« 9条改憲を許さない5・3共同行動 | トップページ | 明日から神戸で三里塚写真展&野菜市 »

2009年5月 7日 (木)

今、何が起こっているのか

09314  去る3月14日、海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」(写真左)と「さざなみ」が呉を出港し、ソマリア沖のアデン湾での「警備活動」を行っている(写真は、朝日新聞より。3月14日の呉港で)。

 そして航空自衛隊のP3C哨戒機のこの海域への出動が準備されている。

 先日の朝日新聞の「オピニオン」欄に、伊勢崎賢治さんの「憲法9条は日本人にはもったいない」と題する対談が掲載された。そこに「イラク派遣はもちろん、インド洋沖の給油活動も違憲だと考えます。ただし実質的には戦争への協力ですが一応は『世界益』を装っている。ソマリア派遣に比べればまだまし」「今回の9条の根幹に挑戦する国益を掲げた海外派兵に、彼ら(護憲派)の批判精神が反応しません。日本人を助けるためだったらしょうがないと考えるのだったら、もう護憲運動は崩壊してしまいます」と語っている。「世界益」には異論があるものの、全体として一考に値すると思った。

 さらに、4月28日には、地元関係自治体へも何の通告もなく迎撃ミサイルPAPhoto C3が、滋賀県饗庭野にある航空自衛隊第4高射群第12高射隊に配備が強行された。先日の朝鮮民主主義人民共和国によるロケット(人工衛星)発射実験に対して、自衛隊が実戦体制がとられ、その中で首都と東北に配備された迎撃ミサイルだ(右写真。防衛省ホームページより)。

 軍事機密として正確なPAC3の能力などについては殆ど明らかにはなっていないが、射程距離はわずか10数キロから20キロ程度しかないと言われる。そうすれば万一ロケットに命中すれば、双方の残骸が半径数10キロの範囲にわたって散らばって落ちることが容易に予想される。そうすれば、市街地でなくとも住民の生命財産に甚大な被害が予想される。にもかかわらず、そうした情報は全く知らされないまま、「ミサイル」キャンペーンと戦争発動が行われた。軍隊は、戦争をするためのもので、人殺しの訓練はしているが、住民の安全を守る観点も準備もないということが言われてきたが、はしなくもそのことが明らかになった事態と言えるだろう。しかも、現在、PAC3は、三菱重工によってライセンス生産され、1発がなんと8億円。住民の生命財産を犠牲にして軍需産業が大儲けするということなのだ。

 こうしたことがどんどん行われる一方で、米軍再編が、辺野古や岩国の住民の生活と環境を破壊して推し進められようとしている。そして、他方では海賊対処法が国会で強行採決され(4月23日衆議院)、世界のどこへでも日本の軍隊が武装してでかけることが憲法9条を踏みつぶして可能となろうとしている。そして国民投票法による改憲攻撃が、憲法審査会の成立によって行われようとしている。

 朝鮮半島有事を想定した日米共同作戦計画5055が昨年、米軍再編の中の具体的部分を担うものとして策定が終わったと言われている。すでに先述した朝鮮のロケット発射に対する日米両軍の実戦態勢に見られるように、朝鮮半島を戦場とする体制が、着々と整備されている。在韓米軍の縮小と、米軍グアム基地の拡大強化もその一端である。しかも、それを60億円もの日本の税金を投入して全面的に支えるための「グアム協定」が先日4月14日に衆議院で議決が強行された。

 日米共同作戦計画5055は、2008年に全面的な見直しが行われたとは言われるが、イラク戦争と同様、約50万から70万の米軍が、関連する膨大な物Photo_2 資や装備とともにアメリカ本土から一気に成田空港に降り立ち、瞬時のうちに日本全国の民間の空港、港湾を用いて配置されていく作戦計画だ。先の朝鮮戦争で重要な役割をすでにになった実績を持つ神戸港を中心とした関西圏が、関西空港の巨大化(2期滑走路)によって、その重要な分担をすることも明らかにされている。饗庭野へのPAC3配備は、正にこのことを念頭に置いて強行されたのだ。新たに1兆数千億円もの巨費を投じて関西空港に2本目の滑走路を建設する必要性など、現状の関西空港の経営破たんを見るまでもなくだれの目にもないことは明らかだった。ただただ、この米軍再編の中での日米共同作戦計画5055の整備の上で必要であったにすぎない。そして神戸空港と大阪空港が整備されたことによって、日米両軍の専用空港としての関西空港の機能が可能となったのだ。また、大阪港、神戸港を「阪神港」として国によって一体運用することが昨年から始まったが、これもまた、兵站拠点としての神戸港を中心とした大阪湾全体の軍事的機能の強化を目指したものであることは明らか。

 私たちは、こうした具体的にすでに始まっている米軍再編を基軸とする戦争体制構築に対して、大阪湾を取り囲む、いや近畿全体の、そして全国の労働者、市民の広範な闘いを作っていかなければならない。三里塚とともに、沖縄とともに、岩国、横須賀、厚木など全国の反戦・反基地を闘う人々とともに、関西空港の軍事使用を認めない闘いを軸としつつ、起ちあがろう!

|

« 9条改憲を許さない5・3共同行動 | トップページ | 明日から神戸で三里塚写真展&野菜市 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

日中戦争の切り口は、馬族からの邦人保護で、麻生侵略内閣は、海賊ですか!?笑い話にも、ならないですね!

投稿: とん吉 | 2009年5月 7日 (木) 18時58分

本当に腹立たしい事態です。闘う側の弱さを無視してとやかく言えませんが、権力者のやってきていることは異常に凄まじく思います。
働かない頭で、さしあたって早急に、辺野古への基地建設を狙ったアセスへの意見書をまとめているところです。
あ〜頭が働かない!歯がゆい!

投稿: でっかいちゃん | 2009年5月 7日 (木) 23時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 9条改憲を許さない5・3共同行動 | トップページ | 明日から神戸で三里塚写真展&野菜市 »