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2009年4月 7日 (火)

3・29三里塚全国集会⑤ 沖縄からの報告・知花昌一さん

09329   【写真は、3・29当日の朝、北原さん宅での交流会で、挨拶される知花さん(右端)】

 紹介された知花です。「日の丸」焼却闘争、そして「象の檻」の奪還闘争。この際には、皆さんの絶大なるご支援をいただきまして闘い抜き、そして「日の丸」も勝利的な闘いをやり抜きました。そして「象の檻」に対しても、完全に基地を撤去させ、跡地を更地にして跡地利用に向かっています。勝利をいたしました。そして、そのあおりで、今、読谷飛行場、70万坪の飛行場が、一昨年取り返すことになりました。この読谷飛行場、70万坪は、戦前、日本軍によって国家総動員法によって分捕られたところです。それを、米軍が押さえ、さらに沖縄返還と同時に日本政府にそのまま引き渡した。所有権が奪い取られたままでした。そ09329_2 れを、私たちは50年間にわたって、闘い、たたかい、あるいはパラシュート訓練闘争を実力で闘い抜きながら、返還運動を継続してきました。そして一昨年、70万坪が私たちの手に入ったわけです。その闘いも多くのみなさんのご支持とご支援で闘い抜いた結果であります。これを報告します。

 そして、昨日はこの近くのホテルの8階に泊まりました。8階の上の方からこの飛行場を見ました時に、この飛行場が、欠陥だらけのものであるということが如実にわかりました。滑走路のまん中に、鉄板で囲われた緑の敷地があります。そして誘導路が、市東さんの土地のところで曲がっている。上から見ると、ほんとになんでこんな飛行場で通用するんかなと思うぐらいのところです。かろうじて飛行機が飛んでいるものの、国際的信頼をなくしている。この前の事故もそうです。そういったものからするとこの三里塚空港は、もう破綻している。こういうものだと思います。43年間、反対同盟のみなさんや、支援のみなさんが闘い抜いてきた結果、この権力の圧倒的な力で、自ら作った法をも無視してまでもやり抜いたこの空港が、今の状態で破たん状態。この闘い、これまで闘い抜いた三里塚の同盟のみなさんの闘いを、沖縄にも持っていきたい。そう思います。

 去年10月に盛康さんが来ました。沖縄の一人として挨拶をしたはずです。今日は、私が来ました。今、辺野古に新しい基地を作ろうという目論見があります。高江でもヘリパッドを作ろうとしています。いわゆる米軍再編です。米軍再編というのは、「日米同盟、未来への変革」という言い方を彼らはしています。権力側からしても、変革ということを謳っているわけです。今のままでは、彼らの目論む戦争はできないと。さらに、軍事基地を再編をして、日米同盟を変革をして戦争ができる体制にもっていく。これが米軍再編です。その中心的なものが、岩国であるし、そして辺野古です。いわゆる海兵隊の基地を出撃基地として強化をし、そして嘉手納以南の陸軍関係の基地をグアムに移転する。そしてその間を、自衛隊が肩代わりをして、日米一緒に戦争ができる体制を作っていく。そして、グアムから飛行機で約1時間、何か有事のときにはすぐ動員できる。そしてグアムの基地の整備を、ほとんど私たちの税金から出していく。こういったことがなされようとしているわけです。

 Photo 私たちは、辺野古(下写真は、新基地予定地の米軍キャンプシュワブがある辺野古崎・朝日新聞より)で精いっぱい闘い抜きました。特に、ボーリング調査を阻止し、やぐらを占拠し、夜までかけて一日中やぐらに入り、防衛施設庁との、あるいは作業員との肉弾戦をしながら、阻止闘争をして勝ち抜きました。そして・・・・・ています。しかし、彼らも諦めていません。新しく場所を変えて、そして埋め立てをして、基地を作ろうということで、今、環境調査をしてます。その環境調査もちゃんとやれば、認められないことです。ジュゴンがおり、そしていろんな希少動物がたくさんいます。こういうのがあり、そして環境調査をまともにし、そしてそれを守るなら、基地は作れません。だけど、グアム協定。グアム協定というのは、国際協定になるわけです。日本の法律よりも上にあるという認識が、今の司法の見方です。そうすると、グアム協定、米軍再編を遂行するために、日本の憲法や法律を一切飛び越して行くということが言われています。このまま、グアム協定をただ、私たち日本政府がアメリカのために金を出すということだけではなくて、日本に米軍の基地を作るには日本の国内法が通用しないというような状態です。こういった状態、この辺野古を作らせてしまうと、岩国と一緒になって米軍再編がほとんど完成する状態になるわけです。新しい米軍の変革。いわゆるアジア戦争です。北朝鮮を軸とした、中国をも見据えた戦が、この日本を含めてなされていく。こういう体制をつくろうとしているわけです。この辺野古に対しては是非阻止せんといかんと思います。

 その阻止する力は、その方法はどこなのかと言うと、43年も闘い抜き、空港を阻止してきた三里塚の闘い、これこそが、米軍再編、辺野古の飛行場を止める、そういうような私たちの戦術になって行くと私たちは思っています。これから、沖縄の闘いも厳しくなります。その時には、三里塚の闘いを私たちは学びたい。三里塚のこの現地にも、これからもずっと来たいと思うし、また三里塚を闘っている人たち、同盟の方々も沖縄に来て多くの人たちに話しをしてほしいと思っています。そうした意味でも、広がりを作って、ほんとに全人民的な包囲の中で闘いを組んでいく。この空港を廃港にしていく。辺野古を勝ち抜いていく。そういう陣形が作れたらと思っています。

 私たちは、譲れるものと譲れないものがあると思います。私たちは、一人ひと09329_3 りの生活や生き様から言っても、多くの人が、いろんな形で譲り合いながら生きてきたでしょう。しかし、譲れないもの、私たちには絶対に譲れないものがあります。それは命に関わることです。今、労働者が仕事を追われる、仕事を取られていく、会社から追い出されていく、これは生きられなくなるのです。そして農民が農地を奪われていく。生きられなくなります。こういうときは、ほんとに譲れない。そういう闘いを私たちは組む必要があります。これまで三里塚は、組んできました。確かに大きな力によって、徐々に徐々に今の状態になっています。でも、今、この43年間闘ってきた成果を、私たちももう一回問い直し、共有化し、各地方で、沖縄で、生かしていきたい。これは、私たちのいつも言ってきていることです。徹底した抵抗闘争を通して勝利するんだということです。

 昨日から来て、非常に寒い状況です。でも、この寒さをみなさんの熱い思いの中で引き取りながら、ぜひ、沖縄で三里塚と連帯する闘い、そしてそれを通した沖縄の勝利を撃ちぬくために、一歩一歩闘っていきたいと思います。みなさんのこれからの限りないご支援と、共に闘う決意をこめて挨拶とします。

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