基調報告 萩原進事務局次長
ごくろうさまです。しばらく三里塚の地で千名の結集を達することができなかったわけですが、三月集会でそれを突破した。同盟ほんとに喜び勇んでおります。この中で10月集会を迎えて、この間、多くの皆さんに10・5の今日の決起を訴えて本日までまいりましたけれど、ざっと見れば、やはり3月集会を上回る数が結集してんじゃないかと思います。ほんとにありがとうございます。
今日、麻生内閣が発足しましたけれど、日本の自公政権、安倍・福田が投げ出して、小泉がまた登場するというような事態の中で、現在、発足して出てきたわけですけれども、皆さんご承知のように中山が3連発の非常に正直な話をして国民の反発を食らって野に下がるというような事態になったわけです。しかし、あれが本音であり、またああいう形でしか自民党はこれから生きていけないんじゃないかという風に思うわけですね。麻生は今、自民党の宣伝をしています。全国何十か所も回って、「みなさんのいろいろな意見をお伺いして、これからの政策に生かしたい」などという形でやってます。今、彼らが取ってる言い方というのは、「・・・が悪いんだ、他人が悪いんだ」ということで転嫁してるんですね。そんなことみんな知ってるんですね。何十か所まわんなくったて分かってるんですね。ああいう神経は、ほんとにわかんないですね。「国民の声を聞く」「何十か所まわりました」。労働者が生きられない、農民がつぶされる、老人や障害者が生きられない、こういう社会を作
ったのは誰なんだ。このことを開き直って宣伝してるわけですよ。こういうことをやったるのに国民はわかってない。だから国民が悪いんだと逆に言ってるんですよ。自分たちの統治能力がなくなって、文字通り他人が悪いんだというところに開き直ってる。ですから、総理が政権を投げ出すなんてのが当たり前になってる。この政権ではもたない、この政権もダメ、という形で積み重ねてやっていけばいくほど右傾化するしかない。だから中山発言というのになっていく。彼は野に下がったといっても、その思想性というのは変わらない。麻生政権そのものが、そういう形でしか生きていけない。こういうことを押さえて我々は闘わねばならない。
しかし、取り巻く状況が、それで政権を維持できるのかどうかというと別の問題だ。たと えば農業政策を取ってみてもね、小泉内閣の時に寝袋を持って国会内でコメの輸入に反対した農民族と言われた自民党の松岡が、輸入問題騒動の中で自殺してるわけですよ。例のばんそうこうの・・・もそうだし、 遠藤、太田、4人の農水大臣が任期を全うしないで、やめちゃってる。そりゃ、いろんな政治の問題なんかがありますけれど、それだけ今、農業問題は難しいんですよ。農民にとってもそうですけれど、それをつかさどる大臣がやりきれない。そういう意味で先ほど言ったようにもっと右から、保守の連中でやらねばとなってるんだろうけれど、総理大臣もそういう形で辞めてしまう、農水大臣もそういう形になる。そういう姿でしか現れてこない。
世界的に見れば、アメリカをはじめとする住宅バブルの波が全世界を駆け巡っている。そういう中で、・・・も大変だし、株もそうだし、そういう形になってる。そういう中で、今問題になってる汚染米問題についても、それは農業問題の中でもほんとに根本をなしてる。ミニマムアクセス問題というかたちで、いらないコメまでも押しつけられて輸入せざるを得ない。そのために業者をしてそれを売りつけるために、そのコメがどんなもんだってかまわないんだ。業者を告発すると政府は言いますけれど、なぜ食料に回ったんだと言いますけど、そもそも食品業者じゃないですか。それだけ見てももはっきりしてるんですよ。食品業者に売り渡しといて、糊や工業材料になるわけないですよ。そっから始まってて、農林水産省、政府そのものも同じで、告発されるべきは政府なんだ。業者も悪いけど、それ以上に悪いのは政府なんですよ。根本はそういう腐敗した構造、農業政策の実態ということにあるんだ。
そういう意味で、働いても働いても食べられない労働者と、ほんとにひとりよりも働いて何とか生き延びようとする農民が、やっぱり同じじゃないか。一緒にそこで闘っていこうじゃないかということで三里塚の闘いがあるんじゃないかと思うわけです。
洞爺湖でのサミットでも方向性が出せなくて、WTOで訣別して、アメリカの大統領選あるし来年もダメだろうし、そういう問題をもう話し合えないんじゃないかという、そういうところまで行っちゃてる。人が制御できないところまで敗北が世界を席巻している。資本主義の断末魔だと思うわけですね。こういうことがあらゆる階層、階級の中に来ているという状況があるのに。
