9・27特別報告2 新たな関西空港闘争 東西両軍事空港反対闘争に向けて
永井満関実代表世話人
かくも素晴らしい集会が今日、開催されておりますこと、本当に衷心から喜びたいと思います。そして、ただいまは反対同盟の方々の意気盛んなご挨拶を、また40年にわたる共闘をこれからも固く共に闘っていくとおっしゃって下さり、光栄に存じております。政権も代わり、いろんな情勢も変わるかもしれませんが、三里塚の闘い、これ勝利間違いなしだという感じが、今日、ここにまいりましてしております。
私が申し上げることは、今、司会者の方が盛んに言っておられました「10・11へ行こうじゃないか」とこれに尽きるんだと思うんですけれども、せっかく、ちょと言いたいことがありますので、暫時、時間をちょうだいしたいと思います。
今日、吉沢先生をお迎えしまして、私なんか田舎牧師を40年、50年もやっておりまして、政治の大きな動きということにつきましては兎角疎いのですけれども、それでもいろいろ感じていることをすっきりと見せていただいたというか、こういう勉強もこれからもやっていかんといかん、7月の研修会でもこういう勉強もして大きな状況を見ながら関西と三里塚の闘いをやっていかなければならない、今年はそういう年だという想いを強くしたんですけれども。
私が今日、言おうとしたことは、全部すっかり出ているように思いました。三里塚の闘い、それを40数年闘い抜いて来られた素晴らしい方々、その微塵も揺るがぬ姿勢を改めて拝見して、ほんとに感銘を受けています。ほんとに日本中がどうなってしまっているんだと、何といいますか道徳とか、義理とかその辺がどうかなっちゃってるという中で、ほんとに人間の誠というんですか、それに立って一歩も動かない人たちが現にいるんだということ、ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、日本の宝だと、こういう方たちと共に40年も一緒にやってこれたのは望外のよろこびであります。
あちこちするんですけれども、この春以来私たちが掲げてきた一つの大きな目標があります。それは、三里塚の闘いが当初から掲げてきたものであります。つまり、三里塚は、軍事空港、軍事基地粉砕の闘いだ、三里塚は平和の砦だということです。70年に私たちが最初におじゃました、71年の代執行のと時もそうでしたけれど、大きなのぼりがあがっていました。
先ほどらい、吉沢先生のお話しをお聞きしておりましても、今、三里塚、成田の空港で起こっている、ただ今、萩原さんもおっしゃいました妙なこと、むちゃくちゃなことがなぜ起こっているかと言いますと、たとえば空港の需要があの空港を拡張しなければさばききれないほどになっているんだというならばわからないことはないですが、30万回にしなければと言いながら20万回を切るような、そしてどんどん撤退が続くような状況の中で、なぜ平行滑走路を3500メートルに延長しなければならないのか、さらにはいったん廃止を決めた横風用滑走路を又ぞろ作るなどと言いだしている。この理由ですね、これは萩原さんがおっしゃいましたけれど、アジアのハブ空港などと言うのはとっくに消えてしまっている。韓国のインチョン(仁川)空港ですか、に取られてしまっている。国内でも羽田ですでに1本、さらにもう1本滑走路を造る。つまり国内の基幹空港の地位も奪われている。需要はジリ貧である。そういう中で、なぜ、今、20万回を30万回飛ばすんだというようなことを言って、そのためと称して誘導路をまた、こともあろうに市東さんの家のすぐそばを通らせる。言語道断だと思うんですけれども、そこまでして空港をより大きく、より機能的にしなければならないと考えているその本当の理由は何だということは、吉沢先生がおっしゃったことだと思うんです。つまり、私は詳しく知りませんけれども、米軍再編との関連、そして5055計画、そういうことの中で成田が持っている軍事基地、軍事空港、軍事の兵站としての大きな働きを期待されている。これは沖縄もそうですし、また岩国にもそういうにらみがあるとおもうんですけれども、同じようなことは関西空港に言えると思うんですね。
ご承知のように関空も日航がだいぶ撤退してしまうとかですね、閑古鳥、関空じゃなくって閑古鳥が鳴く空港ですよね。そういう空港。私も、沖縄に行かせていただきまして、沖縄の空港、那覇空港は、ロビーから何から、主として若い人でしたがぎっしりでしたよね。関空にもどってきたら、あちらに一人、こちらに一人、ほんとに関空じゃなくて閑古鳥がないている。これではもうからんと思いましたね。けれど、それ以降もどんどん撤退が続いていますよね。にもかかわらず、なぜ4000メートル滑走路を作ったんですか。これはやはり、米軍再編とか有事と言われることとの関連のなかで、軍事利用、軍事基地としての役割を負わされていることは間違いないとそう思うんですね。
