上関に行ってきます
写真は、12月5日開かれた「もんじゅを廃炉に!全国集会」です(正面の白い建物がもんじゅ)。
電力会社は、テレビ、ラジオ、新聞など巨費を投じて「温暖化対策として原子力発電」を宣伝しています。そして、鳩山政権も新規の原子力発電所の建設を温暖化対策の柱として打ち出しています。これは、全くのデタラメです。
電力の中で原子力発電が占める割合は、日本が世界で最も高くせいぜい20%にすぎません。世界は、原子力から撤退の傾向にあります。そして、これから20年、30年の中で、廃炉にしなければ危険極まりない原子炉が続々と出てくる一方で、巨費がかかり、地域にとって迷惑でしかない新規の原子力発電所の建設は進んでいません。原子力発電によるCO2削減の効果は大して見込めないのです。
ところが原子力発電所は、発電と引き換えに膨大な放射性廃棄物を生み出 します。また半減期が2万年という極めて毒性の強い、原爆の原料となるプルトニウムを生産します。地球温暖化は、大量消費社会の変革などで対応しうる可能性を残していますが、この放射性廃棄物、死の灰とプルトニウムは、対処できないだけでなく数100年、数万年にわたって地球に危険極まりない毒として存在し続けるのです。すでに、これまでに発生したものだけでも、保存する場所に困っているのが現状ですし、プルトニウムに至っては、数千発の原爆に相当する量を日本は抱えています。原発から生まれたプルトニウムは純度が悪いので核にはならないといわれてきましたが、インドが原発から出たプルトニウムで核実験を行い、その嘘を暴きました。
書き出せばきりがないのでやめますが、いずれにしろ原子力発電所の新規建設はやめるべきです。しかし、自民党政権の施策を見直すとする鳩山政権が、原子力発電については、なぜ見直そうとしないのでしょうか。それは、原子力がプルトニウム問題であることからわかるように、軍事問題だからです。だからプルトニウムを生産するための高速増殖炉もんじゅの再開を新年度の予算で早々と確定したのです。昨日のブログに「東アジア共同体構想」について書きましたが、「日米同盟の強化」(これは軍事そのものです)を政策の軸に据えた鳩山政権は、軍事問題は何一つ見直すことなく自民党から引き継ごうとしています。沖縄の普天間基地問題と辺野古新基地建設への「公約」を無視したジグザグが起こっているのもこのためです。「ハブ空港論議」もしかりです。
これまで原発問題にほとんどかかわってこれなかったものですから、触れてこなかったのですが、この一年、小林圭二先生のお話を聞いたりして学習会をいく度かやって、8・6ヒロシマの中で、上関原発に反対しておられる祝島を訪れたりして、これは声を上げていかなければと思い始めていました。そんなことで「もんじゅを廃炉に!全国闘争」にも参加しました。その現場で、小林先生から「えっ!初めてですか」と不思議そうな顔をされましたが。
そんなこんなで、ともかく現場に行ってみるべきだということで、明日から山口県上関にある長島田の浦(右上地図)に行って、数日、現地で山口電力が原発建設のための埋立を始めようとしていることに反対しておられる人々のところに行ってみようと思い立った次第です。カヤックでの海上行動に加われる友人のMさんを誘って。田の浦周辺は、沖縄の辺野古に匹敵する瀬戸内海でも屈指の豊かな自然と生き物たちが残る海です(左上写真はスナメリ、右下写真はミミズハゼ)。そんな海に130万キロワット級の巨大な原発を作れば、7度以上も温度が高い膨大な量の温排水によって海が破壊されます。
そもそも、田の浦の自然の軸となっている海岸を埋め立てることが生態系をズタズタにすることは確実です。そして対岸の伊方原発で起こっているように、基準以下と電力会社は弁解しますが、放射能の垂れ流しは確実に生き物を傷つけ殺します。こんな無謀なことがどうして許されるでしょうか。しかも、中国電力のエリアでは電力が余り、この建設されようとしている原子力発電所は関西電力に電気を売るためだというではありませんか。ほんとうに許せません。
祝島の漁民の皆さんが、28年も反対し続け、毎週月曜日には1000回を超える「原発反対デモ」を島で続けておられます。とにかく学んでこようと思います。
なお下3枚の地図、写真は「長島の自然を守る会」発行の「ナガシマ フィールドガイド」より無断転載いたしました。
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