3・28三里塚全国集会に1530人
3月28日、三里塚現地、市東さんの天神峰の畑に全国から1530名のみなさんが結集して熱気にあふれた全国集会とデモが行われました。
冒頭、開会宣言に立った森田恒一さん(右写真)は、93歳とは到底思えないしっかりとした口調で、「悪質きわまる仲戸川裁判長でさえ、仮執行宣言付きの判決が出来なかったのは我々の大勝利だ」とこの間の闘いを簡潔に述べた上で、「どんな手段を使ってでも、機動隊暴力による天神峰現闘本部の破壊を許さない」と、この日の闘いの位置を明らかにされました。
主催者挨拶は北原鉱治事務局長(左写真)。「成田空港の現状を見ると、そこには政治の利権争いしかない。農民の未来はあるのか」と。 学生への大学での弾圧に触れながら、「こんな世の中で若い労働者や学生に未来があるのか。一人一人が立ちあがり、決起して闘わなければならない」と。そして「若い人たちの未来を作るために三里塚闘争を闘ってきた」と。そして有事の米軍による軍事使用を許さないことを明らかにされ、今日の天神峰現闘本部裁判での反動判決、団結街道の廃道化攻撃に対し、「そこには市東孝雄さんが住んでいる」「彼を空港の中に閉じ込める」「これが人間のすることか」「こういうことを許して日本の将来、若い人の未来に展望はない」「我々には正義がある」「闘いによってかちとろう」「そのために今日の闘いがある」と提起されました。
基調報告に立った萩原進事務局次長(左下写真)は、4点にわたって提起しました。第1に、三里塚闘争が決戦を迎えたことを訴えられました。「人がおり、畑があり、部落がある。これを一方的につぶそうとする。そして新たな誘導路」と鳩山連合政権を弾劾し、「こんなことが許せるか」と。 「こんな空港をぶっつぶして初めて世の中のは変わるし、人はわかる」「そのために今決戦がある」と。
第2に、「資本家が労働者を食べさせられなくなって、常識では考えられない攻撃がある」「成田治安法がまかりとおった三里塚は、日本の悪政の象徴だ」「破産国家でしかないのに、ばらまきをやっている」「しかし、農家への戸別補償もコメの価格に見られるようにごまかしであり、世の中を分断しようとしているだけだ」「農民の先頭に立つのは三里塚。動労千葉を先頭とする労働者の闘い。労農連帯が求められている」「動労千葉の今回のストを全面的に支持する」として「こんな敵の攻撃では絶対に出来ないということを我々の闘いで示していこう」と。
第3に、「反戦反基地の闘いが求められている」としてとりわけ現下の闘いとして「沖縄との連帯をとことん求めていく」ことの必要性を訴えられました。「普天間問題は、沖縄の新たな闘いの大爆発の始まりである」「本土における闘いの爆発を作っていくには、三里塚闘争の中で沖縄を語り、沖縄との連帯をとことん追求していくことだ」とされ、「我々自身が沖縄に出向いて、4月25日の県民集会の中に反対同盟の旗を掲げて、反対同盟ここにありということを示すことだ」と。
第4に、現実の三里塚現地の闘いとして、「現闘本部撤去の攻撃をぶち破った地平に立ってこの4月、5月の攻撃を木端微塵にしていく」「あの代執行攻撃に対するあの闘いをもう一度復権させる」「攻撃次第によれば、緊急闘争はもちろん、10月の全国闘争までにもう一度全国闘争を呼びかけることもある」と、さらなる現地への結集、集中を訴えられました。そして「まなじりを決し、火の玉となって闘い抜く」と自らの決意を語られて、基調報告を終えられました。
続いて、動労千葉、沖縄、関西の3つの特別報告が行われました。最初に立った動労千葉の田中康宏委員長は、先日亡くなられた中野洋前委員長への追悼の言葉を述べられた上で、三里塚との労農連帯、そして「1047名解雇撤回を掲げて」国鉄闘争の発展にむけ闘い抜く決意と提起を行われました。
