耕作権裁判 第12回口頭弁論
7月27日、千葉地裁601号法廷で、反対同盟をはじめ85人の傍聴人が詰めかける中、市東さんの耕作が「不法耕作だ」として、空港会社NAAが起こした「耕作権裁判」の第12回口頭弁論が開かれました。その裁判の内容と、裁判後の記者会見・報告会について全体的には同盟ブログhttp://www.sanrizuka-doumei.jp/blog/ に詳しく報告されていますので、そちらをご覧ください。
関西を代表して、私の方からは、今月末の新誘導路の供用開始前倒しと10・22北延伸部分の供用前倒し、そして第3誘導路計画の攻撃全体が、市東さんが天神峰で住んで行けなくさせる叩き出し攻撃であり、それが天神峰、東峰の更地化、三里塚闘争の解体を狙った攻撃であり、絶対に許されないことを明らかにした上で、こうした攻撃に対して闘い抜かれる10・11三里塚全国闘争に向け、9月27日、大阪で三里塚反対同盟と共催で、「市東さんの農地を守ろう! 成田・関西両空港の軍事使用を許すな! 9・27 三里塚関西集会」を開催し、なんばへのデモを行い闘い抜く決意を明らかにしました。
以下に、市東さんと萩原さんのこの日のご挨拶を掲載します。
市東孝雄さんの挨拶
みなさん。ご苦労様です。 7月は、いろいろと裁判、闘争と忙しい月でありました。(新誘導路)7月供用開始とともに、また新たないろいろな攻撃が加わってきています。先日の新誘導路問題、そして今日また、千葉日報に出てましたこれ、見た方もいると思いますけれど、「誘導路への字緩和」と。一坪を自分たちが手に入れたから、この問題の解決をするような言い方をして、とんでもない攻撃がこれからもあると思います。今まで通り、同じような闘い方をしていきますので、皆さんよろしくお願いいたします。
萩原進さんのまとめの挨拶
連日の決起、ほんとうに御苦労さまです。裁判が今月に集中し、また11月にも集中しそうな気配がありますけれども。そういう中で、今日全体として見てみると、仲戸川のやりかたなど、非常な焦りを感じるわけですね。裁判の進行について空港会社側に聞いてみたりと今日でもでています。同時に、権力においても3つの攻撃が一挙に噴出してきたというような状況がありますけれども、どれをとっても非常な焦りの中でやらざるをえないというところがあるんじゃないかと。もう一つは、前倒しの問題にしても、事故を逆手に取ってという形にあるんですけれども、つい先日も尻もちをつくという事故があった形で、これは大きな報道にならなかったわけですけれども、これは大惨事を招きかねない。
そういう状況があったわけで、そういう中で第3の誘導路建設。これを見てもね、東側に作って今供用を開始するという誘導路、これもね2か所も信号があって待たなきゃしょうがない。まあ、作っても使えない誘導路ということがあってね、第3の誘導路を作らざるを得ない。これを含めてそうですけれど、呆れてしまうようなやり方を模索してやっていくわけですね。
今日出た「ヘの字解消なんだ」と言ってるわけですけれど、これは「ヘの字」解消にならんですよ。これは一坪だけの話しだけであって、そこには市東さんの畑もあるし、これは解消に絶対にならんわけですよ。それでも、こういう形で、完全空港なんだ、あるいはちゃんとした空港になるんだという形で言わざるを得ないということがあるんですが、今日の千葉日報でもね、「異形の空港なんだ」と、成田は。二本目の滑走路もどんどん北の方へ、はるか彼方へ持って行っちゃうわけでしょう。「平行滑走路」が平行じゃない。そこへ誘導路がない。誘導路を作るとまた十分じゃない。また新たに作らざるを得ない。そういう状況がある。
