コメ農家 小川さんの挨拶 (2月3日 農地死守裁判報告会)
今日、市東さんは、裁判の中で裁判自体が不当な裁判で、その不当な裁判で市東さんの農地の取り上げを絶対に許さないということを、農地自体が市東さんの命そのものだという、断固闘うという決意をはっきりしめしたと思います。
今、いろいろ調べてるんですが、今、百年に一度の世界金融大恐慌という中で、戦前のことをちょっとしらべたんだけれど、1929年は、昭和4年で、当時地主制度の中で農家はほんとうに高額な小作料と度重なる飢饉とか、同時に29年恐慌によって繭(まゆ)が大暴落し、コメが半値になるという中で、農業恐慌という形で言われていますけれど、コメ作ってる農民が飯米もないというような状況で、ものすごい窮乏化に陥った。そういう中で、必然的に地主と闘わなければ生きていけない時代、農民が東北とか北海道では、夜逃げしたり首つり自殺したり、子女を身売りしたりという大変な事態の中で、地主との闘いを現実に闘い抜いていく時代だった。
今、そういう農民の闘いを見るとき、地主が恐慌のあおりで、大変な時代の中で、なかなか農民の要求にこたえられないということで、逆に小作地の取り上げとか立ち入り禁止とかそういうことをやってきて、激烈な闘いになっていったわけです。そういう当時の地主とか、土地取り上げ闘争を見ると、今の市東さんの闘 い、あるいは市東さんにかけられた問題そのもの、その再現という感じがしています。当時の警察や裁判所が一体となって小作人の土地を取り上げっていったことを見ると、当時は農地法がなかったもんで、逆に今の方が戦前よりもむちゃくちゃなやり方で市東さんの農地が取り上げられようとしているということをはっきり見る必要があるんじゃないか。
今、新たな農政改革、食料と農業、あるいは農村の基本計画というのは見直 されて大きく変えられようとしています。麻生内閣が新たな農政改革の諮問を出したり、6大臣の閣僚会議とか、今年度中にははっきりさせ、来年度にそういう政策をやってくると言われています。そういう中で、東大の本間正義が、まだニュースの範囲でしかわからないんですが、100町歩の農家を1万戸作る。これでやってける農家はやっていくけれども、それ以外は淘汰していく、こういう提言をしています。これは、かって「担い手新法」で300万戸農家を40万戸、あるいは14万経営体にする言われていましたけれど、それ以上に1万戸の農家で、もちろん農地法は改悪して企業が参入できるようにするという提言をしていますけれども、これはもっともっとひどい、悪辣な農業つぶしそのもの。おそらくそういう方向に新しい農政改革の方向が行くんじゃないか。
そういう攻撃に対して、先ほどの戦前の農民の闘い、当時の地主、警察権力や裁判所、あるいは右翼とか暴力団を使って対決してきたけれど、本当に実力闘争として闘われた闘いが全国各地にいっぱいありました。号令一つで、夜中に300人、500人が集まって、立ち入り禁止の所に自分たちで田植えをやったり稲刈りやったりとか、凄まじい闘いをやっていました。市東さんの闘いは、新たなそういう今度の農政改革、農民つぶしとの凄まじい闘いとの闘いであるし、まして、今年、市東さんの闘いをはじめ三里塚がほんとに正念場を迎えている。われわれ農民の決起という点でも、夜陰に乗じて100人、200人あつまるような、そういう闘いを是非とも作っていきたいなと考えています。
よろしくお願いいたします。
| 固定リンク
「たたかいの報告」カテゴリの記事
- 市東さんの所での座り込みに参加して(2023.01.21)
- 市東さんの農地を守ろう! 現地決戦に参加して(2022.12.15)
- 11・28 耕作権裁判傍聴報告 証拠隠し許さず 審理を尽くせ(2022.12.05)
- 強制執行許すまじ ー 11・27三里塚報告(2022.12.03)
- 4・25耕作権裁判報告 空港会社の証拠・証人隠しを追求(2022.04.29)
コメント
すごい。
読みながら、激越な沖縄戦での、ある、幻のような光景が目に浮かんだ。
それは、「野も焼け、山も焼け、里も焼け、豚も牛も馬も焼け」累々たる死骸が散乱する、悲惨極まりない“阿鼻叫喚”のさなか、なお、農にいそしむ村人たちのすさまじい姿だ。
沖縄・チャリンコ・ホームレスの後だと見当をつけて、ノートの類を探していたら、その抜粋があった。
★恩納岳と眼鏡山の鞍部には、千古、斧を入れたこともないような人跡未踏の湿地帯があった。
羊歯が生い茂っていた。
しばらく進むと、滝があった。
そのはるか下流に、沼のようなものがおぼろに見えた。
敵をうかがいながら、音を立てずに匍匐前進していった。
どうも、沼は、水田のようだった。
目をこらすと、おおぜいの人影がはいつくばって動いていた。
しーっ!
私たち(敗残兵)は、敵・掃討隊に遭遇したと思った。
しかし、それは、敵ではなかった。
なんと、それは、昼の砲煙弾雨を避け、山中奥深くに逃げ込んでいた農夫たちの影だった。
彼ら・彼女らは、砲煙弾雨の隙間をぬって、深夜、月の光を頼りに、はいつくばるように身をかがめ、せっせと田植えをしていた。★
飯田邦光『沖縄戦記』より
投稿: 田中洌 | 2009年2月 9日 (月) 12時47分
関西生コン支部への不当弾圧を弾劾する(2/12)
全日建連帯労組関西地区生コン支部の執行委員と組合員の5人の仲間に対して、12日、大阪府警が「威力業務妨害」をデッチあげ、不当逮捕を行なうとともに、組合事務所への不当捜索を行なった。
これは正当な組合活動にたいする不当弾圧であり、絶対に許せない。関西生コン支部への激励、大阪府警への抗議を集中しよう。 一日も早く逮捕された仲間を奪還するために、ともに闘おう。
抗議先:大阪府警察本部 06(6943)1234(代)激励先:生コン支部 TEL06(6583)5546 FAX06(6582)6547 E-mail:web@rentai-union.com
投稿: 春闘破壊を許せないパート | 2009年2月20日 (金) 11時23分