「沖縄・市東さんの農地を守る会」を代表して知花盛康さん(右写真)は、「65年にわたる米軍支配で、ようやく普天間が戻ってくる、基地は外へ出ていくと期待していた沖縄の人々に、また再び新たな基地を作ろうという動き、こんなことは許せない」「この日本政府のやり方に対し、4月25日に県民集会をもちます」と読谷で開く意義を話されました。そして「これ以上基地はいらない」「まだ押し付けてくるなら、労働者と民衆の力でつぶしますよ」「4月6日から9日には、40人から50人で首相官邸まえに座り込み闘う」「三里塚と沖縄が共に手をつないで平和のために頑張らなきゃいかん」「沖縄に足を運んで共に闘ってください」と訴えられました。
関西新空港に反対する住民を代表して、先ず永井満関実代表世話人が、先日の3・14三里塚関西集会において、北原事務局長の戦争体験から78年の横堀要塞戦などの具体的なお話しを通し、「反対同盟と北原さんの姿勢にみじんも揺らぎがないことに感動した」としてこれからも一体となって闘っていくことをあらためて確認できたことを報告されました。その上で、前夜の反対同盟と沖縄の盛康さんなどとの交流の中で、4月25日に萩原さんと市東さんが同盟の旗を掲げて行くと言うなら、私たち関西の住民も行く決断をしたことを明らかにされた上で、「沖縄と三里塚が一つの闘いになる」ことが自分の夢だったと明かされて、「沖縄の県民集会にこぞって行こう」と呼びかけられました。
続いてマイクを持った山本善偉関実世話人は、93歳になる森田先生を讃えた上で、「先生の歳までは死ねない、頑張る」と決意を明らかにされました。そして三里塚44年の闘いに触れながら「三里塚の闘いは正義の闘い、日本を変える闘いだ」として「問題は、憲法より上にある日米安保そのもの、米軍再編そのものだ」と。そして前夜の沖縄と三里塚の交流にやはり触れながら、「沖縄に基地はいらない。本土にも基地はいらない」として、「その闘いをやろう」と呼びかけられました。
続いて北総の農民から、「労農連帯 農民アピール」が読み上げられ、さらに民主党政権による新自由主義的農業政策、FTA(自由貿易協定)と引き換えの戸別補償制度は、懐柔策でしか過ぎない、農業切り捨ての最後の政策だと指弾されました。そして農地法は農民にとって憲法のようなものだ。それに手をつけたと怒りの弾劾がなされました。
市東孝雄さん(左下写真)を先頭に、「市東さんの農地取り上げに反対する会」のみなさんが登壇し、先ず市東さんが決意を述べられました。空港建設、とりわけ現下の団結街道廃道化の攻撃への怒りを表明して、「私はずっとここに住み続けます」と決意を明らかにし、「第3誘導路も場当たり的なものでしかない」と弾劾されました。そして移転を強要する小泉成田市長に対し「人権をなんだと思ってるんだ」と糾弾されました。その上で「昨年初めて沖縄に行きました」「辺野古の海を忘れることができません」「あのきれいな海に基地を作るなどもってのほかです」と語られ「今こそ全ての人が広く連帯して闘うべき時だ」と訴え、農地取り上げの裁判と闘いへの支援を訴えられました。そのあと、「反対する会」の皆さんからの発言でした。
そのあと、「団結街道廃止阻止! 特別決議」が鈴木謙太郎さんから読み上げられ、満場の拍手で採択されました。
続いて反対同盟顧問弁護団から、葉山主任弁護士を先頭に7人の弁護士が登壇して、全員から三里塚裁判報告が、それぞれの決意を込めてなされました。
そして、婦人行動隊の鈴木加代子さんのカンパアピールの後、部落解放同盟全国連をはじめ各地の住民団体、そして現地支援連の共闘団体から発言があり、最後に野平さんから集会宣言、そしてスローガンの確認と団結ガンバローが太郎良さんから行われて反対同盟を先頭にしたデモの出発です。
東峰十字路から、島村さん宅などの東峰部落を通って、団結街道へ。参加した一人一人の怒りが高まります。天神峰現闘本部では、何を守るのか大挙の機動隊。そして、市東さんの南台の畑で解散(左写真は現闘本部前を行く関実のデモ隊列)。
本当に寒かった。しかし、素晴らしい集会でした。
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