羽田との絡み合いの問題もある。先にも言いましたけれど、もう一つは事故ですよ。これはまた絶対におきます。ウインドシアの問題。成田と関西と中部で、気象庁の観測部からデーターを取り寄せましたけれど、圧倒的に成田が多いんですよ。1年間で22日間発生している。中部では6日しかないですね。関西でも9日。とりわけ、3月、4月では4日、5日。1週間に1度は発生している。これは日にちだけであって、1日の中で何回も起きる。前々回の裁判の中で葉山さんが言ってましたけれど、08年度の成田空港では380回以上のウインドシアの発生があった。そういう発生の中で事故が発生している。彼らは何と言っているかといったら「徹底的な事故解明だ」と。「解明したってしょうがないんだ」といったら、今度は何言ったかというと「パイロットの技術的な弱さで起こったんだ」というようなことを吹聴している。JRなんかでもそうですが、みんな現場の責任。それじゃあ解決できない。しかも回数を増やしていく。そして航空法違反の状態でどんどんやっていかなきゃあならん。
そういう中で、こんど、部落に言ってきましたけれど、ついに神社の立木(6本)が航空法違反になりました。高さ制限を超えました。切ってもらえないかと(拍手)、言ってきました。この日を待ってたんですけれども(笑い)、だったら2500メートルに延ばすんだったら引っ込めりゃあいい。
市東さんがあそこに住み、そして営農を続けていく。そして東峰の住民が南側を押さえていく。そしてあの地で全国集会をやり、時には現地闘争を闘いぬく。そういう構図を堅持し抜き、もっともっとその輪を広げていく。闘いを広げていったら絶対につぶせますよ。そういう意味で、今の暫定を否定しちゃう。そして一気に追い詰めていく。
株の上場、上場といってね、株式会社にしてね、今にもでもやろうとして、今だかってできないでしょう。まあ、今の不況ということもありますが、こんな状況でできっこないですよ。ましてや反対運動が強い、こういう風にあったら、買う人いなくなるんですよ。そんな中で、空港の完成なんて出来得ないですよ。
そういう中で、市東さんの裁判は、前回の農地法の問題が出ました。不在者地主の問題が出ました。つい先日農地法の改悪が今国会を通過して改悪されたことについて、われわれは勉強会をしました。あの問題は大きな問題ですね。耕作者と権利が分けられて、実際に農民が農地を取り上げられる。そういう構造の中にたたきこまれているわけですよ。65歳以上が圧倒的に占めている。そういう構造を今まで政府は、支配者は作ってきたわけですよ。あと10年後には農民は自然に淘汰される。そういう構図の中では、食糧自給率なんて関係ないんですよ。そういう形で、日本の農民は農民としては崩壊する。農地は、法改正の名の下に、農民が持ってれば税金が高くなる、相続税は高くなる。売ればそこからも取られる。そういう形でほとんど手放さざるを得ないような状況を作っていく。
そういう中で農地死守の闘いというのは、今農地を持った農民階層を含めた時勢にあった闘いの方向だと思う。そういう中で、闘いの主人公である労働者と共に、闘いを一緒になって作っていく、そういう構造を大きく、大胆に展開していく。それが今の三里塚闘争じゃないのか。その最先端に市東さんの闘いがある。それは名目は市東さんの闘いだけれど、大きくは全国の農民の闘いであるし、そのことが労働者の闘いとしてそこに存在しているということを捉えていただいて、三里塚闘争の勝利を確信して闘い抜いていきたい。その一つの具体的闘いとして本日あったんだということをとらえていただきたいと思います。
ほんとうに御苦労さまでした。これからも闘いがありますが、この一つ一つの闘いで、奴らを追い詰めて、追い詰めていこう。確かに奴らの土俵です。裁判官の結論は出てるかもしれない。しかし、結論が出てても、彼の顔色を変えさせ、早く早く公判廷を切り上げたい切り上げたいという衝動を持たせて、三里塚の闘い、三里塚の裁判所にして闘いを展開していきたい。以上です。
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