会」を代表して参加させていただきました(右写真は、山本先生はじめ市民の会)。
市民の側は、新しい神戸をつくる会、神戸再生フォーラム、ストップ・神戸空港の会など7人でした。神戸市側は、公聴課、みなと総局空港事業課ほか1名の3名でした。
中田作成さんの司会で会ははじめられ、先ず、第1の要望「市政の参画と協働の理念の形骸化」ということに回答がない, 「回答が、具体的な根拠の数字を示さず、これまでの回答の字句をいじっているだけのいい加減なものだ」 「起こっている事態に面と向かって反省するというような姿勢がまったく感じられない」 「着工前に7割の市民が反対しているのを強行し、一昨年でさえ新聞のアンケート調査で矢田市政の問題点として神戸空港を進めてきたことを6割の人が第1に掲げている」 「反省の姿勢がないというのは、我々の市民感情と余りにも乖離している」と冒頭から激しい指摘が行われました。
しかし、空港事業課は、「市の職員は努力してきています」などと見当違いな回答をするだけで、「結果」から「反省しろといわれても」と開き直ろうとします。公聴課が慌てて取りなす一幕も。この話しあう前提となる認識の違いの確認は個々の問題の確認を通して行うことにして、先ず需要の問題に入りました。
「需要のこれまでの推移と21年度の230万人の現実と、22年度の予測403万人との乖離をどう説明するのか」と回答の「需要予測を見直す予定はございません」という主張に批判が集中しました。空港事業課は「これはあくまで予算で」と開き直ろうとするが、すでに議会で繰り返し大阪府北部に100万人の需要があるとする神戸市の「潜在需要」という考え方の問題、1990年代後半の市議会での需要予測論議の市民とのずれの問題、また神戸市の予測の大きな根拠とされたGNPなど経済予測の問題、さらには政権交代の中で「98空港問題」として明らかにされてきた「需要予測が国交省の空港を作りたいという方針に基づいて高めに設定された」といった報道がすでにされていることなどが指摘され、空港事業課は対応不能に。公聴課が、もう一度説明の文章を書いてくるとしてまとめざるを得なかったのです。
次の問題である財政問題については、すでに約束した時間がなくなり指摘だけにとどめ次回の会議までに準備してもらうとして、先ず、管理収支について全く言及しておらず、もっとも緊急を要することへの「税金を使えばいいんだ」という神戸市の安易な態度に批判。そして建設財源の企業債の借り換えについて、金利は何を財源とするのか、また新都市整備事業会計として対応するとするなら、ポートアイランド2期の1400億円の返済をはじめ、新産業複合団地、西神南団地の返済もあると聞いているが全体としてどうしていくのかが明らかにならねばならないことが指摘され、空港事業課は「新都市整備事業会計の担当の者でないと」と責任を回避。当然、「なら新都市整備事業会計のものを呼んでこい!」と怒りの声が一斉に。
わずかに出されたほとんどの問題でさえ保留にせざるを得ず、公聴課がとりなすように新たな文書回答と、再度の話し合いを提案することで、私たちは了解し、2時間にわたる話し合いを終えました。
疲れた上に、暗澹たる気分に襲われた「話し合い」でした。会議の中でも触れられましたが、六甲の地下を掘って巨大なシンフォニーホールを建設するという無謀な計画がとん挫し、議会の承認もなく208億円もの欠損がでながら、「事業として妥当なものだった」という答弁で済ます神戸市、震災を好機として強行し半分も出来ない上に全部売れても(ありえない!)150億円の欠損を出すという新長田震災復興事業(実際は以前からの「再開発事業」でしかない)。そして、金がないからと財政難を理由にどんどん福祉を切り捨てている神戸市。そこに、私たちの税金を何だと思っているんだという怒りが、開き直る神戸市の職員の姿に拡大されるだけでした。
同盟ブログに、昨日は北原さん、今日は萩原さんの3・28集会の発言が全文掲載されました。ぜひご覧ください。
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