10・20 三里塚・市東さんの裁判(4) 萩原さんのまとめ
先日の全国集会、圧倒的な結集のもとに、戦闘的なデモも含めて、久しぶりに1000の大台を突破して、北総台地に三里塚がありということが示されたと思います。(上写真は、10・11集会で発言する萩原進さん)この闘いをもっともっと広げて行って、もう一度三里塚の野に赤旗がひるがえるようにしていきたいと思います。
そのためにも、この裁判というのは、一方では広範な人たちを結集して三里塚の実情を知っていただいて、この闘いが正義であるということをもっともっと知ってもらいたい。
先ほどでましたけれど、県の態度とか県知事の態度、そして供用開始の問題がありますけれど、やはり農業委員会とか、農業会議とかの体質そのものがね、農業を守るとか、農村を守るとかじゃないんですよ。いかにして地域を開発するかというところで、それさえでれば転用するというような機関になっちゃってるんですね。これが問題なんですよ。だから農地法改悪なんてのも出てくる。それに政治家がくっついていって利権をあさるという風になっている。この実情が市東さんの裁判に本当に現れている。
今日の不在地主の問題にしたって、農地法改悪と非常に連動しているわけでしょ。どこにいたってそんなもん買えるんだ、文句言うんじゃない、国家のためにはいいんだ、国策だからやるんだという形で一方でやりながらね、他の産業で開発するんだからその土地は転用しろというのが、トヨタの優良農地を転用した問題だとか、あるいは食料品会社がそういうことをやっている。休耕地じゃなくって、優良農地をそういう形でやってるわけでしょ。そういう機関に農業委員会や農業会議がなっている。
市東さんにはカネさえやればいいんだろう、それで文句があるのかとね、そういう態度になるんですよ。だからああいう形ででてくるんですね。
それと同じように、今、八ッ場ダムの問題が出ているけれども、そこにおいて40年も、50年も闘い抜いてね、それで決着がつかないなんてのは、それはもう、政権や支配者じゃないですよ。もうやめなさいっていうことなんですよ。
それで成田の問題に目を移してみればね、森田が無視されて怒って眠れなかったと、次の日には握手をしている。羽田にスタンスを移すなどという問題は、マスコミの人たちは判ってるだろうが、誰だって判ってるんですよ。彼ら自身が、このままじゃあ羽田に持っていかれてしまうから、強引でもいいから北延伸する、あるいは第3の滑走路を造る、そしてあそこにいる住民を追い出すんだと、そういう形でやってきてるわけですよ。彼ら自身がやってきてるわけですよ。で、急に聞いたとか、ぜんぜん聞いてなかったとか。
それを言いたいのは我々なんですよ。そんなこと住民、誰も聞いてないんですよ。もっと北延伸するだとか、ここに誘導路作るだとか、大型機を飛ばすとかね、まあ、朝日に石毛が何百回も説明会開いたとかいってるけれども、われわれ一度も聞いてませんよ。
そして八ッ場では少し地元民を出しました。地元民をね。その問題について賛成なのか反対なのかとマスコミがやってますけれど、今度の場合は自治体とか、市長とか、あるいはとってつけたように運動からもう遠ざかっていなくなった人を担ぎ出してね、問題たててるわけでしょ。そうじゃないでしょ。いわゆる円卓会議とかシンポジウムというのは、当事者をはずして第三者に預けちゃったんですよ。国もそう。当事者もそう。そこで判断してくださいと、莫大な資金を使って、時間を費やしてやったんですよ。それに我々は「違う」と、「そんな形で問題は解決できない」と、「当事者同士でやんなきゃダメなんだ」という形で反対して闘い抜いたわけですよ。その結果が、シンポや円卓でもう成田は終わったんだという結論でしょ。だからあんな発言になるんですよ。
とんでもない話なんですよ。なんで、だいたい終わってますか、これ。今、裁判もあります。延伸もします。・・・。よく言うよね。終わってないですよ。あらたな始まりの大きな時点に立ってるわけですよ。このことが重要なんですよ。