そういう矛盾がますます労働者や農民、障害者や老人、あらゆる市民にかぶせられてくる。そういう中で、逃げ道としての戦争という形になっていくわけですけども、アフガンとかイラクとか中東、グルジアとか、すでに戦争が始まっているわけで、そして北朝鮮の問題も含めて、アメリカは中国、ロシアにむけた核戦略をめぐったミサイル配備に入っている。そいう中における三里塚闘争の一方の柱である軍事空港問題、この問題を見逃すことができない。沖縄の状態については、沖縄から見えておられる知花さんに述べてもらいますけれど、先日、横須賀に核空母の母港化しようとしているこの問題など、もうはっきりしている。パックⅢの全国配備の中での習志野配備ということがあります。この8月30日、31日には、この成田市において5000人規模の演習、被災者の救済というかたちで、警察、自衛隊、関係機関、これが二日間にわたって国民保護法の実際の大演習、震度6~7規模の地震が発生したという名のもとに、そういう訓練が行われてますが、成田空港の軍事使用を標的にしながらそういう訓練が行われた。そういう意味での三里塚の有事の際の兵站性を見逃すことはできない。そういうい意味で、農地を守る闘いと、反戦・平和、反核の闘い、軍事空港としての闘いを一方の柱として掲げて闘い抜いていく。これが、情勢としてひしひしと感じる、そういう形で今来てるんじゃないのか。であるならば、いま闘うものが、どうとらえてるのか、どう決起するのかという形できてるんじゃないのか。今、闘わずして、どうなるのか。
いま、マスコミは、 自民党の腐敗、だから今度の選挙で自民党がひっくり返って民主党 が政権をとるかとかという形で、政権交代論議のようなそういう論調でしか働いていない。これは、決定的に、われわれにとってみれば、闘う側のまだまだ力のなさなんですよ。こんな話じゃだめなんですよ。この壁を破って、大衆的に登場してくるような闘いを本当に作らなければならない。そういうことを感じませんか(拍手と歓声)。自民党や民主党、「同じ穴の狢」ですから、根本的には同じなんだから、彼らを打倒しない限りしょうがなわけで、そういう意味で、政権がどちらに行こうが我々の敵なんで、それに代わるものとして、われわれが闘いで築いていく、そういう闘いが必要なんですよ。そういう形で、マスコミにもそういう風に言わせない闘いを作りましょうや。
そういう中で、3月の全国集会以降、北延伸攻撃との対決という形で、彼らは20万回の飛行を30万回を言いだし始めました。またそれだけでは物足りなくて、禁句であった「24時間空港」というものを出してきた。とんでもない話であって、やっぱり資本主義体制の中では利益追求、そのためには、人間なんてどんなとこにいようが、生きようが死のうがかわないんだといういやり方が如実に示されてる。収用委員会がなくなってもう土地を取り上げ られないにもかかわらず、今度は収用委員会に代わって裁判所が土地を収用するいう形での、今日の3里塚での裁判が現われてくる。裁判所が尖兵になってきている。そういうことになっていますが、それでは北延伸の闘いに対して我々は、6月8日、あるいは7月27日という形で現地において集会、デモを貫徹して、北延伸を何としても阻止するという形で、闘い抜きました。その上で、北延伸の最終的、本来の狙いというのは、単に北に伸ばして2500メートルの滑走路を作ればいいんだというところじゃないんですね。そのことを通して、40メートル上空を、もう一度大型化した飛行機を飛ばして、住民を騒音地獄の中に叩き込んでそこから追い出すことをもって、もう一度南に延ばして、3800メートル、限りなく4000メートルにちかい軍事空港を作ることなんです。軍事滑走路を建設する、それが最終的な狙いなんだ。このことは市東さんをはじめ、東峰部落の住民を叩きだし、そしてここに集まったこうした集会をできないようにする。そして三里塚を闘う勢力を消滅させる。そういう狙いが、北延伸の本来の狙いなんです。だけど、われわれはそれを見抜いて、現にこういう形で、ここで、ある意味で空港の中での集会ですよね、こういう形で堂々と集会ができるんですよ。市東さんは胸を張って大道を歩ける。そして「空港反対」を唱えられる。そういう闘いができるわけですよ。このことをどんどん全国におけるこういう集会やデモなんかをやりながら、裁判においても、単に裁判という敵の土俵じゃなくって
、裁判官そのものも裁いちゃう、そういう闘いとして裁判所でも闘い抜く。そういう意味では、先日の裁判で、こういう形で上り詰めてニュース等で見られて知ってる方が多いと思います。
