3・29三里塚全国集会① 特別報告・永井満関実代表
ご紹介をいただきました、関西の住民を代表しまして、結集されました皆様に一言ご挨拶を申し上げます。
私たちは、これはもう30年来続けておりますことですけれども、現地で集会を持たれます時には必ず関西で、前段的な集会を開催してまいりました。今年も、さる3月15日、大阪中央会館におきまして185名を結集してその集会をいたしました。これは、しかし従来のいわゆる身内の総決起集会ということに止まらないで、この3・29にむけて、否、三里塚闘争そのものがもっと拡大していくための闘いとして、この集会をやろうと私たちは固く決意いたしました。
思えば、この三里塚の闘い、ただ今の委員長のお話にもありましたけれど、動労千葉との固い共闘の中で築き上げられ闘い抜かれてきたその闘いの様子を私たちもつぶさに見てきましたし、時には一緒になって闘ってこれた、そういう ことを思い起こします。
そして、今、ここ2~3年でしょうか、特に先ほどの基調報告にも出てきましたけれど、この三里塚の闘いが、三里塚の農民の土地を守る闘いだけにはとどまらない闘いである。日本農民を守る闘い、日本農業を守る闘いであるという風に今、大きく闘われようとしている。そのために反対同盟も非常な努力をしておられます。今、日本農業がどういう方向に行きつつある、否、支配者たちによってむしろ農業がほんとうに農民の手から資本の手に移されるような攻撃が加えられていて、ですから三里塚農民の土地を守る闘いは、単に三里塚農民の闘いだけではなくて、日本農民全体の闘いである。300万戸の農民をわずか14万戸に切りちじめて、しかもそれを資本の手に売り渡すような攻撃であることにに断固として反対する闘いであるということを反対同盟は掲げて、全国の農民の方々と共に闘うという姿勢をはっきりとさせ、しかもそれが市東さんの農地を守る運動という形で今、拡大しつつあると思います。私たちも、全面的に市東さんの闘いを支え、もし権力が市東さんの土地に手をつけるというようなことがあるならば、ほんとにかってのあの第1次、第2次代執行の時のような決意を打ち固めて、体を張って闘うんだということを決意しております。
そしてもう1点のことを思いました。それはかって「全人民共闘」ということがありました。それは、具体的に言えば、砂川闘争を闘い抜いた宮岡さん、そして 北富士闘争を闘いました忍草母の会、そういった方々、さらには佐世保、その他、全国で闘う住民、市民の闘いを一緒に闘っていこう、三里塚とともに全国のそういう市民、住民の運動を連帯して闘おうという運動でした。「全人民共闘」という名前がつけられて、東京の野外音楽堂で集会をやりました。しかし、残念なことに、宮岡さんがその後まもなく病をえて亡くなられました。いろんなことがありまして、それは中途で途切れたような状況になっておったわけです。
私は思いますのに、今、米軍再編ということが言われて、再編という名前で実質この日本を、ほんとに恒久的なアメリカ軍の基地に作り替えてしまうという変容が進もうとしているそういう中にあって、また来年はあの憲法を変えようという国民投票法がいよいよ実施されるという時、そして、今の状況で先ほどお話もありました、「北朝鮮のミサイル発射」ということを口実にしたPACⅢの配備といったそんなことが言われて、それを聞いている国民の方も「北朝鮮が無茶をやるから、防衛のためにそういうものを配備するのは仕方がない」というような受け止め方が大部分ではないかと思うんですけれども、思い起こせば、かって30年、40年も前、私たちの関西でもナイキというミサイルを配備しようということがあって私たちも現地の人と一緒に全力でそれを反対してそれを撤回させたということがあったのを思い起こしますけれども、そのころ、この三里塚現地にまいりますと、「反戦平和の砦・三里塚」という大きな横断幕というか縦の幕が掲げられていました。そして、こここそ、ほんとに「二度と戦争をしてはいけない」、戦争を阻止するための、軍事基地づくりを阻止する実力の闘いがここにあるんだということを反対同盟は高らかに宣言し、参加する私たちもみんなそのことを深く決意したものであります。
今、そのことを思い起こしながら、その米軍再編ということが言われ、憲法がないがしろにされ、次々と事実上の出兵が繰り返されるという時代の中にあって、それを何としても阻止していく力、その闘いがもう一度この三里塚から始まらなければならないという思いを強くいたします。そのために、私たち住民は、反対同盟を先頭にして全国で同じ志を持つ人々とともに「反戦平和の砦・三里塚」、米軍の大動員の拠点となろうとしているその成田空港を絶対にそうさせないための闘いを広く呼び掛けて、そういう闘いを作っていこうとこう思います。
