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2009年8月21日 (金)

「この日を待っていた」(09.7.27 萩原進さん)

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 写真は、新誘導路を行く航空機で、その奥に見えるのが残った東峰の森です。手前の舗装は旧来の誘導路、その間にフェンスに囲まれた中に木が茂っているのが判るでしょうか。空港敷地の中にある東峰神社を取り囲むフェンスと、育ってきた立木です(写真は反対同盟ブログより転載)。

 この春、静岡空港の開港が、立木の高さを理由に遅れるとともに滑走路の長さを短くして開港し、「知事の辞任」を条件に伐採に応じた地権者の要求に従って知事が辞任し、先日、選挙が行われたことを覚えておられると思います。右写真は、この4月22日、管理人が東峰神社で着陸してくる航空機を撮影したもので、木々の新芽が噴き出しているのがわかります。09422

 東峰神社の立木が育ってきて、航空法で規定されている航空機の進入表面を突き破り始めているのです。7月27日の市東さんの裁判で、萩原進さんは、NAA(空港会社)が、「6本の立木を切ってくれませんか」と言ってきたことを暴露し、「この日を待っていた」「北へ伸ばしてるんだから、南を短くすればいい」と笑みを浮かばせながら話されました。暫定滑走路の閉鎖を勝ち取り、成田空港廃港へと進むのだという勝利感に満ちた萩原さんと反対同盟の確信があふれていました。01616

 2001年6月16日、空港公団と空警機動隊は大挙して東峰神社を襲い、入口の道路を封鎖し、神社の立木19本を根元から切り倒すという暴挙を行った。東峰神社は村の総有で、手が出せない。その立木も同じだ。怒った東峰部落住民と反対同盟は総決起して、ガードマンが守る阻止線に突入し闘い抜いた(左写真)。萩原進さんは、自宅からトラクターを運転し、検問を突破して阻止線に突入した。そこで、機動隊に襲いかかられ逮捕された。このあまりの不法は、裁判で争われ、東峰部落の全面勝利となり、国は非を認め罰金(和解金)をはらわざるを得なかった。だから「切ってもらえませんか」と頼みに来ざるを得ないのだ。

 Photo そもそもこんな神社があることを承知で、島村さんをはじめ民家上空の40メートルを飛行して、民家に110ホーンの爆音被害を与えることを承知で、このような暫定滑走路の建設を強行し、02年4月の開港を強行したこと自体が犯罪なのだ。右の写真が、暫定滑走路南端部分です(ただし、3年以上前のもので、新誘導路がまだできていない)。滑走路端から離れて写真中央部にあるのが東峰神社(滑走路端から120メートル)。右下隅にあるのが島村昭治さんのお宅(同400メートル)。右上には、先日、7・5闘争が行われた開拓道路があります。左端中央部の茂みと畑が市東さんのお宅の前の天神峰の畑です。

 事実、開港直後1年も経っていない03年1月27日、雨の中、ウインドシアにあおられオーバーランしたエアージャパンB767型機が、滑走路南端を超えて航空灯火をなぎ倒し、東峰神社のあるくぼ地の手前50メートルの草地の中でようやく停止するという大惨事と紙一重の重大事故が起こったのです(左写真)。今年の3月、成田空港のA滑走路で、ウインドシアにあおられてアメリカの輸送機が墜落、炎上したことは記憶にあると思います。032

 この7月27日の裁判の報告会の中で、萩原さんは、気象庁のデーターを示しながら、ウインドシアが関西空港や中部空港と比べても、成田空港が異常に多く発生していることを指摘された。安全性を無視し、航空法違反を開き直って建設を進め、開港を強行したこの暫定滑走路は閉鎖させなければなりません。

 今、国、NAA、地元自治体、財界は、こうした人権を無視し、法を無視した状況を開き直るばかりか、滑走路の3500メートルへの再延長を主張しています。それは、東峰地区の更地化しか方途はなく、島村さん一家をはじめとした農家の叩き出し、そして市東さんの叩き出しを図ろうとしているのです。その意図を突き出したものとして、新たに計画が突然発表された第3誘導路計画があります。市東孝雄さんの日常生活を破壊し、この地で生きていけなくすることで、農地強奪への道をこじ開けるとともに、東峰地区住民をも叩き出そうという、そのためにのみ出されたこんな暴虐な計画がどうして許せるでしょうか。

 「この日をまっていた」とほほ笑む萩原さんをはじめ、反対同盟は、この暴虐な国家権力による新たな攻撃を前に、「実力闘争」「農地死守」の44年にわたる闘いを支え抜いてきた精神をバネに、勝利の確信も固く現地攻防を準備しておられます。

 わたし達は、反対同盟と共催の「9・27三里塚関西集会」を成功させ、10・11三里塚現地へ全力で総決起し、むしろ追い詰められたが故に暴力性をむき出しにしてきたこの攻撃をはね返し、決戦を勝利しようではありませんか。(なお、3枚目と5枚目の写真は、いずれも「週刊三里塚」より転載させていただきました。)

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コメント

謹んでご哀悼おくやみ申し上げます。大阪からついこの間お邪魔して、大変な饗応にあずかりました。もういちどお話いただきたかったです。ご遺族の皆様もお力おとしなく、おすごしになられますようお祈り申し上げます。微力ながら応援し続けます。

投稿: 須藤光郎 | 2013年12月21日 (土) 23時27分

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