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2009年3月22日 (日)

3・15 講演とパネルの集い⑤ 特別報告1 知花昌一さん

09315  寒いから厚着して来いと言われたんですが、そんなもんじゃなくてあったかいなと思っています。

 2月に沖縄で薩摩侵略400年、琉球処分130年、今年になります。これを考える沖縄集会が開かれました。200数十名が集まっています。独立派を唱える人たち、市民運動をやっている人たち、沖縄の錚々たる人々がそろって集会ができました。いわゆる沖縄と日本との関係を問うということです。これがずっと沖縄の底を流れているんです。マグマのように流れていると言ってもいいでしょう。それが表の方に出始めているんです。それは10年前の1995年の少女の暴行事件、あれからずっとゆっくりではあるけれど確実に沖縄独立が、琉球独立が公に言われるようになってきています。それは日本と沖縄との関係を見据えたときにはそうせざるを得ない状況が少しずつ明らかになってきたということだと思います。今日、レジメを準備しろと言われたんですができなくて、急いで新聞の切り抜きを送りました。1枚目を別にして、2枚目から4枚目まで、この3月に入ってからの沖縄で起こった09315_5 ことです。

 1枚目を見てみますと八重山石垣の港に米軍の掃海艇が強制的に寄港するということが発表されて、それに対する闘いを組もうということであります。そして、下の方には爆音訴訟の判決がありました。嘉手納爆音訴訟二次訴訟です。58億円もの賠償金ということだったんですが、差し止めが出来ませんでした。でも、騒音がひどいということを裁判所が認めてくれたんです。

 そういうことの最中に、09315_4 F22ラプターというステルス戦闘機ですが、それが頻繁に来て訓練をしていた。それが日米共同訓練を自衛隊と一緒にやるということが発表されて、それに対して抗議を行うということです。

 そしてうるま市の浜比嘉島、金城実さんの故郷ですが、そこに米軍ヘリが緊急着陸という、そういうのがあって。

 で、普天間飛行場で、タンクから3000リットルの飛行燃料が漏09315_6 れていたということが報道されていますが、今日の新聞か、昨日の新聞でしたか、普天間基地では過去16回、油漏れがあった。みんな隠している。ただ1回しか通報していないということですね。頻繁に起こっているということですね。それがあります。

 そして下の方では嘉手納町長、これは自民党系の方です。それでも、抗議をしています。これは何かと言うと、訓練が激しすぎるようになっているということで、嘉手納基地でも使用協定を結べといってるわけです。本土においては横田でも、いろんな空港でも地元と米軍との使用協定が結ばれています。ところが沖縄の飛行場では、普天間もそうですが、嘉手納もそうですが、使用協定さえない。自由に朝から晩までばんばん飛べるような状態です。最低本土並みの使用協定を結ぶべきじゃないかということで自民党系の宮城町長が、外務省に抗議している。

 次のページで、これは昨年の12月に金武町伊芸09315_7 というところで、実弾が車のナンバープレートにぶちこまれているというのがわかって、いろいろ調べたら米軍のものだとわかったんだけれど、米軍は自分たちのものではないということで言い張っているわけです。県警もですが、立証をしようとしない。それで、こういった形で抗議集会がやられています。金武町も自民党系の町長であるし、伊芸区もだいたいそうです。そうであっても、こういう、特に伊芸区に対しては何回も実弾がぶちこまれたところなんです。民家にぶちこまれたり、住宅の建築現場にぶちこまれたり、いろいろやられているところなんですが、それでも米軍は今回認めていないということで、抗議をしています。

 こういう形で、3月に入っただけでも米軍に関する怒りというか、こういうものが出ているわけです。そういう中で、だんだんだんだん日本と沖縄との関係だとか解り出して、独立だとか自決だとかいう形がどんどん私たちの足元にマグマのように広がってきているというふうに私は思っています。

 私たちは1972年に日本になったわけです。その時に、アメリカの屈辱的支配をのがれて平和憲法へ行こうと、いっぱい運動もしましたが、結果的には平和憲法の下に行ったのではなくって、結果的には日米安保軍事同盟の下に入ってしまったというような状況になったんじゃないかと思っています。今、さらに米軍再編という形で、ご存じのように辺野古に新しい基地を作ると、そして高江という、ヤンバルなんですが、高江の村を取りまく形でヘリパッドを作る、6つ作るということで、やっています。それに対する闘いを今組まれて、必死になって闘い抜かれています。辺野古に関しては、今、海上では、環境アセスも調査がやられているということでいわれています。それとキャンプシュワブの中では工事のためのヤード、工事現場の仕事場を作るという形で平地均しをしたり、赤土の汚染がはじまってるんですが、こういう形で力が弱いもんですから阻止することができなくて、着々と進められているという状況にはあります。まあ、こういうことで闘いが組まれているということです。

