食と農業・農地問題を考える 11・16集会
昨日11月16日、千葉で「市東さんの農地取り上げに反対する会」が主催して、「食と農業・農地問題を考える 11・16講演&パネル・ディスカッション」が開かれ、150人が集まり、3時間半に及ぶものでしたが、緊張感のある中身の濃い集会として大成功しました。関西からも、3人が参加させていただきました。
井村弘子「反対する会」共同代表の開会のあいさつの後、科学ジャーナリストで、市民バイオテクノロジー情報室代表の天笠啓祐さんが「穀物価格高騰と農業危機 食糧危機に脅かされる食の安全」と題して講演されました。レジメを見ただけで、「これを30分でやるの? 無理だろ~」と想わせる凄いテーマ。しかし、にこやかに笑みを浮かべながら「金融危機に至る世界、日 本政府の『解決策』」を簡潔に表現しながら「第1次産業がワーキングプアが一番多いことが問題だ」と問題点をえぐりだされる。そして「なぜ食料危機が起きたのか?」と途上国の深刻さを食料の輸出国と輸入国の対比の中から浮かび上がらせる。そして「脅かされる食の安全」を500円のコンビニ弁当1個の原料が、16万キロ(地球4周分)を運ばれていることを例に挙げながら中国と向き合った安値合戦の本質を語られた。そして「では、どうすればよいのか?」として、「国際的な途上国・貧困層との連帯」と核心を提起した上で、「代替えエネルギーではなく、地域循環型社会」「拡大から縮小へ」「ものを大切にする社会へ(『エコにだまされるな』)」、「自由経済から主権尊重へ」「人間を大切にする社会へ」と非常に判り易く考え方、あり方の基本を提示された。
今度は、三角忠さんがコーディネーターを務めて、反対同盟の萩原進さん、農民新聞記者の林伸子さん(全日農アルバイト)、坂本進一郎さん(秋田県大潟村農民)、そして天笠啓祐さんのパネルディスカッション。萩原さんが、「我々は大地を食べている」「作物は自分たちの子供だ」「家族農業が農業形態としてもっともいい」などと述べられた上で、労働者が自分の問題としてこの農業問題を考え共に動いていくことの重要性を提起されたが、全体の論議を非常に緊張感のあるものにしたし、市東さんの厳しい決意に全体をひっぱって行った。全体的にも、多くの貴重な示唆に富んだ論議となった。わずか80分のフロアーをも巻き込んだ論議が、本当に噛み合って進められたことに会場全体が巻き込まれた。
藤原寿和さんからスライドによる「残土・産廃問題」の特別報告が行われた 後、市東孝雄さんと葉山岳夫弁護士が登壇し、決意と裁判の報告が行われた。とりわけ、市東孝雄さんからの土と農にかける想いの語りと決意の表明は、この日の集会でも秀逸の内容を持ち、「市東さんの農地を守る」闘いの重要性が、明快に提起された。(この内容については、後日、掲載いたします)。
高階ミチさんから「群馬・市東さんの農地を守る会」結成の報告、そして主催者の「反対する会」の会計の小川さんからの訴えと報告、そして大潟村での「ヤミ米問題」に触れながら坂本進一郎「反対する会」共同代表からの閉会のあいさつが行われた。
私は、集会後開かれた交流会にも参加させていただき、中座させていただいて帰途に着きましたが、事務局のYさんをはじめ皆さんの奮闘によってこの日の素晴らしい集会、企画が成功したことを噛みしめ、三里塚の闘いの広がりと前進が確実に勝ち取られていることに喜びを感じながら帰ることができました。ありがとうございました。
さあ、姫路での「星野文昭絵画展」の最終日です。今から姫路へ。
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