« 「3・15講演とパネルの集い」への賛同のお願い | トップページ | 今週の産直野菜(2月28日) »

2009年2月25日 (水)

「米軍再編」について

Photo  2001年の「9・11」の衝撃の中で、世界規模での米軍の有事即応、緊急展開を目的とした再編(トランスフォーメイション)が進められています。

 それは端的に言って、日米同盟と米英同盟を軸とした再編です。それは元国務副長官アーミテージの「日本をアジアの英国に」という発言に示されています。そして日本全体が、少なくとも中東を含むアジア全域のアメリカ軍の、戦争の「最前線基地」となることが目論まれているということです。すでに、今時のイラク開戦にあたり三沢にある米軍のF16戦闘機部隊が、その攻撃の第1陣を務めたことや、原子力空母ジョージワシントン(右下写真、朝日新聞より)とその機動部隊が、横須賀を母港化したことでも明らかで、すでに具体的に進められているのです。Photo_2

 そのために日米両軍、米軍と自衛隊の一体化、統合が日米合同軍事演習などによって進められていることは周知の事実です。在外米軍の基本方針として明らかにされた5つの方針(2004年 ファイス国防次官)の4番目に「同盟国との間に柔軟な法的制度や支援制度を確立する」とされています。これは、憲法9条を守ろうといった日本における闘いや、反基地闘争の存在を取っ払わなければならないということと、そのためにも9条の改憲だけでなく、この米軍再編にとって今や足かせでしかない「極東条項」をもつ日米安保条約自体を全面的に改定することをも前提としています。

 そして同じ基本方針の5番目に「部隊や施設装備の数でなく、それを使いこなす能力の向上を重視する」とあります。ユーゴ空爆の折のイタリア、イラク戦争でのサウジアラビアが果たしたように膨大な50万、70万の兵力を瞬時に展開させる能力が求められているのです。しかも「日米共同作戦計画5055」(2010年策定完了予定)が明らかにしているように、そして青森県の三沢基地に世界で最新のXバンドレーダーが配備(2006年)されたように、朝鮮半島有事が「対テロ戦争」として想定されています。この脈絡で考える時、成田空港の存在が非常に大きなもの、ある意味では要としての存在であることが明らかになります。米軍再編の要の一つと言われる重要な基地の防衛のための迎撃ミサイルPACⅢ(左写真、防衛省ホームページより)の全国10か所の配備のうちの1つが成田空港防衛のために習志野航空自衛隊基地に、他にさきがけ入間基地に次いで配備Photo_3 されたことが何よりも雄弁に物語っているではありませんか。

 その成田空港をめぐって、44年にわたって三里塚闘争が「軍事空港反対」を掲げて闘い抜かれ、成田空港が米軍再編が求めている規模の半分にもなっていないという「未完成」であることが、どれほど重大な桎梏と化しているかは明らかでしょう。

 金融恐慌が吹き荒れ、実体経済がボロボロにつき崩されている今、戦争以外に政策の展開の道筋がないところに追い込まれたアメリカ帝国主義と、それに追随することを通して独自の活路を切り開こうとする日本帝国主義によって進められようとしている米軍再編、日本全土の最前線基地化にとって、今新たに、三里塚闘争は文字通りの「反戦の砦」として仁王立ちして立ちふさがっているということです。そうであるが故の、憲法をも無視した「農地法」による市東さんへの農地取り上げ攻撃なのです。いや、改憲攻撃=米軍再編攻撃そのものとして、市東さんへ、三里塚反対同盟への、裁判所を使っての農地強奪の攻撃がかけられているのです。三里塚闘争の解体を狙って。

 みなさん。「3・15 講演とパネルの集い 米軍再編と闘う - 三里塚・沖縄・岩国・関西を結ぶ」が決定的に重要な闘いとして取り組みがされていることがお解りいただけると思います。「3・15集会」を成功させ「3・29三里塚現地闘争」に総決起しましょう。

|

« 「3・15講演とパネルの集い」への賛同のお願い | トップページ | 今週の産直野菜(2月28日) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

テレビの特集で見たのですが、沖縄北部(ヤンバル)の救急ヘリが財政難で止まってしまっていて、米軍再編の交付金で再開を、という流れがあるそうです。「ヘリがないと救える命が救えない」と言われるとタジタジしてしまいますが、安次富浩さんの意見は鮮明でした!「米軍がアジアで何をやっているか、アジアの人々の命と引き換えに沖縄が救われるということは有り得ない」。魂だと思いました。

投稿: ぶう | 2009年3月 2日 (月) 02時17分

軍事費5兆円を0にして、全部福祉に回すことがまず第1です。介護殺人のことなども痛ましく報道されています。私達の仲間が働く京都生協烏丸店は、近くの高齢者がよく利用しています。個別配達でもです。そんなとき、やはり、まずは、軍事費を全部高齢者福祉、障害者福祉などに回すべきだとつくづく思います。また、そう思って必ずそう訴えています。そして、これは、本当に切実だと思っています。

投稿: 京都生協の働く仲間の会 | 2009年3月 7日 (土) 12時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「3・15講演とパネルの集い」への賛同のお願い | トップページ | 今週の産直野菜(2月28日) »