 米軍再編ということですが、米軍再編というのは彼らがどういうことを言ってい09315_8 るかご存じだと思いますが「日米同盟、未来への変革」ということを言っています。日本とアメリカが、将来にわたる新しい軍事同盟を作っていこうということが、日米再編だと言われています。これが今、とんでもない状態で進められようとしています。特にグアム協定というのがあります。川瀬さんという大学教授が財政面から判断しているんですが(右新聞)。内容に関してはご存じだと思います。日本とアメリカの再編協議の中で、海兵隊を約7千名グアムに移転する。そして嘉手納基地の以南の基地を撤去してグアムに持って行く。その費用7千億円の費用を日本政府が負担するというのがグアム協定です。でも、この「協定」となっています。普通、外国との約束は、条約と言う形になります。日米安保条約とか。もちろん条約は、国内法よりも上位に位置する判断を司法、裁判所はしています。ですから私たちは、いつも反戦地主で土地の闘い、軍用地返還運動をやっている時にいつもネックになるのが日米安保条約です。それで闘うんですが、裁判をするといつも負けてます。国際条約の方が日本の国内法よりも上にあるというのが日本の司法の判断です。このグアム協定、条約ではなく協定という形にされています。でも、実体的には条約と同じ扱いになるということです。約束です。そういった意味では、たとえばグアム協定は辺野古の建設とリンクする、一緒だと言われています。沖縄返還ロードマップというのがあって、嘉手納から以南のアメリカの基地は返すけれども、辺野古に新しい基地を作ってそこに集中するというのが、日米で取り決めているものです。それが一体になってるんです。辺野古の基地をOKしないと、移転もしないという状況になるわけです。そうするとどういう状態かというと、この協定自体も国内法より上位に位置する、あるんじゃないかと言われています。今、辺野古に新しい基地を作ろうとやってるんですが、必死になって止めています。でも、辺野古の基地を作る時に、公有水面埋め立ての許可は県が出します。環境アセスメントなども県がチェックします。こういったのがみんなふっとんでも、やらなくても、国際条約を阻止するという中で、その必要性に対してはこういうのはもう取っ払ってもいいというような形で進められるんじゃないかという風に言われています。県の権限ということ自体が形骸化するという状態にあるのじゃないかということが危惧されています。もちろん、今、辻元清美さんなんかが国会でやってるんですが、国内法を順守するものだということは言ってはいます。しかし、実体的には協定というのは国内法の上に存在するという状況にあると言われています。そういった意味では非常にとんでもないことが行われようとしているわけです。ただ単に日本人の私たちが7千億円の負担をするということだけじゃなくって、そういう基地建設と一体になったグアム協定であるということなんですね。それを知っていただきたいと思います。沖縄に対しても、グアム協定も沖縄の負担だけだからそんなに問題じゃないのじゃないかという形であまり大きな運動は起こっていません。残念ながら。でも、実体はそうだということをですね、認識しないといけないのじゃないかと思います。

 これにもありますように、米軍再編の資金。確かに僕も理解をしてわかるんですが、だいたい政府の予算も単年度予算なんです。ところが、長期にわたって年度を越して、何年間にわたって約束をする時に、債務負担行為というのがあります。米軍再編に関しても債務負担的なものが約束されているという風にここに書かれています。いくらですかね。それが1兆6900億円くらいの金が年度を越して支出することが約束されている。日本の軍事予算総額の35%も占めていると書かれています。そういう状況で、米軍との日本の一体化というかね、アメリカに対してはなにがんでも言うことを全部聞いていくということがなされているわけです。金もないない、負債もあって借金も大変だといいながら、米軍にだけはこのように湯水の如くつぎこんでいるというのがグアム協定です。しかも映画館や娯楽施設まで私たちの税金からグアムに作る予定をしているんですが、お金を出す、言うことですね。こういうことがグアム協定の中でやられています。民主党の方はグアム協定に反対すると言ってますが、どうなるかわかりません。こういう状態で米軍再編は作られています。 (明日に続く)

 

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