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2008年10月15日 (水)

10・5三里塚全国闘争(7) 農民からのアピール(2)

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農民からのアピール(2) 小川さん(コメ作り農民)

 10・5集会に集まられたすべての皆さん。農民からのアピールという形で決意の表明を行っていきたいと思います。

 まず最初に先ほど来言われていますけれども、麻生内閣の国交大臣である中山が、な081005 んと三里塚闘争を「ごね得」だという、そういう暴言を吐きました。三里塚闘争は、43年間にわたって、北原さんが先ほど申しましたけども、お金などまったく要求しないで、農地死守、空港絶対反対と、非妥協的に実力闘争でもって闘い抜いてきました。そして、市東さんは、ましてや1億8千万円の金に目もくれず、自分の農地を守る闘いに命をかけて闘い抜いています。この闘いのどこが「ごね得」なんでしょうか。しかしながら、中山発言は、これはいったい何だろうか。これはまったく失言でも何でもなくて、本音そのものであり、確信犯だと思います。むしろ、麻生内閣の意思の表れじゃないかと。三里塚闘争の43年間空港を阻止し続けている、こういう中で何としても三里塚闘争を叩き潰そうとするそういう意思の表れなんだということをはっきりさせて、この中山を徹底的に弾劾していきたい。

 もうひとつ、最近、ギョーザ事件に始まって、中国のメラミン入りの牛乳で死者も出ていますし、日本にもそういった乳製品が入ってきていろんなものに使われています。そして、農薬に汚染された汚染米問題です。これはいったい何なのかということを考えたら、今の日本の農業政策、農業問題を非常にはっきり表している、そういう表裏一体の問題だと思っています。基準の5倍という農薬に汚染された輸入米、あるいはカビが生えたコメですね。それを、食品にしてはいけないものを、・・・・・が食品に不正転売して、農水省から5円や10円くらいで買ったものを200円とか200円以上で売ってボロ儲けしている。酒とかビール、かきもち、おにぎりとか、ありとあらゆるものに使われていて、みなさん、知らず知らずのうちにみんな食べさせられていました。特に、病院とか老人ホーム、学校給食、こういうところでも使われていました。汚染米について農水省は・・(爆音で聞こえず)・・・・・立ち入り検査が狎れ合いというか、汚染米を粉砕して、帰ったらすぐ倉庫に入れて081005_2 不正転売していくという、まったく農水省公認でそういう不正転売が行われていたと言っても仕方がないようなそういう問題です。ましてや農水省の職員が三笠フーズからいろいろ接待を受けていたいうようなことも明らかになっています。その中で、農水大臣は「直接すぐには体に影響ないからジタバタ騒ぐな」と、こういう発言をして、また次官は、「農水省には全く責任はない。あれは業者の責任だ」というようなことで、二人とも辞めてしまいましたけれど、これは今のMA米、輸入米が、77万トン、日本のコメの供給量の1割くらい毎年入っています。このために、日本のコメ農家は、毎年3分の1の減反を強いられてきて、このMA米というのは日本の農業政策、農業破壊と表裏一体の問題としてあるんだと思います。

 こういう中で、農業政策、輸入米について今、麻生内閣は農業政策をもっともっと工業化するんだと、FTAとかEPAとかを通してもっともっと自由貿易を進めていく中で工業製品を主体に、国内農業をつぶしていく、こういう基本的性格は変わらず進めていくということを宣言しています。そういう中で、われわれ農民は、石油の高騰、あるいは肥料にしても、来年は6割も上がります。その他、農業機械とか餌とかすべての生産資材が値上がりして本当に、自分では、農民自身ではどうしようもない、やりようもないような生産費を割るような今の安い価格、そういう状況になっています。三里塚闘争、43年になりますが、私が就業したのもちょうどその頃で、当時はね、田畑2町歩もあれば、食べて子供たちを教育させることができた。それが今ではね、農家は半分に減り、当時は自給率は70%ありましたけれど、今は39とか40%。ともかく半分になりました。それでも、なんとか規模拡大とか、営農努力でね頑張っている農民によって40%の自給率を維持しているんです。所が、今の農業危機の状況は、今までそういう形でなんとかやってきた規模拡大農家、大規模農家自体が本当にやっていけないようになってきたそういう状況なんです。今頑張ってる農家はいったいどうなるのか。自給率は、30%になり、20%になり、農産物を完全に自由化した場合、自給率は12%になるという農水省の試算もありましたけれど、本当にそうなりかねないようなもので、農業が成り立つのか、成り立たないのか。本当にそういう瀬戸際の状況が来ているように思います。

 農産物価格は相変わらず安いし、コメの値段も、今年は豊作ということで、去年よりは多少いいぐらいで、そんなに変わりません。そういう中で、農民の中でもはやどうすることもできないようなね、農業恐慌と言っていいようなそういう時期を迎えています。そういう意味では、汚染米の件でね、政府は、農民のことなどどうなってもかまわない、あるいは国民の命などどうなってもいいというのが、今の現状なんです。そういう中で農業問題は本当に農民だけの問題じゃない。当然、労働者の問題であり、消費者の問題であり、そうい061212fta うことで今の農業問題、農業者が生きていけないような状況、そういうことの根っこは同じものであるということで、捉えて、共に闘っていく必要があるんじゃないかと思います。

 そういう中で、われわれは、今年の秋にでも市東さんの農地強奪が新たな段階を迎えて、土地明け渡し訴訟をやられようとしていますが、それを何としても守り抜いて、今の農業危機の中で、日本でも農民の決起というのはいろんなところで起きています。このままでは農民はやっていけないということで、いろんな形で、いろんな闘いが始まっています。その闘いは、必ずや三里塚反対同盟と合流する、そういう状況が生まれてきているんだと思います。政府にとって、農業はアキレス腱であり、もはや農民を生きさせるようなそういう余裕などまったくないんだ。農民を収奪の対象としか見ていない。こういう中で、今の社会を根本的に変えていかなければ、農民に生きる道はないんだということをはっきりさせて、三里塚のように闘おう、三里塚とともに闘おうと、動労千葉と三里塚が労農同盟を切り開いたように、全労働者と全農民の大同盟を勝ち取って、あらたな労農同盟をもっともっと大きくしてそういう中で三里塚闘争が勝利していけるんじゃないかと思います。(最後の右の写真は、農業新聞から転載。06.12.12 日豪FTA反対・全道農民集会)

 そういうことで、農民はまだまだ少ないんですけれど、農民がこの場に大挙結集していくような闘いを作っていきたいと思います。共に頑張りましょう。

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