空港経営など、大きく20年型の遅れを、日本は取っている。これをも規定しているのが三里塚闘争なんですよ。そう形で、彼らが目論むアジア人民、資本主義の中で空港が持つ位置とか、対外国との間での貿易という問題だとか、そういうのを含めて徹底的にわれわれが急所を握っているところで、今日あるわけです。そして何よりも彼らは開港から30周年だという形 で今年は催し物をやりましたけれど、まだ半分も出来上がってないんですよ。こんな空港ありますか。開港してから30年ですけど、空港問題が始まってから40数年ですよ。50年たってもできないという空港がここにあるんですよ(大きな拍手)。これはまさにね、われわれ農民と、そして全国の闘う労働者、市民、大衆、学生、そういう人たちがほんとに一体となって闘ったからこそ、こうした成果が勝ち取れたんだと言い切れると思うんです。開港30周年を祝おうが、われわれが主導権を握っているし、生きた展望を持ってるんですということを確信を持って闘い抜いていきたいと思います。
そして、反対同盟は、働いても働いても食べられない労働者、あるいは農地を追われる 農民、その敵は一つです。戦中、戦後、農地解放という形で闘い抜き、そこには基地闘争もありました。そういう中で、内灘、妙義、北富士、・・・・・とか、日本原、砂川、そして何よりも沖縄という形で、多くの農民、住民、そして労働者が結合して、闘い抜いて今日の三里塚闘争に引き継がれてるんだというこの歴史を掘り起こす必要がある。偶然ここに発生したというような問題じゃないんですね。我々は北富士の指導も受けました。また砂川の宮岡さんのご指導も受けて、今日の三里塚闘争があるわけです。隣の茨城の常東農民組合・・・・自主的なコンミューン的なものまで作り上げた茨城の闘い、こうしたものの上に立った指導を受けながら、われわれは今日の闘いを成り立たせている。そこに労働者の組合との結合があって闘い抜かれた。とりわけここ三里塚においては、動労千葉と反対同盟とが固くこういう形でスクラムを組んで闘い抜いた。だからこそ今日のこういう存在があるんじゃないか。このことをもっともっと深く深く結合し、そして大きく波及させていく。それを全国化していく。そういう闘いが必要じゃないか。
そしてもうひとつ重要なことは、「市東さん運動」を展開していく中で、ほんとにやらなくちゃならんことに、反戦・反核・反権力と、そして反差別 そういうような広範な市民運動ですね、あるいは住民運動との連帯を作るべきだと思います。いろいろあるとは思いますが、今、そのことがほんとに求められてるんじゃないか。とりわけ、沖縄の人々の闘いとか、あるいは関西の人たちの闘いとか、そいう闘ってる人たち、あるいはあらゆる階層で闘っている人たちとの、今まで以上の深い闘いと絆を作っていく。 それが現に、この三里塚の闘いはあらゆる人々が結集する砦です。そして「現にそういう人たちが結集しています。ですから、あえて三里塚を言うのであり、また、そういう闘いを展開する必要があるのだと思います。そういう意味で、三里塚の闘いというのは、いわゆる人民の共闘の結集の砦であるという風に自負したい。そして、そのためには、市東さんの農地裁判を、広範な陣形、そういう支援運動をお願いしたいと思います。
そしてお隣の韓国の労働者が農民とともに闘っているように、この日本でも三里塚でやってるように、こういう構造を全国で作ってほしい。そういう連帯を培っていこうではありませんか。また、国境を越えて闘う労働者、農民、人民が国際連帯の絆を作りだしていくことが、非常な急務として、課題としてあるんじゃないかと思います。そのためにも「アジア・ゲートウェイ」「FTA」、労働者、農民の共通の叫びとして労働の確立が必要だと思います。かって、戸村さんをはじめ、羽仁五郎も、この三里塚の闘いを見て「労農のコンミューンだ」と表現し、謳った。そこに、闘いの持っていく姿を、確固として確立していく必要があるんじゃないか。そして、来春、彼らも必死で空港建設を行ってくるだろうし、また階級的な表現としても、憲法改正ということが具体的な課題として登場してくるだろう。その中で、ギリギリの攻防戦が展開される。そういう意味では、三里塚闘争も、現地と、裁判闘争を含めた大衆的運動、この両立をはっきり大きく成長させて闘い抜く。まだまだ主体的な闘う側の隊列が出来上がっていない、これを作り上げていくことを訴えたい。そのために大きくはここにある核ですよ。この核を土台に組織を作り上げていく。そういう展開をやりぬいていこうじゃありませんか。3月29日へ。
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