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2008年7月 4日 (金)

FTA反対

Y2 「経済財政計画の基本方針2008」(骨太方針2008)は、2010年までの行程表を掲げてFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)の推進を図ろうとしている。

 FTAについて「トヨタの自動車やキャノンの精密機械などの輸出を図るために安い食料(農産物、水産物)の輸入自由化。安い食料で、労働者への安い賃金を強制してさらに利潤を図ろうとしている」と私たちは大雑把に主張してきた。

 しかし、餃子やウナギの偽装問題で明らかになったように、日本の食料市場は、安い輸入食料が溢れている。だから、先進国で唯一、食料自給率が39%などという事態が生まれているのだ。水産物も農産物のほとんども、世界的に見ても最も市場が開放された状態にある。

 明治、大正期の日本は、帝国主義に移行する時に、安い賃金での労働者の搾取を可能にするためにコメの価格を政策的に低くする努力をした(「コメ騒動」といった、米価格の高騰による民衆の闘いがあったとしても)。日本人にとって基幹食料であり、土地条件に大きく依存するわずかの農産物、コメや乳製品、砂糖などが高関税とかっては「食管法」などで政策的に守られてきた。これらの農産物は、広大な土地をもつオーストラリアやアメリカ、あるいは広い平野部をもつタイヤベトナム、インドなどでの農産物との自由競争を強制されれば、技術的には解決不能な価格差を強制される。

 政府が言う「強い農業」の象徴として、高付加価値の有機栽培でのコメやリンゴなどの輸出の増加が言われる。これらは、新自由主義のもと、中国等で輩出されたごく少数の富裕層を対象としたものであり、極めて一過性の高い現象でしかない。本質的には、最後に残された砦とも言うべき部分の破壊であり、農業の破壊、経済財政諮問会議の言う食料自給率12%という事態の出現でしかない。さらには、「農地の流動化」で、農地まで食い物(もうけ)にしようとしている事態なのだ。

 本質的には、日本農業の根幹とも言うべき、守られてきたわずかの部分を最後的に投げ出しつつ、東アジアを中心とした経済圏の制圧が目論まれている。それゆえ、金融資本的優位性を背景に、例えば韓国における労働運動の解体、労働者の権利はく奪が日韓EPA交渉の課題とされるという事態までが生まれているのだ。韓国労働者、民主労総が総決起して闘うことは余りにも当然であろう。この日本帝国主義の思い上がりを見る時、戦前の朝鮮支配、中国侵略を進め、日本の貧しい農民を大挙して満蒙開拓団として侵略の尖兵としてきた日本政府と軍部の姿を彷彿とさせるではないか。これを我々日本人が、日本の労働者が、また再び許すのかという問題なのだ。

 他方、アジア諸国における安い農産物の輸出は、巨大化する日本への借款返済のための原資として、資本的農業の再編が政策的に進められ、それぞれの国々で、農民からの農地の強奪と、農民の貧困化が極端に進む事態が生まれている。FTA締結とは、こうした事態を極限にまで進めるものだ。「アジア・ゲートウェイ構想」で言われている労動力資源の流動化とは、こうしたアジアの農民・民衆の貧困化、飢餓化を前提とし、日本の労働者への低賃金化、非正規化を強制するものなのだ。そこに追いつめられた日本帝国主義が新たな利潤を生み出す活路としようとしているのだ。

 G8洞爺湖サミットこそ、世界の帝国主義国が、強盗どもが雁首を並べて、こうした分捕りあいを前提とした、パイの取り合いの場なのだ。だからWTOの合意などまったく展望がなく、いずれの国もFTA、EPAの締結を背景とした自らの利害を守る経済圏の確立に躍起となっているのだ。

 ここに、三里塚反対同盟の萩原進さんが、「労働者こそFTA反対に立ちあがるべきだ」とされる、最大の根拠がある。(だから「労農同盟だ」というのは、少し乱暴すぎるようには思うのですが・・・。これはまた別の機会に。)

 明日から、札幌、洞爺湖の闘いだ。日本帝国主義の弾圧をかいくぐり世界からこられた皆さんとともに、全力で頑張ってきます。従って、当ブログはしばらくお休みです。よろしく。

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