3・15 講演とパネルの集い⑨ パネルから大川清さん(その2)
住民投票のあった2006年の12月には、先ほど知花さんがおっしゃってくださいましたけれども、建設中の市庁舎への補助金全面カットするというんです。それを聞いた時には、怒りで体が震えました。ゴルフ接待を何回もやって捕まった守屋のやり口でしたけれども、本当に許せない思いでした。今、いろんな教育の現場で、いろんなところでいじめの問題が深刻化していますよね。国あげてとりくんでるところですよね。でも、補助金カットというのは基地の町に対するいじめ以外の何物でもない、そんなふうに思いました。国がこんなにもあからさまにすでに約束されていた補助金を、あからさまに約束をやぶっていいものだろうか、嘘をついていいものだろうか、本当にはらわたが煮えくり返る思いがいたしました。こんなことをまかり通らせては、ほんとにこれから岩国はどんどんどんどん圧力で痛みを押し付けられてくる、そんな風に思いました。本来なら、そこで市長、議会、市民こぞってこんなひどいやり方をする国に、文句を言うて行くのが当たり前だと思います。ところがやはり保守王国の山口県の岩国ですから、議会が「市長が反対するからだ」と言って市長を問責するんですね。容認派の議員たちに先導されて、問責決議が通ってしまうんです。街頭で訴えかける私たちにも「お前たちが反対するから、ほら、こんなことになった」。町がだんだんと分断されていくんですね。
時をおなじくして再編交付金、先ほど知花さんが言われましたが、岩国市の周りの町には配られるんです。当の一番被害の大きい岩国市だけそれを受けられない。周りの町はそれでどんどんどんどんいいことをしていくんですね。小学校までの医療費をタダにするとかそういう風に使うわけです。岩国市だけがおいてけぼりになる。そういうことで、ほんとに大変な思いをいたしました。
でも、ここでくじけてしまったら、これからどんどん痛みを押し付けられてしまう町になってしまうということで、私たちは一生懸命声を上げましたけれども、議会はその年、2007年ですけれども、5回、一般予算を否決するんです。一般予算を否決するということは、公共工事とか滞るんですね。ですから市民に多大な迷惑がかかってしまうわけです。最後に12月議会で、井原さんが、私は一番前で傍聴していましたからはっきり覚えていますが、前の市長の井原さんが、自分の首に手を当てて「私の首と引き換えに、市民生活にとって大事なこの一般予算だけは通してくれ」ということで辞任されたのです。出直し選挙が、2008年の2月に行われましたけれども、この時のやり方というのもほんとに凄まじい、国総がかりの選挙です。国総がかりというか、国とアメリカ総がかりなんですよね。選挙の間は米軍機も静かでした。そういう風に米軍に要請するんですね。井原さんになると、何がなくなる、かにがなくなる、そういうことがずっと言われて、容認派の候補が通ると、生活給付金じゃないですけれど、一人2万円もらえると実しやかにひろまって、実際選挙が終わった後に市役所に、2万円もらえるという話しを聞いて「うちは5人家族です。10万円もらえるはずですが、どういう手続きをすればいいんでしょうか」と言いに行った人もいるくらいで、本当に、ありとあらゆることが行われた選挙でしたが、一つ一つ申しませんけれども、一つだけ、お金で票が左右されるというのは選挙違反だと思うのですね。僕は今回の選挙は、国が公然とそれをやってきたと思うんです。だって、井原さんに投票すると35億は出さない。でも容認候補の福田に投票すると35億は出すよというやり方です。で、実際、福田が通ったとたんに手のひらを返したように35億を出したわけです。こんなことが許されてなるものかと思いましたし、選挙の日というのは、腰が砕けるというのはああいうことかなと思ったんですが、座り込んだまま立てない状態だったですね。みんなで一晩泣き明かしましたけれども、でも、こんな醜いやり方に負けてしまったら、それこそ岩国に未来はなくなるとそんな風に思いました。沖縄から電話をくださって、沖縄の名護もやっぱり同じ状況 だったんですね。「市民投票で勝利して、そのあと市長選で敗れて、そして岩国とまったく同じ状況だったけれども、それから10数年新しい基地を建設するための杭は1本も打たしていない。大川さん、闘いはこれからですよ」そんな風に電話して下さったんです。その言葉にすごく励まされました。基地の町が分断されるんじゃなくって、こんな風に手をとりあって行けれる。そのことに僕はすごく希望を見出しました。
