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2008年7月29日 (火)

農業問題と三里塚闘争(4)

07830   清水の畑でトラクターを運転する萩原進さん(07.8.30)。フェンスの向こう側は空港敷地。見えるのは管制塔。

農業問題と三里塚闘争 「労農同盟」への考察(4)

                           萩原進三里塚反対同盟事務局次長

 問題を端折って話しをしてますが・・・。「骨太」2010年以降の首都圏全体でという形で、空港の自由化だとか、産業もそうですけども、まあ、「経済財政改革の基本方針2008」という形で、6月27日に、こういう冊子を作って、政府が出したんですが、やはり、安倍内閣が途中で投げ出しましたけれど、その時に作り上げた「アジア・ゲートウェイ構想」そのものが骨格として残っている。そして、これを推し進めていかなくちゃあ、今日の日本の支配ができ得ないと、端的に現わしてきたわけですね。その空港政策として、成田・羽田の24時間問題だとか、あるいはそれだけじゃなくて、一つの飛行場としてはハブ空港としての役割が果たせないんで、羽田と成田二つを使いながら、そして関空、中部を使いながらね、大きく日本の空港を軍事的にも使用しつつ、経済的にもそれをまとめた形でやってくんだ。そのためには、今までの許可制ではなく、申請さえすればなんでも通るというようなやり方で、今までは日航とか全日空という形で使っておったけれども、会社のため、儲かるためには、あらゆる空港会社の安いところを使っていくんだと。労働者も、一方では日本の労働者に限らず、世界の中から選りすぐって、彼ら流のいう「優秀な人」を、しかも低価格の給料で雇用していくと。そして重労働を強いていく。いうようなやり方の中で進んでいこうとしているわけですね。そういう意味では、利益優先であるし、しかも、労働条件、あるいは雇用条件、給料問題も含めて、そんなものは加味しないわけで、ますます制約された過酷な労働条件の中で、そういう空港会社、航空政策がとられていく。当然、空港が延長するためには、そこには経済ってものが発生するわけで、そういうものの作り方もそこに関わってくる。アジア・ゲートウェイ構想を見ても判るように、大学の問題についたって、労働者の問題についたって、空港の問題、農業の問題、全部網羅したものとしてあると同じように、そういう形で、アジアに侵略し、しかもそれを植民地化的なものとして自分たちが延命していくと。そいうやり方がなされていく、という形があります。

 まさしく、今の韓国の農民などにとってみれば、やはり自分たちが作ってる作物そのものも大打撃を受け、死活問題だという形で、ああいう闘いがなされるわけですけれど、世界的な農村の形態と言うのは、オーストラリアで見れば、日本の何千倍という形の耕地だし、アメリカでも何百倍という形になるわけですね。そして、大きくは一握りの地主、あるいは支配者の下で、農夫として働いていくという形で構成されていくというのが、大きな例としてあるんですけれど、韓国などは現実には逆で、今までの農民が農地を離れて、もう40年前、50年前に離れて、都市近郊の中で不在地主的にある。それから土地を借りて農民がいわゆる小作として、市東さんみたいな小作としている農民というのが非常に多いわけですね。半分以上そういう形になされて、都市近郊に日本みたいに第1種農業、第2種農業と言う、半分農業をやって半分勤めてそういう形で稼ぐ、そういうやり方ができえないという農民が非常に多くて、やっぱり、作っている作物が輸入によって打撃を与えられたら、生きていけないという形で、戦闘的な闘いがなされている。そういう形で今なされているのが、韓国の姿です。

 では、日本はどうかと言ったら、戦後、先ほど言いましたけれども、農地解放として60%近い小作人が、最終的には、5%、6%にしか小作としては残らないような状況になって、圧倒的な多数が農地を手にすることができたわけですね。韓国は、そういう形ではでき得なかった、農地解放がなされない。じゃあ、今、中国はどうかと言うと、部分的に支配的な要素を含めて、農民に農地を貸し与えるという形はありますけれども、基本的には、国家の土地ですからね。ですから、どんどんどんどん取り上げられて、今、オリンピックなんかもそうなんだけれど、それを工業化されて、毎日のように「暴動」が起きてる。まあ、「暴動」というのは言葉が悪いですけれど、そうい形で農民の決起がなされてる。いう形で、このアジアの中で、中国そのものが大きくは食料輸入国としてなってる。そして韓国なんかもそういう状況を作らざるを得ない。