そしてその米軍再編のいわば最も渦中にあります沖縄の方々ともいろいろと相談をし、ともに闘おうということを呼びかけさせていただきました。それが3月15日の集会で、現地からあの日の丸焼き捨ての闘いをし、その後も反戦地主として闘い抜いておられる知花さん、今日も見えておられます、に来ていただきました。そしてご存じの方も多いと思いますが、米軍再編の波をまともにかぶっておられる山口県・岩国の市民団体「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」代表で、反戦の闘いの先頭に立っておられる大川さんをお招きして、その闘いをつぶさに聞きました。それに、闘い抜いておられるその姿に私は感動を覚えました。
そして、 関西新空港もまたその最初から軍事空港を意図されていたということは確かです。あの田中角栄が、「関空が軍事空港として作られることを認めれば明日にもできるんだ」ということを宣言していたことがあります。私たちも、淡路国際空港、40年前の闘いの時から「淡路をそうした軍事基地にするな」という闘いをやってきました。「こんな平和な時代に軍事空港とか、基地とかそんなことを言うのは何かためにする運動じゃないのか」というようなことをさんざん言われましたけれども、「そうじゃない。私たちは、この郷土から滑走路が4本もある基地から、軍事基地としてアジアへ爆撃機が飛びだして行くことを許さない」、あるいは、「自分たちの郷土が標的になることも許さない」という闘いを始めました。だから関西新空港も、闘いの一番初めは軍事空港反対なのです。単なる環境を守るという運動ではありませんでした。そんなことを思い出しながら、今、関西国際空港の現状を見ますと、一昨年8月に2本目の滑走路を作らせてしまったんですけれども、4000メートル、いまだにその空港からは、まあ1機もとは言いませんけれども、その新しい4000メートル滑走路からは飛行機はほとんど飛び立っていません。ぺんぺん草が生え、たくさんの海鳥がたむろしているという状況です。そういう滑走路を、かたや1兆数千億円の借金を抱えながら、さらに1兆円以上のカネをかけてなぜ作ったのか。今も飛行機がほとんど飛んでない滑走路は何のためなのか。その空港に行く橋があります。今まで関空のものでした。昨年でしたか国がそれを国有化しました。何のためでしょうか。あの関空というのは海上軍事要塞です。私たちはこのことをずっと叫び続けてきました。
大阪の岸知事と会ったときにもこのことを言いました。そうすると彼は「このもっとも民主的に作られた平和空港を軍事空港などと言いなす奴はためにするものだ。出て行け」と言ったんですよ。けれども私は、彼に会って「頭をそって土下座してあやまれ」と言いたい。ほんとに今、この状態の日本の中で北朝鮮との戦闘に備えた米軍の計画5055ですか、そういう中に(関空は)組み込まれているでしょう。ましてやこの成田、ここの空港が、今やだれの目にももはやハブ空港ではない、あるいは羽田に中心がどんどん移っていってる、向こうは滑走路を5本も作ろうとしているんでしょう。むこうがどんどん中心になろうという時に、なんでここを1.5倍の、30万機を飛ばし、2500メートル滑走路を、いや4000メートル滑走路を作るんですか。これはもう、はっきりしている。ですから私たちは、あの最初に帰って、原点に立ちかえって、絶対にここを軍事空港にさせないという闘いを全国に呼びかけたいと思うわけです。そしてそれを旗印でもってもっと多くの人たちを、関西でも、いろんな闘いの人たちを三里塚に結集するように頑張らんといかんと思っています。
幸い沖縄の方からも、これから一緒に三里塚をやろうという、今日、そういうお話しをいただけると思っております。また山口で米軍再編の波をもろにかぶって、住民を騙して、住民投票までしたのにそれを騙して、卑劣なやり方で補助金までカットして、そしてカネでほっぺたをひっぱたくやり方で、ついに基地延長、さらに住民にとってかけがえのない山を米軍住宅にするというような攻撃をやられています。そういう中で住民が立ち上がっています。そういう方々ともこれか ら一緒にやりましょうと、三里塚と一緒にやりましょうと、集会で固く握手をしたんですよ。だから、私たち、労働者の方々の力強い決意の表明を今聞きました。心から拍手を送りますけれども、私たちは私たち住民として、ほんとに市民として、多くの市民に語りかけ、呼びかけ、平和のために、反戦平和のために、二度と戦争をさせないために私たちは三里塚を闘っていきたいと思います。えらく長くなって申し訳ないんですけれども、これからこういう闘いを反対同盟とともに力を合わせてやっていきたいと思っておりますので、皆さんの力強いご支援、ご賛同をいただきたいたいと思っております。どうもありがとうございました。
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