そしてハブ空港だなんだて言いますけれど、国交大臣を擁護するわけじゃないけれど、彼は知らないとか何とか言ってますけれど、ほんとに考えてみてください。冨里から成田に移した時に、どういう状況だったのか。冨里では5本の滑走路ですよ。4000メートル2本。我々の所の3倍くらいの飛行場、作ろうとしたんですよ。それが成田に来たら、4000メートル1本、2500メートル1本、横風1本で3本ですよ。実際には2本の滑走路、1060ヘクタールですよ。あの時、冨里については千葉県知事も、副知事も頭越しにやられて、千葉県としては納得しがたいと、だけども国だから真っ向反対できないので静観したんだと、だから内定まで行ったけれど反対運動が強くて、それでひっくり返った。
それで佐藤・友納会談があった。若い人は解らないかもしれないけれど、ベトナム戦争があって羽田が手狭になったという状況の中で、友納は、羽田の補助的空港として成田を作るということをしぶしぶ納得したんですよ。それで、今日まで来たけれど、何時の間にか成田が国際空港、日本のハブ空港とやられた。これを、正面切って宣伝したのはマスコミの皆さんですよ。そういう風にしちゃったんですよ。だから、友納知事は、われわれの裁判で証人として発言したとき、佐藤・友納会談はそうじゃなかった、遺憾とは言わなかった、今の現状を不本意だと証言したんですよ。だけど、彼は空港建設のために代執行を正面切ってやらざるを得ない。そしてやった。その後は衆議院の代議士としてね、そういう立場の中で空港を是認して突っ走らざるを得なかった。そして亡くなった。
そういう歴史があって、当然な歴史的な形があって、羽田のハブ空港というのは当然なんですよ。だけど、羽田に持っていけばいいという話しをしてるんじゃないですよ。今の状況の中で、羽田もダメなんですよ。こんなやり方で空港をつくるなんて絶対に許せない。
じゃあ、成田が付随した空港になればそれでいいのか、そうじゃない。だけど、今の状況じゃあ、羽田だけでは出来ないんで、棲み分けをしながら、両方で運用しながら、ハブ空港としてもって行こうと、そのためには北延伸、そして20万回を大臣は40万回まで引き上げ、24時間使用するというところまで来てるわけですよ。先ほどの話で、われわれに県知事に会いますか、国交大臣に会いますかという話があったけれど、我々がそうですかと、あるいはわれわれが頭を下げて「やめて下さい」と言う必要もない。要するに、とんでもない話だと、そんな空港を持ってくることはできないんだと、完成させることはできない。ここで彼らが言う所の民主主義だとかいうやり方が汚いのを、そのものをわれわれは変えていかなくちゃあならない。変えて、あらためて、点検しなおすんだったら、まず成田空港を点検してみろと。ものすごい財政を使ってきてる。
八ッ場も、言ってること自体が、結局、利権の問題であって、カネだ、カネだ、カネだと、それ以外ないでしょ。こんなことやってて世の中、良くなるわけないですよ。良くなるには、三里塚闘争のように、ほんとに正義を貫いて闘う。今、ここにいるのは、正義を貫いて、純粋に立って、闘い抜いている人たちなんですよ。このことを訴えたい。ほんとに反面教師として、県知事やね、必死で政権を担おうとやってる民主党、あの姿を見る中でね、やっぱり日本は良くならねえ、われわれが世直ししなきゃあしょうがないということが現れてるんじゃないかと思う。これを、裁判としても、農業委員会とか、農業会議とか、あるいは県を擁護する代理人の姿の中に見れるわけですね。
そういう意味では、三里塚というのは、今の社会とか政治とかの面を引きづり出してね、その濃い汁を浄化しているところじゃないかという風に思います。
いろいろまとまりませんけれども、なんとしても、やはり、10月の闘いをやり抜いて、今日こうやってやってますけれども、われわれが闘い抜いてきたからこそ、ハブがどうだとか、空港が問題になって、叩きのめしていく状況にあります。このことを、勝利をかみしめながら、今こそこの攻撃をみんなの力ではね返していこうという風に思いますので、よろしくお願いいたします。
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