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2010年3月10日 (水)

「初めに移設ありき」の間違い 普天間基地は即時閉鎖すべき

Photo 左写真は、宜野湾市の住宅密集地のど真ん中にある普天間基地です(宜野湾市ウェブサイトより転載)。沖縄国際大に岩国基地所属の米軍海兵隊大型ヘリCH53D(180人乗り)が墜落した事故(04年8月)を出すまでもなく、「世界一危険」と言われる米軍基地です。

 今、鳩山政権は、この「移設問題」の3月集約、5月決定を行おうとしていますし、マスコミが「先ず移設ありき」とキャンペーンを張っています。

 しかし、基地周辺の宜野湾市の住民にとっては60年余り「世界一危険な基地」と隣り合わせに生活させられ「健康で文化的な最低限の生活」(憲法25条)を奪われた状態にあります。日本の国に主権があるならば、これは直ちに基地を閉鎖すべき問題であることは明らかです。「移設」を云々している間にも、深刻な被害がうまれているのですから。そして、これは宜野湾市のみならず、沖縄県民の圧倒的な声なのです。「普天間基地一つが亡くなっても、アメリカは困らないし、米軍の世界戦略も微塵も揺るがない」というのが米軍関係者をはじめとした人びとの意見でもあるのです。Photo_2

 ここに最近、キャンプシュワブ、ホワイトビーチ(津堅島)など「県内移設」をにおわす鳩山連立政権の重大なペテン的なごまかしがあります。

 鳩山政権は、今年に入って沖縄の北部訓練場の南の地域にある東村高江という160人余りの村民が住む村に対して、1月末、新たな「ヘリパッド」(演習場)の建設に反対して座り込んでいた住民2人を「通行妨害」として起訴しました(1月29日)。そして、2月18日には、工事中止を訴える住民を無視して、中断されていた工事を強行しました。

 高江に新たに作られようとしている6つのヘリパッドは、旧来あるヘリパッドの2倍以上の大きさを持ち、垂直離着陸が出来るMV22オスプレイ(左下写真)のためだと言われます。V22 このオスプレイは、米軍の分類でもヘリコプターではなく飛行機とされることから戦闘機です。アメリカのイラク侵略戦争で初めて使用され、墜落が多いことから「未亡人製造機」と異名を持つ危険な戦闘機で、米軍再編の中で、世界に360機が配備計画されるうち、日本の海兵隊に100機が配備されるというものです。その爆音は、ヘリコプターの比ではないと言われています。この100機ものオスプレイの演習が高江で行われるためにヘリパッドの建設が、住民の反対を無視するばかりか、住民を起訴して強行されたのです。

 09523 実はこの100機ものオスプレイが収容できるには「新基地」しかありません。もともと「辺野古新基地」計画が進む中で、付随して「高江へのヘリパッド」建設計画が2006年、東村高江の皆さんに押し付けられようとし、07年7月突然開始された工事に反対して住民による座り込みが始まったのです(右写真はN-4ゲート前の座り込みテントで説明を受ける三里塚反対同盟の萩原さん、市東さん。昨年5月撮影)。

 鳩山政権が、自民党政権の基地建設をそのまま引き継ぎ、この高江のヘリパッド建設にこの2月、再度突入したということは、その大前提として、「新基地」の県内移設が図られているということではないのでしょうか。

 そもそも高江周辺は、「やんばるの森」と言われ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなど世界でこの森にだけに生息する固有種が多く(12種の植物、11種の動物)あり、生息場所の保全が世界自然保護会議などによって呼びかけられており、4千種を超える野生生物が記録されています。こんな貴重な森と生態系を破壊し、160人余りが農業を営む住居と畑を取り囲むようにヘリパッドが建設され、轟音をまきちらすオスプレイが飛び交い、墜落の恐怖にさいなまれるなどどうして許されるでしょうか。

 本来、普天間基地問題は、「移設」問題ではなく「即時閉鎖」であるべきです。にもかかわらず、「移設」問題にすり替えられ、あまつさえ、すでにそれを前提に高江におけるヘリパッド建設がすすめられようとしているということは断じて許されません。鳩山連立政権の許し難いペテンだと弾劾せざるをえません。

 沖縄への日本帝国主義、ヤマトによる130年を超える差別を前提に、今また、鳩山連立政権によって進められようとしている「普天間基地」問題への対応は、新たな差別の上塗り以外のものではありません。「日米安保改定50年問題」とリンクさせ、国民的議論を生み出す責任が、私たちヤマトにはあります。沖縄のみなさんの「基地撤去」の願いを、本当に受け止め立ち上がろうではありませんか。この3月から5月が正念場です。三里塚闘争の3月~5月決戦と一体のものとして、巨大なうねりをこの春、生み出しましょう。

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