6月11日 援農日記
市東さんのところを7時半ごろ出発して、菱田・中郷の鈴木さんのお宅に8時過ぎに着く。着くなり、鈴木加代子さんから 「松原さん、長靴はいた方がいいよ」といわれ、持って来ていた長靴にはきかえながら、「今日はきつそうかな?」と不安に。
すでに来ていた現闘の2人が、小型トラックに鶏ふんと糠の袋をトラックに積み込みスタート。15分くらい走って、上の写真の畑に行った。写真は、この日の午後のもので、午前中は全体が写真右側のようにきれいに前日に鋤かれていた。
余談だが、鈴木さんの畑は11か所に散在し、この日、僕は5か所を見た(下右の写真は鈴木さんの家の上にある畑。森に囲まれ、加代子さんの好きな畑で、「農家便り」にたびたび出てくる)。菱田・中郷部 落は、菱田・辺田部落などとともに、長年続いた古村です。古村の場合、長い歴史の中で、少しずつ農地が増えていくと、こういう風にあっちこっちに散在する。日本農業のこの現状を口実に、「効率が悪い」として、「担い手」農家のために農地を集約すべきとして「農地の流動化」が叫ばれ、「農地法」の解体が今、目論まれているのだ。そして4ヘクタール以下の農家は「退場願う」と、露骨な農業つぶしの意志を明らかにしているのだ。鈴木さんの所は、1か所が1.5反~2.5反。全体で2ヘクタール足らず。
加代子さんは運転できない。そのため、現闘が来てくれた時は移動できるが、そうでなければ、謙太郎さんが先ず、加代子さんを畑に送り、そのあと戻って、トラクターで移動してくる。これだけでも大変な時間と、おまけにこの燃料高騰では、燃料代だけでも大変な出費。そして無農薬・有機農業をやり抜いておられる。加代子さんは、先日「農家便り」に、「自分の仕事、農家の仕事に自信を持って私は百姓ですと言える農家になりたい」と 言っておられる。何が「退場願う」だ。
話しがそれたが、午前中はこの畑に先ず糠を目いっぱい撒いていく。土が柔らかく、長靴でもめり込んでいく。長靴に納得。撒くのはなんとか慣れたが、体中が糠だらけ。次は鶏糞。昔は、島村さんなど鶏をやっている農家から分けてもらっていたそうだが、ものすごい臭いだったとか。鶏糞と聞いた時は、思わず引いたが、実際にやってみると大したことはない。この作業だと、立ったままやれるし、昨日の作業で痛みのある足にも楽勝。ほっ。
終わって、移動。昔の千代田農協の近くにある花屋の前の鈴木さんの畑(20種類くらいの野菜が、所狭しと育っている。左上の写真)に車を置き、トラックの荷台に乗ってさらに奥へ。(右下写真)管制塔(写真中央のうっすらと見えるもの)が向こうに見え、すぐ手前が木の根育苗ハウスがあったあたりだそうで、育苗ハウスに対する成田治安法の闘いのときには、このあたりからロケット弾が飛んだり火炎瓶が 投げられたとか。ここでも鋤いたところに現闘さんが、糠と鶏糞をまく。その間に、僕たちは写真で黄色く見える菜の花を抜きとる作業。「菜の花を育てるために植えたんじゃないよ」と加代子さんのボヤキ節。蝶々やミツバチが沢山、菜の花に集まっているので、何となく可哀そう。途中、お茶を飲みながら、歓談。森に囲まれ、自然と森の生き物の話に。お茶の後は、現闘さんも加わって、菜の花抜き。謙太郎さんはトラクターで、その横を鋤いている(左写真)。現闘さんが菜の花をトラックいっぱいにして捨てに。それから僕らは荷台に乗って車を置いているところへ。時間が余ったとかで(少しは役に立った?)、
加代子さんの案内で横堀の小屋を見に行く(明日のブログで報告します)。
昼食を鈴木家でとって休憩。現闘さん二人が、今日は用事があるのでと帰っていくので、少し不安に。
昼からは、加代子さんをこちらの車に乗せて、朝、肥料をまいた畑へ。サツマイモを植えるために畝をたてマルチを張る作業。マルチというのは、最初の写真の黒いビニールのこと。謙太郎さんが遅れてマルチを張る機械をつけたトラクターに乗って登場。加代子さんに指導されて僕が、トラクターの後ろについて、マルチを張る作業。といっても、最初にセットする(右下写真の加代子さんがしている作業)だけで、あとは附いて歩きながら、トラクターが 残した土の盛り上がりを足で均して行く(実はこれが大変で、翌日足がパンパンに)。トラクターが動いていくと畝が出来上がり、そのあとからマルチが貼られていく。農機具の凄さに思わず感動。ところが、僕のせいかと思ったら機械が不調で、3本目で、マルチがうまくかからない。仕方なく、加代子さんが代わって登場。加代子さんは、足の膝の靱帯を1本切っているので、僕は均す仕事だけを続ける。途中でダウンし、カメラマンのFさんにタッチ。
途中、お茶。ここもいい森に囲まれた畑なので、話しはおのずと様々な森の生き物の話題に。加代子さんと謙太郎さんの話に、カメラマンのFさんはつぃて行くが、僕とカメラマンの山田さんはお菓子を食べるのと聞く方に専念。何しろ、ついていけない。
夕方には、全てのマルチを張り終え終了。15日の「農家便り」に「関西の3人へ。サツマイモの苗、植え終わったよ」と写真入り(左 )で掲載していただいた。帰って、野菜の豊富な夕食に舌鼓。この日、母屋の壁をぶちぬいて窓を取り付ける作業をしておられた福日労の労働者と、解放派の方も一緒に。食後、一時間あまり、でるわでるわ、加代子節が。
ムーとチビ太にもゆっくりと接するることができました。謙太郎さん、加代子さん。本当にお世話になりました。ゆったりとした農作業のおかげで、お話しも十分聞け、前日に続いて、正に「これぞ三里塚」という想いにふけることができました。ありがとうございました。
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コメント
営農という厳しさ。農業政策の非道。帝国主義の生き残りをかけた空港政策。
悔しさを内に秘め、毎日を。
実りの喜びと国家権力への怒りは、別々に存在するのではなく、裏腹でもなく、全てが人間の営み。
鈴木加代子さんの「加代子節」、聞いてみたいです。
投稿: ぶう | 2008年6月20日 (金) 13時42分
ちょっと訂正、
アキレス腱じゃなく膝のじん帯が1本ありません。
ちなみに父さんも片方の膝のじん帯ともう片方は
足首のじん帯が切断、ない状態で筋肉で2人
ごまかしています。
普通は、機械は一人でかけて後ろに人は付きませんが
怪我でトラクターからの上り下りがきつい為、
家では、後ろについています。
投稿: 鈴木加代子 | 2008年6月22日 (日) 17時16分