そうですね、沖合移設と愛宕山のことをちょっとお話ししたいと思います。そもそも沖合い移設というのは、今ある滑走路から、騒音対策、安全対策のために海を埋め立てて1キロ、滑走路を海側に出そうというのが沖合移設なのです。そのための土砂を愛宕山という山を半分に削って土砂を持ってくるというのが愛宕山開発なんですね。そもそも安全対策、騒音対策であったものが、蓋を開けて完成してみれば、そこに倍の戦闘機が来るという。市民はまんまと騙されたわけですよね。そんなこと許されるはずないですよね。愛宕山開発にしても、私は京都の出身ですが、愛宕山というのは火の神様でね、信仰の山です。岩国にあっては、町の中心にあって市民の憩いの山だったんですね。鎮守の森の映画がありますけれども、ほんとに市民の憩いの場だったんです。そこを病院ができるだとか、学校ができるだとか、福祉施設ができるだとか、あるいは店ができてよりよい、住みよい地域になるんだ。埋め立ての騒音対策になるんだとそんな風に言われて、泣く泣くその山の地権者たちは土地を売ったわけです。それが、蓋を開けてみれば、「バブルもはじけて住宅地として売れる見込みもないから国に買ってもらって米軍住宅にする」っていうんです。滅茶苦茶ですよね。ここまで岩国市民を馬鹿にした話があるかと思います。始めから画策されていたことですよね。僕は、始から画策されていたことだと思います。
私たち市民のほんとの心からの願いっていうのは、爆音に苦しめられずに、犯罪におびやかされずに、ほんとに安心して暮らせる町が、市民の心からの願 いです。でも、議会や一部の人たちは、振興策を国から引っ張ってこようとか、そういうことでしかないわけですが、でも、安心や、安全をなくして振興策なんてないと思うんです。市民が安心して暮らせる、それこそが一番の町の振興ということじゃないでしょうか。僕は、そんな風に思います。容認派の市長が、市長になった時に、私たちは公開の質問状をだしました。その時市長は「市民の安心・安全が確保されない限り、自分は移転は容認しない」と明言したんですね。僕は、移転、つまり艦載機がくることと安心・安全ということはまったく対立することだと思っています。だって、彼らというのは基地の中で、人助けの訓練をしてるわけじゃないですよね。戦争のための人殺しの訓練をしているわけです。そういう米兵が町にあふれることを、私たちは決して許してはならないとそんな風に思っています。戦闘機だって安全に飛ぶ訓練をしているわけじゃないですよね。ほんとに、絶えず戦闘状態を想定した危険極まりない訓練を日常的にしているわけです。そういう戦闘機が倍以上になるなんてほんとに考えられないことです。そんなことで、私たち市民も、ほんとに諦めなければ、必ずこのことはできない。そういうことで、今、これまで以上に市民が連帯して頑張っています。愛宕山の署名に至っては、当初5万人を目標に集めていましたけれど、岩国市民だけで5万人、そして全国から寄せられたのが5万人。合計10万人の署名が集まりました。3年前の岩国では考えられなかったことですけれども、とうとう爆音裁判の提訴に向けて準備しています。今月終わりには提訴できます。原告が477人決まりました。岩国では画期的なことなんです。命だとか、町の未来だとか、平和だとか、いうことがらは、私はこれまでいろんな事をあきらめながら生きてきましたけれども、命とか、町の未来、平和だとかいうことがらは決してあきらめてはならない事柄だと思います。私たち市民がほんとにあきらめずに声を上げ続ける。権力者にとって一番怖いのは何でしょうか。一番恐ろしいのは何でしょう。圧力を加えても、加えても立ち上がる、声を上げる、そういう市民ではないでしょうか。これまで以上に連帯して、いろんな、沖縄や、三里塚や、いろんな方と連帯して声を上げ続けていきたいなと思っています。何よりも、負けた市長とは思えない井原さんが、元気に全国を駆け巡っていろんな国の横暴さを訴えかけておられますので、また井原さんの登板ということも念頭に頑張っていますので、これからもよろしくお願いいたします。
「3・15 講演とパネルの集い 米軍再編と闘う-三里塚・沖縄・岩国・関西を結ぶ」の素晴らしい講演、報告の数々を掲載してきました。起こしながら改めて感動を覚えています。3・29三里塚全国闘争が担おうとしているでっかさがと、新たな統一戦線の形成、共闘と連帯の大事さが明らかにされていると思います。関実事務局としては、今後の、三里塚闘争と米軍再編・改憲攻撃への一つの出発点となったこの集会の、掲載していないパネルディスカッションも含め、早急にパンフレットに編集して出版したいと考えております。
なお、管理人は、28日から三里塚現地に向かい、10人近い人々と、集会後も現地に残り、援農と現地調査を行います。そのため、当ブログは4月2日までお休みさせていただきます。みなさん。3・29三里塚現地に総決起しましょう。
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コメント
感動的な報告、本当にご苦労様です。
パンフレット化の事は噂で聞いていましたが、今日住民の会例会がありましたので、勝手ながら印刷して、報告させてもらいました。
B5普通紙、カラー両面印刷自動、活字の固まり過ぎは段落付けたり、文字11Pで32ページになりました。事後承認、よろしゅうお願いいたします。
尚、インクは詰め替え安インクで頑張っています。
投稿: 子午線住民 | 2009年3月27日 (金) 00時00分
投稿: 子午線住民 | 2009年3月27日 (金) 00時24分