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2009年12月 2日 (水)

農民の声 (11・22講演&パネルで 小川浩さん)

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 こんにちは。たいへんご苦労様です。

 私は、今、大規模経営、大規模稲作経営をやっておりまして、稲作経営といいましても、今の政府の担い手新法とか政府の農政によって大規模になったんじゃあなくって、30年かけて、30年の間に小さい農家がやっていけなくなって、それを作ってくれというようなことで、30年の間に大きくなってきました。大規模といっても、別の言葉でいえば「大規模小作人」といってもいいですね。3斗2升のコメを地代を払って農業経営してます。091122_2

 今日は、ほかに農民の方も何人か来ております。今は、野菜が大安売りですよね。大根が1本、50円とか、白菜が50円くらいで。トマトやピーマンにしてもほとんどの野菜が安くて採算が合わないという状況になっています。大規模といっても採算が合わない。気候に左右されるという面もあるかもしれませんが、決してそればかりじゃなくって、今の農業政策による構造的な問題というような気がします。

 コメについて言うと、大豊作だった去年よりも不作の今年のほうが値段が下がっている。コメの値段について何年か見てみますと、1985年前後、それがピークで、コシヒカリが2万3千円くらいしたのが、国鉄が民営化された87年ころ下がって、90年代、95年ころ、それ以降またどんどん下がって、1万3千円くらい。1俵あたり6千円から9千円あたり下がっていて、1反歩あたりにすれば大変な金額ですよね。それで、コメだけではなかなかやっていけない。

 大規模化すれば利益が上がってやっていけるのかといったら、決してそうではないんですよね。07年、コメが安くなった時は、専業農家、大規模農家がやっていけなくなるそういう状況がでていました。

 そういう農家の状況の中で、時間がありませんのであまり詳しく言いませんけれども、先ほど山浦さんが農地法の改正について言われましたが、結局、38万町歩の遊休農地があって、農民の責任という形で農地法が改正されましたけれども、じゃあ、一本企業が農業に参入して今の農業問題が解決できるのか。おそらくだれもできないと思っています。確かに、この農地法の改正によって、今、各地で各自治体が企業を誘致するような動きが各地で出ています。または農業生産法人を作ったり、企業が具体的に農業に参入する動きが出てきている。091122_3

 じゃあ、農業危機ということで、何が起こっているかというと、1960年代以降、農産物の自由化がどんどん進められて、70年代には、農産物の自由化率が95%、そして80年代には世界最大の農産物純輸入国になっている。こういう農産物の洪水というか、こういうことで、日本の農業はだんだん採算が合わなくなってたいへんな事態になったんです。農民が一生懸命努力しても、努力して規模拡大したり、産直やったり、自己防衛のためにいろいろやっている。それでも、外国の安い農産物が拡大するこういう現実がどんどん進んできた。

 そういう中で農地法が改悪されたわけなんですけれども、その農地法改悪の元、経済財政諮問会議のなかの農業問題の部会の中で、東大の本間正義という人がまとめたと言われていますけれども、これが農地法改悪の本質のようなものを言っているように思うので、ちょっと紹介したいと思います。

 本間は、国際化に対応していくためには土地利用型農業を10倍、20倍の規模にしていく必要がある。米価も当然下がらざるを得ない。農業の・・・では農地の所有権移転が望ましい。しかし現実には農家はなかなか土地を手放さない。ということで、農地の所有ということではなく、農地の利用ということで農地の集積を図っていく。ほんとは企業が農地を取得したほうがいいんだが、なかなか難しいので、とりあえずは利用ということで企業を参入させようというような考え方。その場合、農地を利用するのは企業であろうが完全に自由化すべきだと。そのうえで、農地の利用集積を進めるには、農地情報を自治体、官だけがやっていてはなかなか進まないから、全国ネットで民間も斡旋業に参入させて官と民を競争させる。その場合の民は不動産業者でもいいといってるんです。不動産業者に農地の売買をさせて利用していってもいいとそんなことを言っています。091122_4

 したがって農地法の改悪というのは、結局、農地と農業を農民から取り上げるそういう本質を持っているんじゃないかと思います。先ほど吉川さんも言いましたけれど、企業というのは利潤追求が目的だから、合わなくなったら撤退しますよね。先ほど吉川さんの話の中で、柏のほうでのゴルフ場の話がありましたよね。ゴルフ場を造ると言って土地を集めて、何年も荒らしておいたんだけど、最近になって農地に戻した。企業というのは、そういうことがどんどん起きる可能性があって、ほんとにその地に住んで、農業をきちんとやっていくというような考えがなくって、状況によったら放り出してしまうそういう可能性もある。

 それと今のことに関連するかもしれないけれど、民主党の農業政策、戸別補償制度の導入ということと、FTAの推進ということが言われていますが、やっぱり民主党の本質は、農産物の完全自由化、貿易の完全自由化のこのために、農家への戸別補償制度と引き換えに、「農産物がどんどん入ってきても戸別補償するからいいじゃないか」という形でね、どんどん進めていく、戸別補償制度というのはそういうもんとしてあるんじゃないかと考えています。

 時間があれで全然まとまらないんですが、市東さんの農地問題。考えてみれば農地制度の変更というのは、単なる農業政策の延長上にあるんじゃない。かっての地租改正、戦後の農地解放、これは体制そのものが大きく変わっていくその中で起きた問題です。一農業政策の変更ということにとどまらない。ということは、今の改憲状況の中で、農地法を改悪して今の農民と農業を根底から変えていく、あるいは収奪して今の社会のありようを変えていく、そういう攻撃として、今の農地法改悪をとらえるべきじゃあないのかとう気がします。Photo

 そういう意味で、市東さんの闘い、先ほど農産物が安くなったといいましたが、市東さんは1億8千万の金じゃない、1本のダイコンのほうが大事だ、農民の誇りは金で売らないということで闘い抜いている、この思想というのは凄まじい。農民というのはなかなか、逆に今、自分のところには高速道路がかからないとかね、逆に待っているようなね、そういう中で、この市東さんの思想というか、ぜひとも農民魂を共有して、何としても市東さんの農地を守り抜く。この市東さんの農地というのは、全国の農民が置かれている状況を一人で体現して、反対同盟とともに闘いぬいているというところで、市東さんの闘いを全国の農民がどこまでともに闘い抜けるか、これからの農民闘争の発展ということにもかかわってくるので、萩原さんが「今たたかわずして、いつ闘うのか」と言いましたけれど、ぜひ、全国の農民の戦いの前進のためにも、労働者がともに決起して、農民獲得のためにも立ち上がって闘いを前進させていただきたい。まとまりませんですが。

(11月22日開かれた市東さんの農地と利上げに反対する会主催の「講演&パネル」の集いでの、匝瑳市のコメ農家・小川浩さんの訴えでした。)

 

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