関空がまだ作られつつあった頃ですかね、大阪府庁に抗議に行ったことがあります。知事に、岸でしたか、会いまして「軍事空港をつくるな」と言ったわけです。ということは40何年か前に初めて淡路島に巨大空港を作ろうという計画があった時にも、私たちはイの一番に巨大空港は軍事空港になるという理由で第1条に「軍事基地反対」ということを掲げたいきさつもあって、岸知事にそういう風に言ったんです。そうすると、彼は、言うことに「この空港は公害を取り除くという人道的な立場から作られ、またかってないほどに民主的手段で作られるところの平和空港だ。軍事空港だなどと言う奴はためにする発言だ。出て行け!」とこう言ったんですよ。私は怒鳴られたから今も覚えていますけどね。私は、あえて言いたいですね。頭をそって土下座して謝れと。もうそんな日がすぐに来ますよ。
つまり、そんなにどんどん需要が落ちていく中で、関空は4000メートル滑走路をなんで作ったんですか。4000メートル滑走路と言うのは、今の民間機には必要ありません。これは、アメリカが、グラナダ、すぐ近くにある小さな島に軍隊を派遣していきなり政府をひっくりかえしたことがありましたね。その理由は、「その政府が4000メートル滑走路を持つ空港を計画した」ということでした。NHKが論評して、4000メートル滑走路は軍用機のために必要だ。今の民間機ならば32、300メートルくらいあれば十分だ。それをあえて4000メートルを作ろうというのは軍用以外の何物でもない。だからアメリカが攻めていったとこう解説しています。それをあてはめるならば、関空、閑古鳥の関空がなぜ4000メートル滑走路を作ったんですか。
今から3年前か、4年前かな、大阪航空局。大阪府庁のところで、大阪航空局で、国の行政の代表者と我々住民団体が、毎年会っているんですが、会ったことがあります。そこで我々住民団体が言ったことは、イラクのこともありまして「軍事使用、軍事利用は絶対にするな。軍事基地化絶対許すな」ということを申し入れました。その時係りの者が言うには「軍事利用はいたしません」と。ウヲーッとみんなうなったんですね。しかし、彼は言葉をついでですね「しかし、国が決めたら仕方ありません」とそういったんですよ。「なんじゃね」という話しですよ。
先ほど来、吉沢先生のお話しをお聞きしててもわかるとおり、今、成田、関空、もちろん沖縄、そして相模原とか岩国といったところが、有事の際の軍事使用のために着々と整備されつつあることは疑いありません。だから、私たちは40何年前に「軍事基地反対」と言ったけれども、今、もう一度声を大にして「軍事基地反対」「軍事使用反対」「成田とともに」。その面でも運動をやっていきたい。今までやらなかったというわけではありませんが、成田の農民の方の闘いということで主としてやってきたと思いますが、あるいは淡路では環境問題の闘いをやってるんですが、初心に帰って私たちこれから「軍事基地絶対反対」「関空の軍事使用絶対反対」を高く掲げてやっていきたい。それは成田も一緒ですよ。成田とともに、あるいは沖縄とともにやっていきたいとおもっているんです。だから、今から40年、関実結成以来30何年ですが、はっきり言って三里塚一辺倒でやってきましたよね。他のこともやってきましたけれど、とにかく三里塚に学ぶ、三里塚のように闘うとうことでやってきました。それは変わりません。これからもそうです。けれども、それにもうひとつ地元の関空の軍事使用を絶対に許さないということを大きな旗印にして運動をやっていきたいと思っているんです。
私はこんな田舎牧師ですが、案外テレパシーみたいなものを感じる時があるんですよ。私が何か言うと、皆さんが「異議なし」といってくれますが、それは皆さんが感じなさることを私が言うから、皆さんも「異議なし」と言って下さるんでしょうが、それを皆さんが感じておられることをぱっとつかむ力が、自画自賛ですが、あるみたいですよ。皆さんもこういう状況の中で、政権が代わりましたから、多少違いがあるかもしれませんが、先ほどの話しでは全然ないということでしたが、今度は、三里塚では農民の闘いはもちろんです。市東さんの闘いを支援してやっていくのはもちろんです。けれども、あれだけ滑走路をどんどん延長して、もう一本滑走路を作ろうという動きは軍事利用以外の何物でもないわけですから、反対同盟の方々と一緒になってそれも潰す。そして地元の関空の軍事使用は絶対にさせない。これは私たちの責任だと思うんですね。だから、関空を軍事使用絶対にさせない闘いを私たちの責任で今日を期して頑張ろうではありませんか。このことを申し上げて終わります。ありがとうございました。
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