 そして日本は、大きく、先進国の中で一番輸入に頼っているわけです。そういう中で目に 見えるのがカロリー計算で40%を割ったというような言い方をしていますけれども、餃子問題なんかで判るように、加工製品にされたものはその中に入ってないんですね。ですから、いわゆる生協だけでも中国には十何社、会社を持って取引をやってる、そういう加工会社なんかがそこに入ってる。そういう形で、学校給食から、居酒屋から、スーパーからあれだけのものを卸して、輸入してるわけです。材料は向うのもんです。だけど、それは輸入品として40%の中に入ってないわけです。だから目に見えないそういう輸入っていうものが、一方では民間を通してなされてる。政府間のあれで、業者も入ってんだけれども、統計による調査・・・・莫大なものとしてある。だから、本当に国内産でまかなって消費ができるかといったら、ほんとにできえない状況になってるわけです。そんな国が、国として栄えることができるのか、というところの素朴な考え方をしてる人たちにとってみても、これはとんでもない話になるわけですね。そういう問題も含めて、今ほんとにこの問題を話しこんでというか、消費者と言われる労働者も含めて、判りやすいものとしてあるんじゃないか。そして三里塚問題について見ても、確かに戦争問題、そして一方では農地を取り上げて、そして外国から持ってくる。そして外国の人たちから、そういう意味では札束にものをいわせて、奪いとってくるようなもんである。こういう形で、一方では飢餓を作ってる。そういう状況がなされてるところで、やはり、これは一国の問題じゃない訳です。日本だけの問題じゃない。相手国のこともそうだし、そこから発生する枝葉が大きく出てくる。そういう国際的な観点から見ても、文字通り連帯した闘いが求められる。同時に、そういうことを自国において認めていていいのかという闘いが組まれなくてはならない、組まれなければ嘘の闘いになっていくのじゃないのか、いうことが求められているという形が一方にはある。

 そういう意味で、何としても市東さんの農地そのものの強奪というのが、そういうものを全08330_2 部包括した、包摂したものとして、今、攻撃がなされているんだということを、自分たちは本当に自覚したうえで、そのことを解き放って闘いを組んでいきたいという形で、市東さんの闘いを絶対に土地を彼らに明け渡さないという闘いを作っていく。そのために裁判闘争も勝たなくちゃあならんと。裁判闘争を闘いぬいてく中で、そういう闘う陣形を作っていく言う闘いを展開したい。それが、これから夏から秋に向けた大きな課題として一方である。もう一つは、あくまでも、先ほど言いましたけれど、単に北延伸という形で何百メートル滑走路が延びましたというのが空港完成の問題性としてあるんじゃなくて、それから出てくるのが限りなく4千メートル近い、あるいは大型機がどんどん飛べる、そういう滑走路として文字通り首都圏を防衛する大きな軍事空港としてなされるのかどうかというのを、市東さんは、あの土地をもって阻止している。そして、そのことに動員される自治体労働者や運輸労働者や、あるいは国鉄、JRなんかもそうですけど、そういう人たちが動員されないためにも、その土地を阻止していくんだという、そういう大きな連帯の闘いとして存在してるんだということも見出さなきゃならんし、そのために彼は「1億8千万。そんなものは金の問題じゃない」と簡単に言ってるんだけども、そういうことを含んだものとして存在してるんだという形で、市東さんの闘いっていうのはものすごい大きな要素を含んでいるという形で、何としてもこの北延伸を阻止する闘いとして現地闘争も、どんどん組んでいく。そういうためには、だいたい月一くらいに現地では見計らいながら現地闘争を展開して、裁判闘争の闘いと同時にやりながら10月の全国集会の大爆発を何としても、成し遂げていきたい。前回、3月、やっと千の大台を持ちなおしたという段階で、またこれを割り込むというような形では、支配者どもとの闘いでは、徹底的にマイナスになります。そして、そのために三里塚闘争そのものが、作られてきた今、登りつめて、これから大きく羽ばたこうとするそういう内容も含めてね、今あるんだということを確認しながら自分たちは進みたいと思います。

 自分が言いたいのは、三里塚闘争というのは、全国の人に支えられてというのが確かにあります。しかし、歴史的な背景の上に立って三里塚闘争がここに存在して、しかもその存在の仕方が今までの歴史的な労働者とのものを大きく乗り越えて、しかもそういうところに存在しているのだ。そして、あらゆる階層の人たちがその中に、自らの課題として闘いぬいていく。そこに我々は、農民の立場から、農民として全国の農民に訴え、そのことを農民だけの闘いとしてじゃなくて、日本の革命を起こす主人公であるのは、やっぱり労働者であると。労働者とともに闘うんだと。その闘いのための大きな一翼を農民が担うんだと、そういうことを大胆にこれからやっていこうと。ですから、農業・農民問題は、これは農民だけの話じゃなしに、農村だけの話じゃなしに、決してそういう枠じゃないんだと、労働者そのものの総体もそこに関係してるし、そういう責務をもってるんだということを訴えながら、そして、そういうことを爆発させていけば、もっと三里塚闘争が巨大な闘いとして、そしてしかも、もっともっと発展した闘いとなってくるんじゃないかということを訴えたいわけです。

 今、政府は、なかなか農地法の問題、土地の問題を手をつけようとしたんだけれども、今置かれている非常な危機的状態で、裏ではやってるんですが、表では出しきれないという所に今あるんですけれども、先ほど言いました閣議決定の「骨太方針」っていう問題についてみれば、それは骨格は決めちゃうと、決めた中に何でもぶち込んでいく、そういう形がありますんで、そういう形でやらなければ延命ができえないという状況。それを裏返しすれば、決定的に弱体化された体制としてしか存在していないんだということを証明しているわけですけれども、そういう中で、我々自身がそういうものを自覚し、認識しながら闘えば勝利できるということを、逆に言い切れるんじゃないか。(了)

 (右上の写真は、今年の3・30全国闘争で基調を提起する萩原進さん)

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