三里塚援農報告(その4)
最後の日、22日の朝も6時半きっちりに上空を着陸機の轟音が続く。この三日間、午前中はこの方向に。午後になると風向きが変わって、離陸機が通る。冬場には一日中着陸機になることが多くなる。これで、30万回(現在の1.5倍)、24時間使用となれば、増えるのはこのコースの方で、しかも大型機が増えるのだから、大変なことになることは確実。あらためて怒りを覚えた。上の写真は上空を着陸機が通過する鈴木さんの家で、中央に座っておられるのがおばあちゃんのイトさん。
この界隈がいかに豊かな自然に囲まれているかは右の写真をご覧いただければ。丁 度上の写真をとっていた左手にある茂みの中で、カメラマンのDさんが見つけた。何だと思いますか。そう、カマキリが最初の脱皮をしているところで、もう一度脱皮をしてはじめて羽が生えるそうだ。加代子さんがオオタカなどいろんな生き物の名前を出しながら、絶滅危惧種がたくさん棲んでいるところであることを語られる。ほとんど知らないので、話を聴く一方で本当に残念。
この日は、4人で一緒に鈴木さんのところの援農に入る。出荷日当日なので採り入れだ。4人でモロヘイヤの収穫を任される。二人は初めてなので、わたし達が説明。鈴木さんご夫婦はほかの畑に。薄日が差す程度で、風も気持ち良く秋が近いなぁと思う。10時ごろ、ご夫婦がこられ、お茶の時間。加代子さんが、同盟と支援の関係について、いろいろとあったことを話してくださる。ずっこけるような話も。
モロヘイヤの収穫を再開したら、ご夫婦は横の畝で関西・豊中の野菜市に送る分だと言いながらエンサイ(空心菜)を採っておられる。一昨日、豊中のMさんにあったので聞いたら、野菜市は完全に完売できたとのこと。5か月連続してやってきたので、お客さんが付いてきたのだ。本当にうれしくなる。豊中のEさん、御苦労さま。
モロヘイヤが終わって、 今度はそのエンサイを採る。そこで昼休み。三里塚で最後の食事に舌鼓を打ちながら御馳走になる。鈴木さんご夫婦(左写真。08・3・31山田耕平撮影)には本当にお世話になりました。それからご挨拶もそこそこに関西への帰途につく。車には、3軒から頂いた採れたての野菜の土産がどっさり。前日、市東さんのところで採りすぎたショウガが豊かな葉をつけたまま沢山ある。ショウガが大好きな私は思わずにんまり。ありがとうございました。最後に荷造りをしていて、いただいたかぼちゃを忘れてきたそうで、加代子さんが作ってくれたカボチャの味に歓声をあげていたB子さんとDさんはいつまでも残念そうに悔やんでいた。
繰り返し当ブログで援農の大切さを書いてきていますが、反対同盟への支援としての重要性は言うまでもありません。今回、ほとんど草取りがなかったのですが、収穫が忙しすぎたからで、実は盆の間にたくさんの草が畑に生えているのです。まだまだ夏の盛り、大変です。一年中、お手伝いすることはいくらでもあります。
同時に、援農をさせていただく私たち、とりわけ初めて三里塚を訪れる人にとっては、三里塚の暮らしと闘いを知る上で、これ以上の機会はありません。また、同盟のみなさんが、この地の暮らしと闘いをどれほど一人でも多くの人に知ってほしいと熱望しているかが、肌で感じることができます。みなさん。現地に行きましょう。一日だけの現地調査でもいいです。あるいは、半日の援農でもいいのです。現地の豊かな大地を、自然を感じ取ることの大切さを訴えます。身体の弱い方は、見ておられるだけでもいいのですよ。「知ってほしい」 この同盟のみなさんの篤い想いを是非受け止めてください。
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コメント
やっと遡って援農日記にまで辿りつきました。緑の匂いがしてきそうな報告に、気持ちがワクワクします。
三里塚でさえ、規格外の野菜は処分されてしまうのですね。ちょっとショックです。規格外でも構わない輪は、無理なのでしょうか。
今日は久しぶりに来客で、5時間体を起こしていただけで、帰られた後ぐったり浅い眠りを1時間半。そしてきっと数日は寝たきりです。これじゃいくらなんでも迷惑をかけますね。管理人さんが行かれる時に連れて行っていただけたら、と思いつつ、どれだけ我慢すれば回復するのか分からず暗い気持ちになります。
投稿: ぶう | 2008年9月30日 (火) 22時05分