天神峰現闘本部とは? 2・25千葉地裁包囲闘争へ!
1910年、日本は日露戦争の数少ない「戦果」として「日韓併合」を強行しました。以来100年。今年は日韓、日朝をめぐる重要な節目だとも言われます。
その1910年ごろは、世界的な不況の波が襲い、帝国主義間の戦争であった第1次世界大戦に向かう恐慌の過程にありました。イギリスなどのヨーロッパ帝国主義の代理戦争として強行された日露戦争は、賠償金などの戦果を得ることもできず、莫大な戦費による過酷な増税、農村の働き手の兵士としての出兵と膨大な戦死者は、その不況の中で農村の深刻な疲弊と窮乏化を招き、1918年の「米騒動」に至る過程を生み出しました。
当時、帝国主義への形成過程にあった日本は、まだ金融資本の育成も出来ていない中で、最大の資産を抱えていたのが天皇家でした。天皇制権力を打ち立て帝国主義の巨大な戦争国家への道をひた走っていた当時の権力は、御料牧場などの天皇家所有地の一部の払い下げを1910年前後に行うことで、日露戦争後のこの国家財政の危機に対したのでした。
上の写真の市東さんの畑に沿った左手のフェンスに沿った団結街道(市道)は、かっては国道51号に向かって北へまっすぐに伸びていました。この街道沿いに、取香部落の藤崎家(市東さんの農地強奪問題で出てくる地主)など、当時の大地主たちが払い下げを受けた土地に、入植が行われたのです。そんな中、市東孝雄さんの祖父・市太郎さんは、1912年、農家としてではなく、御料牧場の事務所があった前に食堂と物販の店を営業することで入植されたと聞きます。
こうして開拓部落としての天神峰部落が形成され、戦後の農地解放によって小川嘉吉さんに代表される地主が生まれたのです。とは言っても成田空港計画が降ってわいた1966年当時には、まだ開拓して2代目にしかならない大変な苦労の中にあったことには変わりがありません。従って、部落の中の交流は、古村とは違い、それほどなかったと聞いています。しかし、三里塚闘争は、その天神峰部落の中に強固な団結を生み出しました。部落を代表して反対同盟の副委員長になっていた石橋政次さんの敷地に、部落の農民の寄り合いの場所として天神峰現闘本部が建てられ、団結街道を隔てた前には小川さんの土地に櫓(やぐら、今はありません)が建てられたのは、そうした結果でした。
建てられた当時は、右写真の鉄骨の下にある木造の建物で、農民の日ごろの憩いと交流のなくてはならない場所となりました。そして工事が進む中で、東峰、天神峰が闘いの拠点となっていく中で、芝山の農民のみなさんが「敷地内を守ろう」とこの本部に足しげく通い交流していたのです。正に、三里塚芝山連合空港反対同盟の農民の団結を守る生活の場となっていたのです。岩山大鉄塔が芝山におけるもう一つの交流の場となっていましたが、1977年5月、だまし打ちで倒されたことによって、現闘本部のそうした重要性はますます大きくなり、三里塚農民の団結の象徴とも言える場所ともなっていたのです。
ところが1978年3月、横堀要塞戦、管制塔占拠闘争等によって開港を阻止された国家権力は現行法体系の枠組みを破壊する国家暴力の行使のための「成田治安法」をその年に成立させ、1989年の段階で12か所の適用のうちの一つとして、天神峰現闘本部にも適用を強行し、1990年1月、だまし打ち的に襲撃し封鎖を強行したのです(左写真、昨年の10月11日)。
一方的に「暴力主義的破壊活動者」とレッテルを張り、「闘争会館」など支援の居住する場所については完全に破壊、撤去し、空港から3キロ以内には建てさせないという乱暴狼藉を働いたのです。それ自体、到底許せないことなのですが、この天神峰現闘本部が、そこに住む農民の憩いの場であり、団結と交流を生む、生活の場だったがゆえに、破壊することも出来ず、封鎖され、出入りが禁じられたまま、今日に至っているのです。
それは正に三里塚闘争を闘う三里塚農民の生活を破壊し奪うものでしかありません。その不正義のゆえに、国、空港会社は、天神峰現闘本部破壊を狙った裁判で、正式に登記されている木造建築を増築しただけの構造物であることを否定し続け、裁判所は現場検証を拒否したのです。また、石橋恵美子の空港会社に強制された偽証を保持するために、ビデオリンク方式の証言を強行し、おまけに反対同盟側の反証、証人尋問の防御権をはく奪するという暴挙を強行し、2月25日の判決を強行しようとしているのです。こんな訴訟指揮が許されるはずもありません。ここに現在の2・25天神峰現闘本部裁判闘争、千葉地裁包囲闘争の一切の根本があるということを忘れてはなりません。2・25千葉地裁包囲闘争に決起しよう!
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