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2009年3月 3日 (火)

農地法改悪案の国会提出弾劾!

09225  反対同盟ブログが昨日報じているように、麻生内閣は2月24日、農地法改革案を閣議決定し、国会に提出しました(左記事は、同ブログより転載)。

 3・29三里塚全国総決起集会のメインスローガンに「農地法改悪-改憲攻撃粉砕」とあるように、これは重大な農民に対する攻撃です。そして戦後憲法の骨格ともいうべく労働法、教育基本法とならぶ戦後革命の労働者、農民の闘いによって勝ち取られた農地法を解体するという意味で、改憲攻撃の重大な一環です。

 農地法1条は、「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認める」として耕作者主義を掲げる。これを改悪案では「農地はこれを有効利用する者に権利の取得を促す」と書きかえる。「所有と利用の分離」と言われ、「農地の流動化」によって耕作放棄地の解消を図るといわれる。これだけを見れば解りにくいが、この考えが06年の農政改革・最終提言に基づいて出され、農業の効率化・生産性の向上という新自由主義のもとでの方策であり、06年に制定された「担い手新法」とメダルの裏表になっていることを見据えなければならない。

 北海道で10ヘクタール以上、それ以外では4ヘクタール以上の「担い手」のみに助成を制限し、それ以下の農家(ほとんどの農家だ!)は助成しないというもので、集約化によって300万戸農家を40万戸にするというものだ。経済財政諮問会議で農政を担当する本間正義は、さらに14万経営体に集約するといい、最近では1万でいいんだなどまで言い始めている。

 そこで想定されていることは、一言で言って、単作による広大な面積での安い付加価値のある農産物の生産による「強い農業」を作り上げ、FTA/EPAでオーストラリアやアメリカ、中国とも競争できるようにするということであろう。

 しかし、そうした農地を想定できるには、あまりにも山間地の農地が多い日本の実情では「絵にかいたモチ」でしかない。しかも多くの農産物が輪作を拒むことから、アメリカやオーストラリアでは、休耕地を回していくことでしのいでいるのが実情であり、この日本の実情ではありえない。しかも、そのアメリカやオーストラリアの集約化された農業(オーストラリアでは1家族で3千ヘクタールを相手にしている)では、十分に土に向き合うことがされず農薬の使用によって極度の農地の疲弊化が進んでいるといわれる。ここに、実は、農業の先進地域であるアジアの小規模家族農業が営々と続けられてきた根拠があるのだ。

 実際にも「担い手新法」が制定された翌年07年の米価の暴落は、むしろ「担い手農家」や集落営農を直撃し、広大な農地に見合った農機具、トラクターなどへの膨大な投資の回収が不能になり、1年目で破産、倒産が相次ぐという悲惨な事態が生まれている。オーストラリアでは広大な農地に見合った巨大なトラクターなどへの投資による膨大な借金と、農地の疲弊による凶作によって農業に重大な困難が襲っていると聞く。

 本間らは、本業の農民を労働者として企業の参入による広大な農地による経営を想定するが、以上述べてきた理由からも、また農産物を育てるということかPhoto_2 らくる困難な問題を解決できなかったソ連の集団農場の例を出すまでもなく、破綻することは時間の問題であろう。その時、その経営体、企業の破産の背後には巨大銀行資本があり、土地が、農地が、まさに資本の論理の下に自由に転用されていくことは自明の理であろう。これが農地法改悪の目的とするところであり、正に農業破壊を前提とされているということだ。

 市東さんの農地を、営農を「1億8千万は150年分の農業収入にあたる」と言いなして農地取り上げを当然とする千葉県、空港会社、国の論理こそこうしたものを先取りしたものというしかない。改憲と米軍再編に沿う中から日本を再びアジアへの侵略と戦争の惨禍の中から生き延びさせようとする日本帝国主義のこのような農業破壊を水路とした政策の選択を断じて許してはならない。それは民主党といえども同じ穴の狢でしかない。「3・15講演とパネルの集い」を成功させ、3・29三里塚現地へ総決起しよう!

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